東南アジアは増大するエネルギー需要に対応できるのか?

Solar panels are pictured on the Marina Barrage building, with the Singapore Flyer observation wheel and office and hotel buildings pictured in the background, in Singapore March 25, 2009.
Southeast Asia's demand for electricity is among the fastest growing in the world.Image: REUTERS/Laurence SiMeng Tan
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  • 東南アジアの電力需要の伸びは世界でも最速クラス

  • 再生可能エネルギーが賄う需要は約15%にとどまる

  • 気温上昇によりエアコンの使用が増加

  • 冷房需要のピークが電力システムに負荷をかける可能性

東南アジアのエネルギー市場は急速に拡大しています。全体の需要は2000年以降80%増加し、数百万人の新たな利用者が電力を利用できるようになりました。

エネルギーシステムへの圧力が高まっています。需要の多くを化石燃料使用量の倍増で賄うなか、CO2排出量も増加しました。

東南アジアでは、屋外および家庭内の大気汚染に関連する死亡者数が、2040年までに年間65万人を超えると予測されています。国際エネルギー機関(IEA)によると、2018年の約45万人からの増加です。

しかし、より持続可能なエネルギー利用への転換は可能です。

IEAが発表した3つの新たな図表は、東南アジアが直面する課題だけでなく、エネルギーの未来に向けた機会も示しています。

1. 需要と影響のバランス

東南アジアではエネルギー需要が急増しており、その大部分を化石燃料で賄っています。Image: IEA

東南アジアの多くの国の人口は、英国、米国、中国よりも速いペースで増加しています。

「東南アジアは今後20年間で大きな影響力を持つことになります。日本のエネルギーシステム全体に相当する規模が世界の需要に加わる見込みです。この急速な成長は、東南アジア諸国のエネルギー政策が重要であることを、自国民にとってだけでなく、世界にとっても浮き彫りにしています」と、IEA事務局長のファティ・ビロル氏は述べています。

IEAの調査結果は、次の10カ国の経済およびエネルギーの動向に基づいています。東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国には、シンガポール、タイ、インドネシアなどが含まれます。

調査からは、域内がエネルギー需要を満たすために、いかに石油に大きく依存しているかが分かります。需要は2040年までに日量900万バレルに達すると予想され、東南アジアは化石燃料の純輸入地域になりつつあります。

2. 冷房需要の増加

過去30年間で、ASEAN諸国のエアコンに必要なエネルギーは7.5倍に増加しました。これは韓国の家庭用電力消費量の年間合計に相当します。

ただし、域内のエアコン普及率は、気候条件が比較的穏やかな先進国・地域と比べても依然低く、市場は大きく成長する可能性があります。

ASEAN諸国の公表政策シナリオ(STEPS)では、冷房に必要なエネルギーが2040年までにピーク時の電力需要の約30%に達し、設備容量は200 GWに相当するとされています。

冷房需要が増え続けるなか、運用効率の向上も一層必要になります。Image: IEA

IEAによると、ASEAN諸国はその時点までに、電力を110 TWh節約できる可能性があります。これはマレーシア、フィリピン、ベトナムの現在の発電量の合計にほぼ相当します。そのためには、エアコンの効率向上に加え、建物設計全体の改善、イノベーション、消費者の関与促進が必要です。

3. グリーン化の可能性

2040年までに、東南アジアの電力消費量は倍増する見込みです。所得の増加と気温の上昇がその要因です。この需要を満たすには、エネルギーミックスを多様化する必要があります。

現行政策のもとでは、ASEAN諸国の発電量に占める再生可能エネルギーの割合は約20%になると予測されています。域内の国境を越えた連系計画により、電力システムにおける再生可能エネルギーの割合をさらに高めることができます。

ASEAN諸国の再生可能エネルギーは、2023年までに3分の1超増加すると予測されています。Image: IEA

IEAは、東南アジアのエネルギー部門をより持続可能にするため、次の4つを提言しています。

  • 2040年までにエネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を3倍の70%にする

  • エネルギーコストの上昇と安定供給への懸念に対処するため、冷房や道路輸送など急成長する分野を中心に、エネルギー効率を高める

  • 化石燃料への補助金を段階的に廃止する

  • 炭素回収・利用・貯留などの新技術を導入する。

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