Circularity Gap Report 2021によると、住宅、移動、食料が世界の排出量のほぼ70%を占めています。
経済のうち循環型となっているのはわずか8.6%ですが、地球を持続可能な状態に保つためには、これをほぼ倍の17%に引き上げる必要があります。
循環型戦略により、世界経済が消費する鉱物、化石燃料、金属、バイオマスの量を「大幅に削減」できる、と著者らは述べています。
具体的な機会としては、住宅をより少なく、より良く建てること、未加工食品を推進すること、車両設計を改善することなどが挙げられます。
世界は、炭素排出削減の公約にもかかわらず、気候崩壊に向かっています。新たな報告書は、世界の温室効果ガス排出量を39%削減することで、地球温暖化を2℃未満に抑えうる一連の循環型戦略を特定しました。
Circularity Gap Report 2021 によると、7つの主要な社会的ニーズのうち、住宅、モビリティ、栄養の3つが世界の排出量のほぼ70%を占めています。
インパクト団体 Circle Economy の主催により、世界経済フォーラムのバーチャル会議「Davos Agenda Week」で発表された本報告書は、年間排出量(2019年水準比)のうち228億トン(22.8Gt)を削減しうる循環型戦略を提言しています。
現在、世界経済のうち循環型となっているのはわずか8.6%ですが、報告書は、気候崩壊を回避するためには、気候緩和策に加えて、これをほぼ倍の17%に引き上げる必要があると指摘しています。
「well below 2-degree world」への道筋として位置づけられる本報告書は、資源の採取、加工、製造方法を変えることで、バージン素材から新たな製品を生み出す方式から脱却する方法を示しています。
これにより、「世界経済が消費する鉱物、化石燃料、金属、バイオマスの量を大幅に削減できる」と、著者らは述べています。
「Circularity Gap Reportは、気候変動対策の怠りがもたらす危険についての冷静な警告であるだけでなく、明確な今後の指針を示すものです」と、世界経済フォーラム会長のBørge Brendeは、報告書の公表に関連する声明で述べました。
報告書が示す、経済の選ばれた分野における主要な課題に取り組むための循環型戦略の一部は以下のとおりです:
1. 住宅
新築住宅および集合住宅は、数を減らし、より思慮深く設計して、全体の床面積を抑え、資源効率を最適化する。
既存の住宅ストックの耐用年数を延ばすことを優先する。
コーハウジング、リノベーション、リファービッシュメント、モジュラー設計を促進し、素材の流れを緩やかにする。
利用されていない建物や使われなくなった建物を再利用し、住宅需要に応える。
木材、わら、麻など、天然または再生可能な建築材料を使用することで、素材の流れを再生させる。
緑化屋根や壁面緑化などの特徴がもたらす再生効果を取り入れる。
2. 栄養
肉、魚、乳製品の消費を継続的に減らすとともに、未加工食品を推進する。
食料を持続可能な方法で生産する。新鮮で、地域産、地元産、旬の食材を選ぶことで、温室で促成栽培された野菜の必要性を減らす。また、こうした選択肢は輸送距離も短くて済む。
都市型農業、有機農業、精密農業などの新たな手法を導入し、合成肥料の使用をなくす。
3. モビリティ
共有オフィスやバーチャルオフィス、テレワーク、在宅勤務など、さまざまな勤務形態の施策を通じて移動を減らす。
車両設計を改善し、燃料、鋼材、アルミニウムの使用量が少ない、軽量で小型の自動車やスクーターなどを普及させる。
カーシェア、相乗り、ライドシェア、公共交通機関、パーク・アンド・ライドなど、共有型の移動施策を推進する。こうした選択肢は燃料消費の削減や、個人所有の車両の必要性の低減にもつながる。
4. コミュニケーション
デジタル化は、通信機器の効率的な設計と利用に不可欠であり、素材の流れを減らすことができる。
機器やツールを共有することで、パソコンやモバイル端末の利用が環境に与える影響を減らす。
資源消費を抑え、効率を高めるため、LCDモニター付きのデスクトップパソコンではなく、より小型で軽量なノートパソコンを購入する。
5. 消耗品
紙の使用量を減らすためデジタル化を進め、動物由来の繊維で衣料を作らず、使い捨てプラスチックの根絶を目指し、エコラベルを取得した責任ある調達による木製家具のみを指定し、地元での購入と調達を優先する。
繊維製品、家電、家具、機械について、修理、メンテナンス、共有、再製造、回収(テイクバック)プログラムを導入・推進する。
6. ヘルスケア
耐用年数の長い医療機器(計画的な予防保守制度を整えたうえで)に投資することで、資産の耐用期間を延ばし、製造・使用される使い捨てプラスチック製品の数を減らす。
バーチャル医療サービスモデルを開発する。これにより、診断と治療へのアクセスを改善しつつ、物理的な診察スペースや、移動を含む関連する資源消費コストの必要性を減らすことができる。





