持続可能なエネルギー転換の解決策はすでに整っていますが、その成否は規模と実行にかかっています。
エネルギー効率の向上だけで、2050年までに必要な水準までCO2排出量の約44%を削減できます。
よりスムーズなエネルギー転換とSDGsの達成には、確固たるリーダーシップが必要です。
パリ協定の達成や、国連の持続可能な開発目標(SDG)7「すべての人々に手頃で信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」の実現に向けて、残された時間は少なくなっています。
したがって、私たちは歩みを速める必要がありますが、どれほど迅速に変化をもたらせるのでしょうか。そして、そのコストはどれほどになるのでしょうか。待てば待つほど、環境面、経済面、社会面でのコストは大きくなります。しかし、持続可能なエネルギー転換を可能にする解決策はすでに整っています。あとは行動の規模とスピードが問われています。
エネルギー転換を加速する方法
エネルギー転換のプロセスを加速するための具体的な方法を3つご紹介します。
1. エネルギー効率化という機会
エネルギー効率化は、短期的にも中期的にも最もコスト効率の高い解決策です。また、すべての国が豊富に保有しているエネルギー源であり、経済成長とエネルギー需要を切り離すための普遍的な手段でもあります。
気候変動対策戦略の一環として、エネルギー効率化だけで、2050年までに必要とされるCO2排出削減量の44%に貢献できます。エネルギー1単位あたりの生産性を高めることは、よりクリーンな空気、より栄養価の高い食品、快適な教室、住みやすい都市の実現を通じてSDGsの達成に役立つほか、電気自動車の動力となるエネルギーを生み出すことにもつながります。私たちが既存建築物の現在の世界的な改修率を年1%から2%に引き上げれば、国際エネルギー機関(IEA)の推奨どおり、新たなエネルギー需要を生じさせることなく、2040年までに5億5,000万台の電気自動車を道路上で走行させることが可能になります。

2. 柔軟性と強靱性のための再生可能エネルギーとエネルギー効率化の統合
エネルギー効率化は、再生可能エネルギーの導入を、より速く、より大きな割合で進めるための基盤でもあります。両者が連携することで、再生可能エネルギーとエネルギー効率化により、エネルギー関連のCO2排出削減量の約90%がもたらされます。これは気候目標の達成に必要な削減量です。エネルギー転換というパズルの最後のピースは、エネルギーを消費する部門(暖房・冷房向けの建物、交通、水、産業)と、エネルギーを生産する部門を、いわゆる「セクターカップリング」を通じて確実に結びつけることです。
例えばスーパーマーケットは、暖房と冷房の両方を供給できるほか、電動モビリティ部門への電力供給も可能な、未活用のエネルギー資源です。都市には数千ものスーパーマーケットがあり、これらの店舗すべてで食品を冷蔵・冷凍するには、冷却に多くのエネルギーが必要です。これはエネルギー転換の機会となります。冷却プロセスで取り除かれる熱は、現在は無駄になっていますが、スマートなエネルギーソリューションの一環として再利用し、店舗の暖房や無料の温水供給に活用することができます。スーパーマーケットは、この熱を地域の暖房施設に販売し、地域暖房システムを通じて供給することもできます。
このように、熱回収ソリューションは他の用途のためにエネルギーを節約し、エネルギーシステムへの負荷を軽減することができます。さらに、スーパーマーケットやデータセンターなどの接続された建物は、再生可能エネルギーの比率が高まるシステムにおいて余剰能力を提供し、太陽が照っていないときや風が吹いていないときに柔軟性をもたらすことができます。

3. エネルギー転換を加速するための協働によって可能性を引き出す
持続可能なエネルギー転換こそが進むべき道であり、協働によって状況を大きく動かすことができます。野心的で先見性のある企業、政府、そして公的・民間の機関が、将来にわたって有効な解決策の開発と実施に乗り出しています。
例えば、世界で最も強力な電動フェリー「エレン(Ellen)」です。今年8月、エレンはデンマーク沿岸で処女航海を行いました。このフェリーは、EUの資金提供を受けたプロジェクトの成果であり、フェリーの拠点であるデンマークのエアロ自治体や、Danfoss Editronを含む、複数の加盟国の公的・民間パートナーが参加しています。
今まさに危機的な状況にあり、パリ協定と持続可能なエネルギーに関する世界目標(SDG7)の達成に向けた重要な道筋に私たちを乗せるためには、確固たるリーダーシップが必要です。しかし、費用対効果の高い節約や、健康・環境面での多くの利点があるにもかかわらず、エネルギー転換の鍵となるエネルギー効率化の真の機会を政策に取り入れている国は、いまだ少数にとどまっています。今こそ行動しましょう。実証済みの方法に基づき、持続可能なエネルギー消費に向けた取り組みを実行しましょう。




