世界各地で、記録的な干ばつが宣言されています。
欧州では長期間にわたる暑さと熱波が続き、人々の暮らしや生計に影響を及ぼしています。
冷却できない原子力発電所から、川底で発見された不発弾まで、干ばつの影響は単なる水不足にとどまりません。
気候変動が歯止めなく進むなか、干ばつは世界各地で宣言されており、アフリカの角から中国やイングランドにまで及んでいます。
エチオピア、ソマリア、ケニアでは、平均を下回る降雨が4年連続した後、1,800万人以上が深刻な飢餓に直面しています。
長期間にわたる暑さと熱波は、より発展した国々でも人々の生計を圧迫しています。山火事が広大な土地を焼き、作物の不作が予測されています。
しかし、干ばつは欧州の一部地域で、思いがけない影響も及ぼしています。
1. フランスの塩の生産
フランスは、観測史上最悪の干ばつに見舞われ、トウモロコシの生産にも影響が出ています。8月8日時点で、「良好または非常に良好」な状態にある作物は半分にとどまりました。
一方、気温の上昇により塩水の蒸発が加速し、ゲランド地方の塩生産者は、塩田の水が蒸発する際に結晶化するフルール・ド・セルの記録的な生産量を見込んでいます。
生産者のフランソワ・デュラン氏はロイターに、今年の収量は年間平均1.3トンのほぼ2倍になる可能性があると語りました。
2. ライン川の輸送遅延
ドイツでは降雨不足により、主要な輸送動脈であるライン川の水位が大幅に低下し、運べる貨物量が減っています。その結果、遅延やコストの増加が生じています。
ライン川は、スイスアルプスから北海までドイツの産業の中心地を流れ、穀物から化学製品、石炭まであらゆるものを運びます。しかし、座礁を避けるため、船の積載量は30~40%に抑えられています。
経済学者によると、この混乱はドイツの経済成長率を最大で0.5ポイント押し下げる可能性があります。
3. 干ばつが発電に及ぼす影響
エネルギー危機のさなか、干ばつも電力供給に圧力をかけています。
水を使って発電する水力発電は、BBCによるとスペインで44%減少し、全体では20%減少しました。
原子力発電所の冷却にも水が必要です。フランスでは一部の原子力発電所が出力を下げざるを得なくなりました。川の水位が低く、水温も高いため、発電所を冷却できないとガーディアン紙は伝えています。
4. イタリアで見つかった第二次世界大戦の爆弾
川や湖が干上がるにつれ、水位の低下によって、かつて水没していた遺物が姿を現しています。その中には、イタリアのマントヴァ近郊にあるポー川の川底で見つかった第二次世界大戦時の不発弾も含まれます。
爆弾を撤去して制御爆破で処分するため、地元住民約3,000人が避難し、川と周辺の道路や鉄道の通行も止められました。
近郊のボルゴ・ヴィルジリオ村のフランチェスコ・アポルティ村長はロイターに、「当初、住民の中には移動しないと言う人もいましたが、ここ数日で全員を説得できたと思います」と語りました。
5. 干上がったダムに現れた古代遺跡
一方、スペインのバルセロナ近郊では、干上がったダムから9世紀のロマネスク様式の教会が、損傷のない姿で再び現れました。
また、マドリード東方のブエンディア貯水池では、村と浴場の遺跡が再び姿を現しました。ロイターのドローン映像で確認されました。
なかでもおそらく最も驚くべきは、先史時代のストーンサークルの出現です。スペインのストーンヘンジとも呼ばれるこの遺跡は、カセレス県中部のバルデカニャス貯水池にあります。
グアダルペラルのドルメンとして知られるこの遺跡は、数十個の巨石が円状に並び、紀元前5000年にさかのぼると考えられています。再び水没する前に調査しようと、考古学者たちは急いでいます。
ドイツ人考古学者フーゴ・オーバーマイアーが1926年に発見しましたが、フランシスコ・フランコ独裁政権下の農村開発事業により、1963年に一帯が水没しました。




