地球温暖化に伴う海面上昇、予測精度が向上

An iceberg in Greenland
The Greenland Ice Sheet provided scientists with the evidence they needed to prove that sea level fingerprints exist.Image: Unsplash/Alexander Hafemann
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  • 科学者らが初の「海面フィンガープリント」を発見。海面の変化を予測するモデルや理論への信頼向上につながる。

  • 氷床の融解が進む地域の近くで海面が低下すると、こうしたフィンガープリントが現れる。

  • 潮汐、海流、風の変化によって海面が大きく変動するため、追跡は困難だった。

  • 初のフィンガープリントの発見により、海面変化の予測に役立つ新たな知見が得られる可能性がある。

氷河の氷床が融解すると、海面には直感に反する現象が起きる。近くの海面は上昇しそうに思えるが、実際には低下する。一方、数千マイル離れた場所では、シーソーのような作用で海面が上昇する。なぜだろうか。氷床に向かう重力が失われるため、水がそこから遠ざかるように分散するのがその理由だ。

こうした現象のパターンは、発生ごとに固有であることから「海面フィンガープリント」と呼ばれる。地球全体の海面が一様には上昇しないという理解の核心にあるこの概念の要素は、100年以上前から知られており、現代の海面科学はそれを基盤に発展してきた。しかし、広く受け入れられている理論には、長らく知識の空白があった。研究者が海面フィンガープリントを決定的に検出したことはなかった。

ハーバード大学卒業生のソフィー・コールソン博士(2021年修了)が率い、ハーバード大学の地球物理学者ジェリー・X・ミトロヴィツァを含む科学者チームは、初めて検出できたと考えている。研究成果は、木曜日にScience誌で発表された新たな研究で説明されている。この研究は、ほぼ1世紀にわたる海面科学の妥当性を裏付け、将来の変化を予測するモデルへの信頼をさらに高める。温暖化が進む地球では、こうした予測の重要性が増している。

「海面物理学では、ほぼ誰もがフィンガープリントの存在を想定していましたが、同程度の確信をもって検出されたことはありませんでした。」

ジェリー・X・ミトロヴィツァ、ハーバード大学の地球物理学者

「海面水位の予測も、都市計画や沿岸計画も、すべてフィンガープリントの考え方を基盤にしてきました」と、地球・惑星科学部門のフランク・B・ベアード・ジュニア科学教授であるミトロヴィツァは語った。「だからこそフィンガープリントは非常に重要です。海面変化の形状がどのようなものになるかを推定できます。……そのため、海面変化が今後どう進むかについて、以前よりはるかに確信が持てるようになりました。……フィンガープリントの物理学が正しくなければ、現代の海面研究全体を見直さなければならなかったでしょう。」

潮汐、海流、風の変化によって海面が大きく変動するため、海面フィンガープリントの追跡は非常に困難だった。そのため研究者は、水面のミリメートル単位の動きを検出し、それを数千マイル離れた氷河の融解と結び付けるという課題に直面している。

ミトロヴィツァは、この探索を素粒子ヒッグス粒子の探索になぞらえた。

「ほぼすべての物理学者がヒッグス粒子の存在を考えていましたが、それでも確実に検出されたことは画期的な成果でした」とミトロヴィツァは語った。「海面物理学では、ほぼ誰もがフィンガープリントの存在を想定していましたが、同程度の確信をもって検出されたことはありませんでした。」

新たな研究では、欧州の海洋監視機関が新たに公開した衛星データを使用している。このデータには、グリーンランド氷床周辺とグリーンランドに近い広範囲の海域で30年以上にわたって観測された記録が含まれ、フィンガープリントによる海面の上昇と低下を捉えている。

この衛星データにミトロヴィツァと、スクリップス海洋研究所の同僚デービッド・サンドウェルが注目した。この地域の記録は通常、グリーンランド南端までしかカバーしていなかったが、新たに公開されたデータは緯度でさらに10度北まで届いていたため、科学者らはフィンガープリントが引き起こすシーソー現象の兆候らしきものを目視で確認できた。

ミトロヴィツァはすぐに、大学院芸術科学研究科で博士課程を修了し、現在はロスアラモス国立研究所の博士研究員であるコールソンに連絡し、これが海面科学者らが数十年にわたって追い求めてきたフィンガープリントの信号なのかを確かめようとした。

「グリーンランド氷床がどのように質量を失ってきたかという私たちの理解に基づき、フィンガープリントがどのように見えるかを正確にモデル化し、その予測が衛星観測と一致するかを確かめるには、彼女が最適でした」とミトロヴィツァは語った。

氷床や氷河の融解に伴う海面変化と地殻変形のモデル化を専門とするコールソンは、データセットが受信箱に届いたとき、英国で家族を訪ねていた。彼女はすぐにその可能性に気づいたという。

コールソンは、グリーンランド氷床内の氷の高さの変化について見つけられる最良の観測記録を過去30年分集めるとともに、カナダ北極圏とアイスランド全域の氷河の高さの変化を再構成したデータも集めた。これらの異なるデータセットを組み合わせ、1993年から2019年までの地域の予測を作成し、新たな衛星データと比較した。結果は完全に一致した。衛星が明らかにした海面変化のパターンが融解する氷床のフィンガープリントであることを、99.9%を超える確信度で示す一対一の一致だった。

「本当に驚きました。そこに海面フィンガープリントがあったのです。存在の証拠が」とコールソンは語った。「私たち全員にとって、本当に、本当に興奮する瞬間でした。複雑な地球のプロセスがこれほど明快に、驚くほどはっきりと示される瞬間は、科学の世界でもめったにありません。」

「ソフィーがこれほど見事に主導したこの研究は、私のキャリアの中でも特に意義深いものです。国際的な同僚たちと築いてきた理論・計算研究の集大成となりました」とミトロヴィツァは付け加えた。彼の研究グループは、海面フィンガープリントがどのように見えるはずかを示すモデルと予測を、最初に発表したグループだった。

科学研究では、成果をまとめて論文を執筆するまで通常何年もかかるが、今回の研究者らは迅速に行動できた。衛星データを見てから論文を投稿するまで、全体でわずか数カ月だった。

その理由は、約20年前にミトロヴィツァとチームが海面フィンガープリントの研究を発表して以来、理論、技術、手法の多くがすでに十分に開発され、洗練されていたためだ。そこで示された計算は広く受け入れられ、海面上昇を予測するほぼすべてのモデルに取り入れられている。

初の海面フィンガープリントが検出された今、世界に最も大きな影響をもたらす問いは、それがどこにつながるかだ。

「今後、さらに検出されるでしょう」とミトロヴィツァは語った。「間もなく、フィンガープリント物理学の力を全面的に活用して、次の10年、1世紀、そしてそれ以降の海面変化を予測できるようになるでしょう。」

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