ダボス2019で環境について学んだ6つのこと

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ダボス会議が始まる前から、環境問題が主役となる舞台は整っていました。『グローバルリスク報告書2019』は、異常気象、気候変動対策の失敗、自然災害が上位を占めるなか、人類は「破局へと眠りながら歩みを進めている」と警告しました。また同報告書は、こうした環境リスクと人々の健康、経済成長、安全保障の水準との深い相互関係について、懸念すべき姿を描きました。

年次総会の幕開けにあたり、サー・デビッド・アッテンボローは環境保全におけるリーダーシップが評価され、クリスタル賞を受賞しました。受賞スピーチでは、気候変動、海洋、生物多様性のために行動を起こすよう力強く訴えました。

アントニオ・グテーレス国連事務総長、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相、オランダのマルク・ルッテ首相などの公人が、環境保護が緊急かつ不可欠であると語り、そのために現在取り組んでいる、あるいは今後取り組む予定の措置を説明するなか、気候変動と環境問題は引き続き大きな話題となりました。

ほかにも多くの発言がありました。2019年G20の議長国である日本の安倍晋三首相は、今年のG20で気候変動対策を最優先課題にすると述べました。また、日本がG20議長国として、海洋プラスチックの削減に向けた国際的な合意を目指すと発表しました。


しかし、実際の行動は、むしろ表舞台の外で起きていたと言えるでしょう。特に注目されたのは次の6点です。

1. 若者たちが地球と自分たちの未来のために立ち上がった

年次総会の共同議長のうち6人は、私たちのグローバル・シェイパーズコミュニティのメンバーでした。これは30歳未満の意欲ある若者が集うネットワークです。日本のゼロ・ウェイスト・アカデミーCEO、坂野晶さんはダボスで、若い世代にとって環境のために行動するかどうかを立ち止まって考える必要はなく、「呼吸するように自然なこと」だと語りました。

また、ほか21の団体と連携し、新たな世界規模のキャンペーン#VoiceForThePlanet

を立ち上げました。このキャンペーンは、世界中の人々に自然のために声を上げるよう呼びかけるとともに、企業や政府のリーダーに、市民、消費者、従業員が自然保護、海洋や森林の保全、気候変動対策の目標と行動を強化する取り組みを支持していることを示すものです。今後2年間で、このキャンペーンのさらなる展開が期待されます。

16歳の気候活動家グレタ・トゥーンベリさんも、心のこもった、切迫感のある率直なメッセージを携えてダボスに参加しました。「あなたたちの希望なんていらない。希望を持ってほしいとも思わない。パニックになって……家が燃えているかのように行動してほしい。」

2. 自然のための新たな行動計画を求める強い声

同時に、気候変動と生物多様性は表裏一体だという認識が広がっていました。これまで気候変動対策に多くの注目が集まっていましたが、ダボス2019では、気候と海洋に関する取り組みを補完する、自然のための新たな行動計画を求める声も強まりました。

背景として、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は2018年10月、人類が地球温暖化を1.5°C未満に抑え、気候の破局を回避するために残された時間はわずか12年だと緊急警告を発しました。同月、WWFは2018年版『生きている地球レポート』を発表し、世界の4,000種を超える生物の個体数の平均が、1980年以降60%減少したことを明らかにしました。海洋の温暖化も、これまでの想定より40%速く進んでおり、毎年海に流れ込む1,270万トンのプラスチック廃棄物への対処に苦慮しています。

2020年は、こうした相互に関連する問題への対応において、変革的な変化を起こす機会となる可能性があります。各問題を扱う主要な国連会議が予定されていることから、環境にとっての「スーパーイヤー」と呼ぶ代表者もいました。多くの参加者は、政府と企業がこの機会を生かして目標と行動の両方を強化し、地球を回復への道に導くべきだと考えていました。

3. アマゾンの熱帯雨林を守る取り組み

ペルー政府は、商品生産に起因する森林減少を抑え、持続可能な農村開発を支援するため、トロピカル・フォレスト・アライアンス2020と連携すると発表しました。この動きが重要なのは、ペルーには6,900万ヘクタールの森林があり、国土の半分以上を占めるうえ、アマゾンの森林面積はブラジルに次いで2番目に大きいためです。これはペルーが森林保全のために進めてきたいくつかの試験的プロジェクトを基盤とし、温室効果ガス排出量の50%超を占める森林減少を抑えるため、政府が民間部門および市民社会と連携する取り組みです。

4. 電子廃棄物

驚くべきことに、ダボスで明らかになったのは、世界では毎年、これまでに製造されたすべての商用ジェット機の総重量を上回る量の電子廃棄物が排出されているということです。特にアフリカは、電子廃棄物の「投棄場」となっています。この問題に対処するため、世界の企業10社が、自社製品に由来する電子廃棄物を回収すると約束しました。また、地球環境ファシリティ(GEF)は、ナイジェリア政府、国連環境計画、デル、HP、マイクロソフト、フィリップスとの連携を発表しました。GEFは200万ドルを拠出し、連携する各組織は民間部門からさらに1,300万ドルを調達する計画です。

5. 食料システムのイノベーション

世界の食料システムにおけるイノベーションのため、政策の策定と拡大および資金調達を進める新たな取り組みが開始されました。特に「Innovation with a Purpose」プラットフォームは、食料サプライチェーン全体でのトレーサビリティの欠如、環境への影響、食品安全などの課題に対処するため、第4次産業革命のイノベーションに重点を置いています。

食料システムではイノベーションが生まれていますが、早急に規模を拡大する必要があります。現在、食料システムは世界の温室効果ガス排出量のおよそ4分の1を占め、世界で生産される食料の約3分の1が廃棄されている一方、8億人が慢性的な栄養不足に陥っているためです。

6. 気候変動対策――実践編

大規模な気候変動対策の公約やキャンペーンは見出しを飾りがちですが、それらを実際の行動に移し、産業や事業運営モデルを実際に変えるプロセスへと結びつけるには、地味ながら膨大な作業が必要です。

地味に聞こえるかもしれませんが、必要であり、効果もあります。たとえば、世界のCEO50人が排出削減のために実行できる具体策を話し合うために集まりました。彼らが担う企業は、1兆3,000億ドルを超える売上を生み出し、150を超える国と地域の20の経済分野で事業を展開しています。

2016年以降、すでに合計排出量を9%削減した彼らは、企業の取締役会が気候リスクを事業プロセスに反映して気候変動を管理できるよう、「気候ガバナンス」の原則を策定しました。彼らが言うように、測定されるものは重要です。

ダボスでのこうした地味ながら重要な取り組みは、気候変動をめぐる今後の大きな試金石、すなわち今年9月の国連事務総長主催の気候サミットで、より意欲的な発表が行われるための土台となるはずです。

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