気候にやさしい農業:グリーンランドの氷河融解が解決策に

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  • 氷河が融解する際に堆積する超微細なシルト、氷河岩粉は、世界各地の農作物の収量を高める可能性があります。

  • ナノサイズの粒子によって、通常の岩石質の農地に比べ、植物はカリウム、カルシウム、ケイ素などの栄養分をより多く取り込めます。

  • 醸造会社カールスバーグの研究によると、1ヘクタール当たり25トンの氷河岩粉を施用したところ、デンマークの大麦畑で収量が30%増加しました。

  • ガーナ大学の研究者は、やせた農地における雨や暑さの影響を和らげるため氷河岩粉を使い、トウモロコシの収量を30%増やすことに成功しました。

グリーンランドの首都ヌーク近郊の海岸で、地元の科学者が島の氷河後退に伴って現れた逆説を指摘する。地球温暖化の最も憂慮すべき結果の一つが、その影響を抑える手段をもたらす可能性があるのだ。

「一種の驚異の物質です」と、グリーンランド出身のミニク・ロシング氏は、氷河の融解時に堆積する超微細なシルトについて語る。

氷河岩粉として知られるこのシルトは、後退する氷床の重みでナノ粒子に砕かれる。氷床は世界最大の島に、年間およそ10億トンものシルトを堆積させている。

ミニク・ロシング教授とコペンハーゲン大学の研究チームは、この栄養分に富む泥を農地に施用すると農業生産が増え、その過程で大気中の二酸化炭素を吸収することを明らかにした。

多国籍醸造会社カールスバーグの科学者たち(CARLb.CO)も調査を進めており、氷河岩粉を1ヘクタール当たり25トン加えると、デンマークの大麦畑で収量が30%増加したことを確認している。

同様に、ガーナ大学の研究者たちは、やせた農地における雨や暑さの影響を和らげるため氷河岩粉を使い、トウモロコシの収量を30%増やすことに成功した。

シルトの粒子がナノサイズであるため、通常の岩石質の農地に比べ、植物はカリウム、カルシウム、ケイ素などの栄養分をより多く取り込める。

グリーンランドの氷河は後退している。Image: NOAA

「このプロジェクトは、効果があるとはっきり分かった段階にあります」とロシング氏は言う。「大規模産業化までには多くの障壁がありますが、可能性は確かにあります」

同氏のチームは、製薬会社ノボノルディスクの所有者であるノボノルディスク財団に、プロジェクトへの資金提供を延長するよう要請した。(NOVOb.CO)に、プロジェクトへの資金提供を延長するよう要請した。

小規模な試験に続き、今後3年間でデンマークとガーナにおいて、より大規模な圃場試験が計画されている。世界各地の農家にこの資材を輸送することが経済的に見合うかを評価するためだ。

科学者たちは来年、オーストラリア、フランス、イタリア、米国で、ほかの種類の土壌にこの資材を使う試験も始める予定だ。

CO2を吸収

シルトの粒子が非常に小さいことは、岩石がCO2を吸収する自然の過程を速める助けにもなる。

シルトが雨水に溶けて栄養分を放出すると、化学反応が起こり、大気中の二酸化炭素が固定される。その溶液は排水とともに流れ出し、最終的に炭酸塩鉱物として海底に堆積する。

細かく砕いた岩石を農地に施用するという発想は新しいものではなく、鉱山や採石場の副産物が土壌の質を改善できることを示す研究はいくつもある。しかし、CO2を吸収するという付加的な利点から、この方法への関心が高まっている。

「この気づきが、この分野でさらに多くの研究を促すきっかけになりました」と、シェフィールド大学教授で、玄武岩の粉砕に関する研究の筆頭著者であるデイビッド・ビーリング氏は述べた。

この研究によると、細かく砕いた玄武岩を畑にまくと、作物の生育を助けるだけでなく、ほかの炭素回収方法と同程度の費用で大気中のCO2を除去できる。

氷河岩粉については、まだこのような詳細な計算は行われていない。しかし、コペンハーゲンの科学者による試験では、氷河岩粉1トンを畑に施用すると250~300キログラムのCO2を吸収することが示され、農家がそれをカーボンクレジットとして販売できる可能性がある。

グリーンランドの海岸では膨大な量を容易に入手できるため、鉱山から岩粉を調達したり、機械で砕いたりする代わりになり得るとロシング氏は言う。

カールスバーグの科学者たちは、従来の肥料に代わる、より持続可能な選択肢となる可能性があると考えている。

「50~100年後には枯渇すると予想されるリンなどの栄養分の代替として使えるようになればよいですね」と、醸造会社の研究所の主任科学者、パイ・ロサガー・ペダス氏は述べた。

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氷河岩粉は、主に中国、モロッコ、米国で採掘されるリンや、カナダとロシアで採掘されるカリウムに代わる可能性がある。ただし、エネルギー集約型の工程でアンモニアから製造される窒素は、引き続き加える必要がある。

まだ初期段階

カナダの肥料会社ニュートリエン(NTR.TO)は、グリーンランド以外の堆積地からシルトを採掘して輸送することを検討したが、採算が取れないと判断したという。

「グリーンランドの氷河岩粉は開発のごく初期段階にあり、現時点でその可能性を推測することはできません」と、広報担当者は述べた。

グリーンランドの新政府は、同国の天然資源開発により慎重な姿勢を取っており、この泥がいつか、より環境負荷の大きい採掘に代わる、切実に必要とされる収入源になることを期待している。続きを読む

「これは非常に興味深い資源であり、私たちが世界に伝えたい前向きな物語の一部です」と、資源相のナーヤ・ナタニエルセン氏はロイターに語った。

「山頂を爆破したり、処理施設を建設したりする必要はありません」と、同氏は9月にヌークで開かれた説明会で、投資を検討する人々に語った。

政府当局者は来年初め、バンクーバーで開かれる鉱業会議でこの鉱物を紹介する予定だが、商業的な採掘と利用が始まるのは数年先になる可能性があるという。

同省には、探査許可の申請を目指す地元起業家グループから問い合わせがあった。これは準備段階に当たる。

より負担の大きい採掘許可の取得手続きでは、環境と地域社会への影響について詳細な調査が必要となる。

「氷河粉は、量の面からも非常に興味深いものです。コンテナに入れて農家へ簡単に輸送できます」と、グリーンランド国営海運会社ロイヤル・アークティック・ラインの最高経営責任者、ヴェルナー・ハンメケン氏は述べた。

コペンハーゲン大学とガーナ大学の科学者たちは、大規模化に成功すれば、世界各地で質の高い農地が偏在していることが一因となっている食料安全保障と経済格差の改善につながる可能性があると述べている。

地質調査によると、北米と欧州の一部に広がる最良の農地は、最終氷期に氷に覆われていた。

現在のグリーンランドで起きているように、厚い氷の層が土壌を削り、よみがえらせたのだ。

「北欧では、世界のほかの地域より豊かなのは自分たちがずっと賢いからだと考えています。実際には、ゴム長靴の下にある土壌がより良いだけなのです」とロシング氏は述べた。

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