モンスーンの季節になると、インドネシアのバリ島には何千トンものプラスチックごみが打ち上げられます。2017年12月には状況があまりに深刻となり、地元政府は島で最も人気のある観光ビーチに「ごみ緊急事態」を宣言しました。
これは、世界の海洋汚染問題を如実に物語っています。毎年、推定800万トンのプラスチックが海に流れ込んでいます。
インドネシアは、海洋プラスチックの排出量が世界で2番目に多く、中国に次ぐ国です。推計によっては、世界のプラスチック汚染の約10%がインドネシアに由来するとされています。同国の4つの河川は、プラスチックごみの量で世界で最も汚染された河川20本のうちに数えられています。
インドネシア政府は、2025年までに海洋ごみを70%削減すると表明し、河川や海の清掃に年間最大10億ドルを投じると約束しています。
政府は今、国内最大のイスラム組織であるナフダトゥル・ウラマー(NU)とムハマディヤの協力を得ています。この2団体の信徒は合わせて1億人を超えます。
新たな取り組みとして、NUとムハマディヤの聖職者たちは、プラスチックごみへの意識を高め、信徒に再利用可能な袋への切り替えを促します。
インドネシアの人口2億6,000万人は、年間推定98億枚のプラスチック袋を使用しています。その多くが河川に流れ込み、海にたどり着いていると、インドネシア環境・林業省の数値をもとにしたジャカルタ・ポストの報道は伝えています。
この取り組みに先立ち、NUはオンライン配信番組を開始しました。番組では、聖職者たちが説教の中で廃棄物管理と宗教上の規範を結び付けています。
この地図に使用されている名称および資料の提示は、いかなる国、領土、都市もしくは地域、またはその当局の法的地位、あるいは国境もしくは境界の画定に関して、世界経済フォーラムがいかなる見解を表明することも意味するものではありません。
生態系に広がる汚染
レジ袋、カップ、ストロー、ボトル、カトラリーなどの使い捨てプラスチックは、インドネシアの日常生活の一部です。一方、国内ではリサイクルやプラスチックが環境に及ぼす影響への認識が低い状況です。
バリ島近くのヌサ・ペニダ島沖で、ダイバーがごみの中を泳ぐ動画がソーシャルメディアで共有され、プラスチックごみとの闘いにおけるインドネシアの苦境が広く知られるようになりました。
世界最大の群島であるインドネシアには、地球上で最も生物多様性に富む海洋生息地の一つ、コーラル・トライアングルの大部分が広がっています。しかし、プラスチック汚染はこうしたサンゴ礁の生態系にとって大きな脅威です。これらの生態系は、何百万人もの人々に食料や収入をもたらし、嵐から守る役割を果たしており、訪れる観光客も増えています。
世界的な問題が抑制されずに続けば、2050年までに海洋中のプラスチックが魚の数を上回る可能性があります。鳥やカメ、魚などの海洋生物はプラスチックをのみ込んだり、絡まったりします。プラスチックは食物連鎖を上り、やがて私たちの食卓にたどり着きます。
あらゆる場所で消費者の行動を変える必要があります。宗教指導者にプラスチックごみ問題について説教してもらうことは、人々の習慣を変えるよう促す方法の一つです。



