アル・ゴア:米国の政策転換にもかかわらず、気候変動対策は「止められない」

Al Gore thinks action on climate is unstoppable, despite Donald Trump's notice to withdraw the US from the Paris Agreement.
Climate campaigner Al Gore stresses that reducing emissions makes economic sense.Image: World Economic Forum/Jason Alden
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  • 元米国副大統領のアル・ゴア氏は、気候変動に対処するため、温室効果ガス排出削減の重要性を長年訴えてきました。

  • 同氏は、米国が世界的な気候協定から再び離脱する決定があっても、気候変動対策の勢いが止まることはないと述べています。

  • ラジオ・ダボスの取材に応じたゴア氏は、排出量の測定に取り組む「Climate TRACE」の活動と、今後の展望について語りました。

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「地球温暖化を引き起こす汚染物質の排出に影響する多くの決定は、米国連邦政府の行動によって決まるものではありません。」

これは、ドナルド・トランプ大統領が米国をパリ協定(気候変動に関する国際的な枠組み)から離脱する通告を行ったことの影響について、アル・ゴア氏が示した見解です。

世界経済フォーラムの2025年次総会で講演した元米国副大統領で気候変動対策の提唱者であるゴア氏は、ラジオ・ダボスの取材に対し、気候変動対策の勢いが止まらない理由、排出量の測定がその管理に不可欠である理由、そして今後起こることについて語りました。

ゴア氏の発言の要点は以下のとおりです。

気候変動対策の経済的根拠

トランプ氏が就任後最初に行った措置の一つは、米国がパリ協定から離脱することを国連に通知する書簡への署名でした。同氏は初任期中にも一度これを行っています。しかし、ゴア氏は、この動きが一部で懸念されているほど世界の気候変動対策に影響を与えるとは考えていません。

「知事、市長、そして多くのビジネスリーダーは、経済的に理にかなっているため、大部分において排出削減を継続するでしょう」と同氏は述べています。

組織もまた、最も優秀な人材を採用し続けたいと考えるため、目標を見失わない可能性が高いとゴア氏は付け加えています。次世代の労働力にとって気候変動は非常に重要な優先事項であるとも述べています。「特に若い人々は、現在、自分たちの価値観を共有しない企業で働くことを避ける傾向があり、それは人類文明の未来に影響を及ぼす気候危機のような重要な問題では特にそうです。」

気候変動対策の勢いは「止められない」

トランプ氏の決定後も気候変動対策の勢いが続いているかと問われたゴア氏は、明確に次のように答えました。「止められないと思います。」

ゴア氏によると、化石燃料産業には3つの市場があります。主に石油とガスを燃焼させる発電、液体燃料に依存するモビリティや輸送、そして75%がプラスチックである石油化学製品です。

ゴア氏は、この産業は最初の2つの市場をすでに失いつつあると述べています。昨年、世界で新たに設置された発電設備の大部分は再生可能エネルギーによるものであり、電気自動車も市場シェアを伸ばしています。一方で、マイクロプラスチックによる環境や健康への危険性に対する消費者の懸念は、3つ目の市場に大きな影響を与えつつあります。

「私は、もう賽は投げられたと考えています。結果は明らかです。私たちはこの移行を実現し、気候危機を解決するでしょう。ただ、残された問題は、それをどれだけ速く実現できるかです。」

化石燃料ロビーは「議論で負けつつある」

ゴア氏は、特に若い世代の間で、化石燃料企業が気候変動をめぐる議論でゆっくりとしかし確実に負けつつあると考えています。

「私がすでに述べたように、化石燃料企業は史上最も強力なロビー活動を行っており、この移行を遅らせようとしています。さらに、誤った情報を広める多くの気候変動否定論者に資金を提供しています。しかし、彼らは支配力を失いつつあります」と同氏は説明しています。

「残念ながら、彼らは排出量を管理することよりも、政治家を取り込むことに長けており、彼らの指示に従うだけの政治家も多く存在します。しかし、若い人々が選挙で投票する層に加わりつつあり、この危機への政治システムの取り組みにおいても、真の変化の兆しが見え始めています。」

