2024年は、自然と気候に関するニュースが相次ぐ一年でした。
プラネタリー・バウンダリーの超過からプラスチック問題への取り組みの進展まで、過去12か月のぜひ読んでおきたいニュースをご紹介します。
1. 9つのプラネタリー・バウンダリーのうち7つを超過
科学者たちは、初めての報告書で、地球の健全性に対して警鐘を鳴らしました。
地球上のすべての生物にとって、安定した健全な暮らしを支える重要なシステムとプロセスは9つあります。現在、そのうち6つが、適切に機能できないとみなされるしきい値を超えています。
「安全な活動領域」にとどまっているプラネタリー・バウンダリーは3つだけです。海洋酸性化、大気中のエアロゾル負荷、成層圏オゾン層の破壊です。
2. 環境に関する記録が更新
月を追うごとに、気温の記録更新が相次ぎました。
2024年は、産業革命前の水準からの気温上昇が1.5°Cを超えた、記録上初めての年となり、パリ協定が定めるしきい値を上回りました。
科学者たちは、2024年が観測史上最も暑い年になるのは「ほぼ確実」だと発表しました。これは、欧州連合(EU)の気候変動監視機関であるコペルニクスの分析に基づくものです。
世界の海洋では、年の最初の10か月に海面水温が観測史上最高を記録しました。
3. 世界各地で発生した異常気象
「ハリケーン・ミルトン」やバレンシアの洪水、インドネシアの地滑りなど、変化する気象システムは、過去1年間にほぼすべての地域に影響を及ぼしました。
こうした事例は、世界各国が気候変動の緩和に投資する必要性が高まっていることを示しています。
実際、気候変動の緩和への投資は、対策を講じなければ気候変動によって生じかねないGDPの17%に及ぶ損失よりも、はるかに費用対効果が高いのです。
革新的な解決策や技術の進歩は、リスクを軽減し、人々とインフラの双方を守るのに役立ちます。より賢い都市計画から最先端技術まで、地域社会が洪水の脅威の高まりに対処する5つの方法をご紹介します。
世界経済フォーラムの2024年ニュー・チャンピオンズ年次総会で行われたあるセッションでは、人道上の課題に取り組み、レジリエンスを高めるために必要な国際協力について、専門家パネルが議論しました。
4. COPが3つ開催された年
2024年には、気候変動に関する会議が3つ開催されました。COPと呼ばれるこれらの会議では、相互に重なり合い、関連する気候変動、生物多様性、土地の問題に焦点が当てられました。
初の「ファイナンスCOP」となったCOP29では、気候資金と炭素市場が中心議題となりました。
参加国は、気候資金として3,000億ドルを動員することで合意しましたが、途上国が求めた1兆ドルには届きませんでした。
ほかにはどのような議題があったのでしょうか。
炭素市場の世界的な枠組みが設けられました。
野心的で投資可能な国が決定する貢献(NDC)が示されました。
議論は行われたものの、最終成果文書には、COP28で合意された「化石燃料からの移行」という表現への明示的な言及はありませんでした。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。フォーラムのピム・ヴァルドレとライア・バルバラによる記事です。
5. 気候適応を支える新たなアプローチ
フォーラムの新たな報告書2本の調査結果によると、気候リスクへの適応を怠る企業は、2035年までに収益の最大7%を失う可能性があります。そのうち1本は、、地球システム科学の第一線の研究者(ヨハン・ロックストロームを含む)との協力で作成され、もう1本は、CEO気候リーダー同盟によるものです。
排出シナリオによって異なりますが、気候災害により、上場企業全体で固定資産に年間5,600億~6,100億ドルの損失が2035年までに生じる可能性があり、2055年までには最大1.1兆ドルに達するおそれがあります。
これらの報告書は、気候対策のコストが高まるなか、取締役、投資家、経営幹部が、悪化する気候に直面しながら事業の長期的な存続とレジリエンスをどのように促進できるかを詳しく解説しています。以下の要約記事をご覧ください。
6. ブラジルのアマゾン熱帯雨林で森林破壊が減少
政府が発表したデータによると、熱帯雨林の森林破壊は7月までの12か月間に30.6%減少しました。ロイターが水曜日に報じたこのデータでは、前年の同じ期間と比較しています。
この地域の森林破壊は、2015年以来最も低い水準となりました。
アマゾンの熱帯雨林と豊かな生物多様性を守ることは、極めて重要です。森林破壊と気候変動は、アマゾンの「空飛ぶ川」の健全性にますます影響を及ぼしています。
空飛ぶ川とは、大量の水蒸気が広がる地域のことです。アマゾンの場合、ラテンアメリカの6億7,000万人の水循環に欠かせない要素であり、この地域ならではの生物多様性を支えています。
7. プラスチック汚染問題への取り組みが前進
大きな課題は残るものの、政府間交渉委員会(INC)の第5回会合(INC-5)は、交渉継続への道筋をつけました。条約の最終化は、2025年前半に開催予定のINC-5.2を目標としています。
プラスチック汚染に対して、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか。
8. 野生生物の個体数は1970年以降73%減少
自然が失われつつあります。
世界自然保護基金(WWF)の『生きている地球レポート2024』が伝える重要な結論は、これです。
5,495種の脊椎動物を対象に、1970年から2020年の間に個体数が73%減少したことが報告されています。
この報告書は、生態系の崩壊につながる主な転換点を挙げています。
サンゴ礁の大規模な死滅は、沿岸地域の漁業と高潮からの防護機能を損ないます。
亜極域循環の崩壊は、グリーンランド南方の環流に変化をもたらし、欧州と北米の気象パターンを変えるでしょう。
氷床の融解は海面上昇を引き起こし、永久凍土が大規模に融解すれば、膨大な量の温室効果ガスが放出されます。







