知っておきたい気候変動関連用語10選

Person holding a sign that says climate justice now.
Climate terminology: Do you know what 'just transition' means?Image: Unsplash/Markus Spiske
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  • 気候変動の緩和やグローバル・ストックテイクといった言葉が一般的になりつつあります。では、それらは実際には何を意味するのでしょうか。

  • 気候変動に関する用語を10個、簡単に解説します。

  • 世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2024によると、気候変動に関連する事象は、今後10年間の世界のリスク上位4項目を占めています。

気候変動に関する用語を知っていますか?

英国の一般市民を対象に最近行われた調査によると、答えは「いいえ」かもしれません。回答者のわずか4分の1しか、「グリーン」という言葉の意味を十分に理解していなかったと、ガーディアン紙は報じています。また、半数以上が「使い捨てプラスチック」を自信を持って定義できませんでした。

よく使われる気候変動関連用語を10個取り上げ、その意味を解説します。

1. 緩和

緩和とは、気候危機の悪化を食い止めるために必要な取り組みです。

主な取り組みは、例えば化石燃料を燃やさないなどして、温室効果ガスの排出を削減することです。

森林や海洋のように温室効果ガスを蓄える自然の一部を回復・強化することも、緩和策の一つです。

この人工氷河は気候変動の影響を緩和するのに役立つかもしれない
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2. 適応

適応とは、気候危機による避けられない影響に対応していくプロセスです。

例えば、欧州各国では沿岸の防御施設を強化しており、護岸や高潮防波堤などを整備しています。

米国のサンフランシスコでは、山火事の検知に人工知能が活用されています。また、ブラジル、イタリア、スペインでは、モノのインターネット(IoT)が農業用水の管理に役立っています。

3. 損失と損害

政策シンクタンクのチャタムハウスによると、損失と損害とは、緩和策と適応策が十分でなかった場合に生じる、気候危機による破壊や被害を指します。

洪水、干ばつ、海面上昇などの気候変動事象は、建物などの物理的インフラに影響を及ぼします。ユニセフの若者向け気候用語集

によると、気候変動は暮らしや健康、文化遺産、その他の人間および自然のシステムにも損失や損害をもたらします。COP28気候サミットを含む国際政治の場では、損失と損害をめぐる取り組みは、気候変動の影響を特に受けやすい開発途上国を支援することに重点が置かれています。

デンマーク、気候変動による「損失と損害」の賠償を約束
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4. パリ協定

パリ協定は、2015年の国連気候変動会議(COP21)で、196カ国がパリで署名しました。

各国は、気候変動による最悪の影響を避けるため、地球温暖化を産業革命前と比べて2℃を十分に下回る水準に抑え、さらに1.5℃に抑えることを目指すと合意しました。

パリ協定は、気候危機への対処とその影響への適応に向けて、すべての国を結集させた世界初の法的拘束力を持つ条約として、画期的なものでした。

5. グローバル・ストックテイク

グローバル・ストックテイクとは、パリ協定の目標に向けてどのような進展があったか、また進展していないかを評価・記録する取り組みです。

例えば、温室効果ガス排出の状況や、各国が気候目標に向けてどれほど前進しているかを評価します。

国連気候変動枠組条約の主導で、初めてのグローバル・ストックテイクが2023年に実施され、各国の新たな気候変動目標の策定に活用されます。。

6. 公正な移行

公正な移行とは、より持続可能な未来への移行に、すべての人々を包摂することを意味します。国連開発計画(UNDP)によると、あらゆる地域社会、労働者、社会集団が含まれます。

国際労働機関(ILO)は、グリーン経済の実現を、公正で包摂的なプロセスとし、働きがいのある仕事の機会を設けるべきだとしています。

例えば、炭鉱労働者が職を失った場合、再訓練を受けて新たな仕事を見つけられるよう支援すべきだと、ビジネスニュースサイトのRaconteurは説明しています。

7. 気候不安

気候不安とは、気候変動への心配がメンタルヘルスに影響を及ぼす状態です。研究によると、若者が特に大きな影響を受けているとされています。

気候不安に関するオンライン検索は、BBCの報道によると、2023年最初の10カ月間では、2017年の同時期と比べて27倍に増加しました。

しかし、世界の多くの人々にとっては、「気候悲嘆」のほうがより的確な言葉です。他の人々が不安を抱きながら予期している損失や損害を、すでに経験しているからです。

8. NDC

国が決定する貢献(NDC)とは、温室効果ガス排出の削減と、気候危機の影響への適応に関する各国の目標です。

NDCは5年ごとに更新し、そのたびに目標の意欲度を高める必要があります。

各国がこうした目標に沿って気候変動対策を講じることで、世界全体の温室効果ガス排出と地球温暖化を、合意された限度内に抑えられるかどうかが決まります。

パリ協定について知っておくべきことをすべてご紹介します。
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9. 排出量取引制度

排出量取引制度とは、組織による温室効果ガス排出削減を政府が経済的に促す仕組みだと、環境ニュースサイトのEarth.orgは説明しています。

政府は排出可能量の上限、つまり「キャップ」を設定し、排出量を確実に減らすため、その上限を段階的に引き下げます。

組織は、政府が定めた上限の範囲内で、CO2を排出するごとに1トン当たりの排出枠を取得する必要があります。排出枠を使い切った場合は、排出量を削減するか、排出枠を追加購入しなければなりません。

排出量取引制度では、組織が排出枠を取引できます。Image: オランダ排出庁

10. カーボンシンク

カーボンシンクとは、排出する量よりも多くの炭素を吸収する自然の一部です。

つまり、大気中からCO2を取り除くことで気候変動対策に貢献し、その結果、地球温暖化の進行を遅らせることができます。

カーボンシンクには、森林、海洋、菌類、そしてゾウなどがあります。カーボンシンクは、気候危機に対する世界の「自然を活用した解決策」を構成する重要な要素です。

カーボンシンクは、排出する量より多くの炭素を吸収します。Image: 世界資源研究所(WRI)

気候リスク

世界経済フォーラムのグローバルリスク報告書2024によると、気候変動に関連する事象は、今後10年間の世界のリスク上位4項目を占めています。

異常気象が最大のリスクとされ、次いで地球システムの重大な変化、生物多様性の喪失と生態系の崩壊、そして天然資源の不足が続きます。

フォーラムのマネージング・ディレクター、サーディア・ザヒディ氏は、「技術の急速な進歩と経済の不確実性を背景に……世界は気候と紛争という二つの危険な危機に悩まされています」と述べています。

報告書は、個人、市民、企業、各国の行動も「臨界量に達すれば、世界的なリスクの低減に大きく影響を与えられる」と述べ、世界が直面する最も差し迫った脅威に対処するため、国境を越えた連携を呼びかけています。

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