洗濯機の排水からプラスチック繊維を音波でろ過する科学者たち

Maria-Luiza Pedrotti, CNRS marine biologist specialized in micro-plastics, looks at sea sample taken from the Mediterranean Sea on a coastal research vessel as part of a scientific study about microplastics damaging marine ecosystems, near Villefranche-Sur-Mer, on the French Riviera, France, October 19, 2018.
Every time we wash our clothes, tiny plastic fibres are released into the water.Image: REUTERS/Eric Gaillard
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  • 洗濯機は海洋プラスチック汚染の一因

  • 衣類の素材の60%はプラスチック

  • 洗濯物1回分から数十万本のマイクロファイバーが放出される可能性

  • 日本の研究者が音響波装置を試験

衣類を洗うたびに、小さなプラスチック繊維が水中に放出されます。マイクロファイバーは小さいものの、大きな問題になりつつあります。

約衣類の素材の60%はプラスチック。また、ある報告書によると、最大で合成素材を使った6 kgの洗濯物1回分から、729,000本の繊維が放出される可能性があります。

これを世界中の洗濯機の数に当てはめれば、衣類を洗うという何気ない行為が、なぜ深刻な海洋プラスチック汚染につながっているのかは容易に理解できます。

生産から世界の海洋に至るプラスチックの流れImage: Our World in Data

進歩をもたらす音波

解決策の一つは、メッシュで微粒子を捕集するろ過システムです。しかし現状では、すべてを捕らえることはできません。

そこで、日本の信州大学の科学者たちは、メッシュをさらに細かくするのではなく、別の方法を提案しています。それは、いわゆるバルク音響波システムを使う方法です。

このシステムは、排水が洗濯機から出る前に、中央を流れる水流の両側から音波を当てます。これにより中央に音響波が生じ、マイクロプラスチック繊維などの微粒子を捕集します。

繊維を含む水は一方向へ導かれ、残りの排水は両側から排出され、通常の配管を通じて処理されます。

捕集された繊維は、水から分離して蒸発の工程で取り出した後、安全に廃棄できます。

根強く続く問題

海洋プラスチック汚染の深刻さは、よく記録されています。WWFによると、プラスチックは「海を窒息させている」うえ、約700種の海洋生物が脅かされています。また、ウミガメの2匹に1匹がプラスチックを飲み込み、海鳥の90%の胃の中からプラスチックが見つかるといいます。

海洋からプラスチックを取り除く試みには、海洋ごみ回収装置や回収ブームの導入があります。

海洋ごみ回収装置は、波の穏やかな閉鎖的な水域でより効果を発揮します。たとえば、マリーナや湾、ヨットクラブなどです。1日で約20 kgのごみを回収できます。

外洋で使う回収ブームなど、より大規模な取り組みには、はるかに多くのごみを回収できる可能性があります。しかし、解決すべき課題がいくつもあります。なかでも大きな問題は、ごみがブームの端を越えて流れ出し、再び海を汚染してしまうことです。

前向きな成果

そのため、プラスチックを発生源で食い止めることが、プラスチックのマイクロファイバーも含め、海洋の浄化を進めるうえで重要になります。

日本の科学者たちが開発したバルク音響波システムは、まだ商業利用されていませんが、試験では前向きな成果が得られています。研究者らによると、実用化の前に改良が必要ですが、実験室の条件下ではPEP-T(ポリエチレンテレフタレート)繊維の95%、ナイロン6繊維の99%を捕集しました。

わずか5マイクロメートルの粒子も捕らえることができ、その大きさはおよそクモの巣の糸の太さに相当します。

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