科学者たちが気候変動の影響について予測を「的確」に示してきたという事実は、ゴア氏が長年主張してきた論点であり、特に2006年の書籍およびドキュメンタリー『不都合な真実』で顕著に示されています。これは私たちが立ち止まって考えるべき事実です。

「毎晩のテレビニュースは、『ヨハネの黙示録』をたどる自然のハイキングのようです」と同氏は述べています。「世界各地で起きる気候関連の災害は、はるかに頻繁かつ深刻になり、死者も増えています。そして、マザーネイチャー(母なる自然)は、私や気候活動家のだれよりも優れた提唱者です。こうした出来事が、人々の考えを変えつつあるのです。」

Climate TRACE、排出量報告を加速

「ビジネスには『測定できるものしか管理できない』という古い格言があります」とゴア氏は述べています。実際、これは同氏が共同設立した独立した世界の排出量トラッカーであるClimate TRACEの基本原則です。まもなく、報告の頻度を年次から月次へと加速させる予定です。

「これは、13の人工知能組織と160のデータ提供者による連携であり、世界で最も優れた科学者たちが協力し、世界中の地球温暖化汚染物質の6億6,000万の発生源を正確に特定しています」と同氏は説明しています。

「すべての国、すべての州または省、すべての国家、世界の9,000の主要都市、そして経済のすべての部門とその下位部門を網羅しています。そして、その発生源を非常に正確にお示しできます。」

3月以降、世界のすべての国で、スコープ1、2、3の排出量が監視されることになります。また、CLIMATE Trace は、吸入することで世界中で年間870万人が死亡している粒子状物質による汚染についても監視対象に加え、気候変動対策を推進しようとしています。

「保健コミュニティ、環境正義コミュニティ、気候コミュニティの連携は、温室効果ガスの大幅な削減を加速させる非常に強力な連携になるでしょう」と同氏は考えています。

Climate TRACEの監視は、人工知能(AI)によって可能になっています。AIは、300の衛星と30,000の陸上、海上、空中センサーからのデータを1時間ごとに受信・分析し、前例のない詳細さで排出量を追跡しています。さらに、一部のCEOは、正確性の確認に使用される自社の自己監視データを、非公式に提供しています。

最も重要なのは、こうした知見を行動に移せることです。例えば、Climate TRACEのデータは、世界で最も問題のある埋立地100か所を特定するために使用されました。ごみ処分場からの温室効果ガス汚染は、世界中のすべてのAIデータセンターからの汚染の14倍に上ることが明らかになったためです。

埋立地を砂や土で覆うことで排出量が70%削減される可能性があるため、この方法は比較的低コストで低技術の解決策であり、地球温暖化汚染物質の削減に「多大な影響」をもたらすことが期待されます。

2025年にリーダーが気候変動を優先すべき理由

将来を見据え、ゴア氏は、気候危機の解決が今日の最大の課題の多くに取り組む鍵になると考えています。

「最も重要な解決策は、化石燃料の使用をできるだけ早く段階的に廃止することです。それは、健康危機への解決策、気候危機への解決策、そして多くの国が直面すると懸念している失業危機への解決策にもなります。ですから、それこそが最優先事項だと考えています。すなわち、現在利用可能な再生可能エネルギーやその他の技術によって化石燃料を置き換え、地球温暖化汚染物質を段階的に削減することです」と同氏は述べています。

最近のロサンゼルスでの壊滅的な山火事やその他の気候関連災害が示したように、「人々がこうした深刻な被害を受けるとき、マザーネイチャーは十分な緊急性を与えており、私たちが負うリスクはあまりにも高すぎます」。

しかし、気候変動対策を優先すべきもう一つの理由があることは確かです。「それは、古く汚い化石燃料経済に同じ金額を投資した場合に生まれる雇用の3倍もの良質な新規雇用を生み出すということです」と同氏は説明しています。

「数百万の新たな雇用を生み出し、空気をきれいにし、健康状態を改善し、人類の未来を守ることができるなら、それは非常に良い取引です。」

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