気候変動により、オーストラリアでは山火事や洪水が深刻化している。
新たな報告書によると、異常気象のため、国内の広い地域で保険料がますます負担しにくくなるか、保険を利用できなくなる。
Climate Councilによると、2030年までに保険加入が不可能になると予測される50万件の不動産のうち、そのリスクの80%は河川の氾濫によるものだ。
同団体はまた、気候変動に対する国のレジリエンスを高めるため、適応策と災害リスク軽減への資金を増やすことが急務だとしている。
新たな報告書によると、深刻化する異常気象のため、オーストラリアの広い地域で保険料がますます負担しにくくなるか、保険を利用できなくなる。
オーストラリア気候評議会は、調査報告書を公表し、2030年までに国内の住宅および商業用建物の25件に1件が、実質的に保険加入不可能になると推計している。
オーストラリアの保険危機:高くつく負の遺産
「保険に入れない国:オーストラリアで気候変動の影響を最も受けやすい地域」と題する報告書によると、520,940棟の建物が「高リスク」と判定され、年間の損害額は不動産の再取得費用の1%以上に相当する。
調査によると、人々の住居にとって最大のリスクは河川の氾濫だ。2030年までに保険加入不可能と分類される不動産のリスクのうち、80%は河川の氾濫によるものだ。鉄砲水と山火事も、不動産が保険加入不可能になる主な要因である。
異常気象によるリスクが最も高いとされる国内上位10地域のうち、5地域は北東部のクイーンズランド州にある。同州では不動産の6.5%が2030年までに保険加入不可能になると予測されている。報告書の執筆者によると、オーストラリア北部では降水量が増加しており、短時間に激しい雨が降る事象の割合も高まっているため、洪水のリスクが増している。一方、1950年代以降、国内の広い地域で火災シーズンが長期化している。
報告書は、2019~20年の夏に発生した山火事、洪水、暴風雨に関連して、オーストラリアの損害保険会社が30万件を超える保険金請求に対し、総額38億9,000万ドルを支払ったと推計している。これを受け、再保険大手Swiss Reは、自然災害の損害額を継続的に予測できていないとして保険会社を公然と批判した。Swiss Reによると、気候変動はすでに天候の不確実性が高い「新たな世界」をもたらしており、オーストラリアの保険コストを大幅に押し上げるという。
保険危機の転換に向けた行動の呼びかけ
オーストラリアの新首相アンソニー・アルバニージー氏は、気候政策を大きく転換するとの公約を掲げて選挙で勝利した。有権者にとって気候変動は重要な関心事だった。数年にわたる深刻な干ばつ、記録的な山火事や洪水を受けてのことだ。国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が最近公表した第6次評価報告書は、オーストラリアが同様の災害に満ちた未来へと突き進んでいると述べている。異常気象の発生は増加する見通しだ。
オーストラリアは依然として発電の大半を石炭に依存しており、一人当たりの排出量で「最も汚染の多い」国の一つとなっている。世界人口に占める割合はわずか0.3%だが、世界の排出量の1%を占める。また、化石燃料の主要な供給国でもあり、それを考慮すると、世界のCO2総排出量の3.6%に責任を負っていることになる。
オーストラリアの状況を好転させるため、Climate Councilは次の6つの政策優先事項をただちに導入するよう求めている。
1. オーストラリア経済全体で迅速かつ大幅な排出削減を実施する
異常気象のさらなる深刻化を避けるには、2030年までに排出量を2005年比で75%削減する必要がある。2030年までに排出量ネットゼロを達成すべきだ。
2. 化石燃料への補助金を廃止する
同評議会によると、2021~22年にオーストラリアの連邦政府と州政府は、化石燃料産業を支援するため、総額82億ドル相当の支出と減税措置を提供した。これは国家復興・レジリエンス庁の予算の56倍にあたり、気候変動対策と相いれないという。
3. レジリエンスへの投資を優先する
リスク軽減とレジリエンスへの投資は、損失や苦痛の回避、災害コストの削減、経済・社会面で期待される便益という「三重の配当」をもたらすと同評議会は述べている。レジリエンスに対する公的投資の拡大を優先しなければならない。
4. 土地利用計画に気候リスクを織り込む
保険危機を回避するため、あらゆるレベルの政府で政策を改善し、気候変動の脅威に現在さらされている、または今後さらされる可能性の高い地域に新たな建物やインフラが建設されないようにする必要がある。計画が承認された際に異常気象のリスクが十分に考慮されなかったため、危険な場所に住むオーストラリア人が多すぎる。
5. 建築基準と遵守状況を改善する
悪化する異常気象のリスクに建物がより耐えられるよう、国家建築基準を改正すべきだ。同時に、建物のエネルギー効率と温熱快適性も向上させる必要がある。
6. 地域社会の「より良い復興」を支援する
町や都市、地域社会は、適切な場合には、避けられない将来の気候変化を考慮し、レジリエンスを高める形で再建しなければならない。非常にリスクの高い地域では、まったく再建しないことが適切な場合もある。オーストラリアで起こり得る保険危機を回避するため、最も脆弱で危険にさらされている地域社会の一部には、計画的な移転を選択肢として用意すべきだ。





