今週のまとめでは、先週の自然・気候関連の主なニュースをお伝えします。
COP29の自然・気候関連ニュース:3,000億ドルの資金拠出約束、化石燃料からの「後退」への懸念、世界的な炭素市場枠組みの進展。
1. COP29:3,000億ドルの気候変動対策合意に注目
気候資金は、バクー(アゼルバイジャン)で11月11日から22日まで開催された国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)で重要な議題となりました。
議論では、先進国が助成金や融資を通じて、気候変動への取り組みにおいて、より貧しく発展途上にある国々をどのように支援できるかが焦点となりました。
2035年までに年間1兆3,000億ドルの資金を目指す包括的な目標が採択されましたが、助成金と低利融資に充てられることになったのは、年間わずか3,000億ドルでした。これは、先進国から発展途上国へ、グリーン移行と気候変動への適応を支援するために拠出されます。
この合意により、発展途上国向けの資金は、従来の年間1,000億ドルという目標から3倍に増えました。
保険契約と同じように、保険料が全額、期限どおりに支払われて初めて機能します。何十億もの人々の命を守るため、約束は果たされなければなりません。
—サイモン・スティール、国連気候変動枠組条約事務局長
サイモン・スティール、国連気候変動枠組条約事務局長
この目標は、COP27での進展を土台とするものです。COP27では、「損失と損害」基金の設立が合意され、COP28では、エネルギーシステムにおいてあらゆる化石燃料から脱却する世界的な合意が成立しました。
多くの指導者や専門家が、この合意によって変化がもたらされるのか懸念を示しています。Power Shift Africaのディレクター、モハメド・アドウ氏は「実際の資金が示されず、動員する資金について曖昧で説明責任を伴わない約束しかないなか、彼ら[先進国]は気候資金に関する義務を回避しようとしている」と述べました。
2. COP28の化石燃料に関する合意からの「後退」
昨年のCOP28で各国は合意しました。「科学的知見に沿って2050年までにネットゼロを達成するため、公正で秩序ある衡平な方法により、エネルギーシステムにおいて化石燃料から移行する……」
しかしアルジャジーラによると、COP29の交渉では、以前の合意が言及されたものの、化石燃料の段階的削減を求める呼びかけは改めて確認されませんでした。。
後退が起きていることは誰もが知っています。昨年合意した内容を選択肢の一覧のように解釈し、実際には文言を撤回し、約束を取り消そうとする動きがありました。
—アイルランド環境相イーモン・ライアン氏(BBC報道)
アイルランド環境相イーモン・ライアン氏(BBC報道)
アイルランドのイーモン・ライアン環境相は「後退」への警戒感を示し、英国のエネルギー相エド・ミリバンド氏も進展の欠如に懸念を表明し、「現状維持は後退です。これが結果となれば、世界は当然、私たちを厳しく批判するでしょう」と述べたとBBCは報じています。
3. プラスチック汚染に関する世界条約の締結に近づく
大きな課題は残るものの、政府間交渉委員会(INC)の第5回会合(INC-5)は11月25日から12月1日まで開催され、 プラスチック汚染に関する世界条約の実現に向けた重要な一歩となりました。各国代表は、プラスチックの生産や廃棄物への対策、実施手段、循環経済への道筋について議論しました。しかし、懸念される化学物質、供給と削減の目標、資金調達などの重要課題では合意に至りませんでした。こうした課題があるなか、INC-5では集団的な行動の緊急性が強調され、100か国を超える国々から野心的な取り組みを求める声が上がりました。また、交渉継続の基盤が整えられ、条約の最終合意は2025年前半に予定されるINC-5.2に持ち越されました。
グローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップ(GPAP)は、会合を開催し、多様な関係者間の対話を促進することで交渉に知見を提供し、議論の前後や開催中に情報を共有しました。取り組みについて詳しくは、こちらをご覧ください:INC-5はこちら。
4. ニュース概要:今週の自然・気候関連の主なニュース
首脳会議では貿易摩擦も高まり、発展途上国は、欧州連合(EU)の炭素国境賦課金などの貿易障壁が気候変動対策を損なうと述べたと、ロイターは報じています。
一方、炭素市場に関する合意がCOP29で成立しました。新たなルールにより、裕福で温室効果ガス排出量の多い国々は、発展途上国から炭素削減の「オフセット」を購入できるようになります。
現在の進展のペースが続けば、10年後、世界はプラスチック廃棄物の量に「対処できなくなると、ノルウェーの国際開発相は述べたとガーディアン紙が報じています。アンネ・ベアテ・トヴィンネライム氏は、拡大を食い止めるには、各国が生産と消費への対策に注力することが重要だと述べました。
気候変動により、2019年から2023年にかけて大西洋のハリケーンの風速は平均で時速19マイル(31キロ)上昇したと、研究で明らかになりました。この研究は、『Environmental Research: Climate』に掲載されました。
米国では、キリンが初めて絶滅危惧種法の保護対象に指定されました。これは、密猟を抑止し、個体数の減少から種を守ることを目的としています。
暴風雨バートが英国を襲い、先週末、雪や雨、強風により各地で混乱が生じ、1人が死亡しました。
5. アジェンダで自然・気候危機についてさらに読む
気候変動が気象パターンに影響し、飛行中の揺れが大きくなっています。世界経済フォーラムの白書では、自動化の拡大と新技術の導入がもたらす利点と課題を航空分野について検証しています。予測がより難しい乱気流や晴天乱気流について、知っておくべきことを紹介します。
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