ダボスからの視点:サーキュラーエコノミーへの取り組みを加速するには

A labourer recycles rubber from old tyres at a garbage dump site in Yingtan, east China's Jiangxi province October 4, 2007. Tyre makers are scouring for rubber to replenish stocks but main buyer China may wait for prices to fall before jumping into the market, dealers said. REUTERS/Stringer (CHINA) CHINA OUT
The future of our environment may seem bleak, but a growing movement believe a circular economy is the future.Image: REUTERS/Stringer
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社会の需要を満たすため、毎年900億トンの資源が採取される世界に私たちは生きており、その量は2050年までに2倍を超えると予測されています。天然資源の採取規模の大きさは懸念材料ですが、さらに問題なのは、今日、環境から取り出すものと環境に戻すものが等価ではないことです。素材を混ぜ、溶かし、成形し、燃やすことで、自然のシステムが再び吸収できない形にしてしまっています。

その結果、かつて自然環境の一部だった資源は、人間にも自然にも害を及ぼす廃棄物や汚染となります。世界の海洋にプラスチックが蓄積し、電子廃棄物が大気や土壌を汚染し、化石燃料の燃焼が世界有数の人口密集都市をスモッグで覆う様子が見られます。こうした汚染やその他の形態の汚染によって生じる病気は、推計で2015年に900万人の早期死亡をもたらしました。これは世界の全死亡者数の実に16%に当たります。自然のシステムは損なわれています。

状況は暗澹たるものに見えますが、異なる未来を思い描くイノベーター、政策立案者、ビジネスリーダーの動きが広がっています。そこでは、経済システムから廃棄物や汚染を出さないように設計されたサーキュラーエコノミーが実現し、計り知れない経済的機会ももたらされます。先週、ダボスで彼らは集まり、サーキュラーエコノミーを主導する取り組みを称えるとともに、さらに重要なこととして、サーキュラーエコノミーを軌道に乗せる活動を拡大し、加速するための取り組みを形づくりました。

主な内容をいくつか紹介します。

週は、第4回年次サーキュラーズ賞で幕を開けました。同賞は、世界各地のサーキュラーエコノミーのイノベーターや推進者をたたえるもので、受賞者には、インドの企業にとってプラスチック廃棄物を資源として活用するバニヨン・ネイションから、人工知能とロボット工学をリサイクル業界に導入し、リサイクルのコストを根本的に変えようとしているAMP Roboticsまでが含まれます。また、エレン・マッカーサー財団はプラスチック・イノベーション賞の受賞者も発表しました。同賞では、デザイナー、起業家、学者、科学者に対し、プラスチックの仕組みを見直し、プラスチック包装廃棄物をなくすことが求められました。

サーキュラーエコノミーのリーダーシップ賞を受賞したフィリップスのCEO、フランス・ファン・ハウテン氏は、次々と生まれる素晴らしいイノベーションを祝う理由はあるものの、道のりはまだ長いと警鐘を鳴らしました。「サーキュラーエコノミー・ギャップ」報告書が示すように、今日の経済で再び利用される資源はわずか9%です。その週の残りの議論では、サーキュラーエコノミーへの転換を拡大するために何が必要かを掘り下げるとともに、前進を後押しする一連の取り組みが立ち上げられました。

電子機器を例に挙げましょう。世界の接続性が高まるにつれ、電子機器の台数は2015年の約100億台から2020年には世界で250億~500億台に増えると予測されています。電子機器が世界で最も急速に増加する廃棄物の流れとなるため、これは問題になりかねません。一方で、未活用の機会でもあります。電子機器の中で使われずにいる資源の価値は、金、銀、アルミニウムなどの貴重な素材で550億米ドルと推定されています。課題は、これらを安全かつ経済的な方法で回収、処理し、生産工程に再び組み込むにはどうすればよいかです。清華大学と共同で中国における二次資源の流れを調べる予備調査が、こうした問いの検討に着手しています。

世界の海洋に流れ込むプラスチック汚染の増大に対処する際にも、同様の問いが浮上しました。包装の再設計は不可欠であり、特に新興国で深刻化する、回収・処理されないプラスチック廃棄物の課題に対する効果的な解決策の開発も欠かせません。パートナー各社は、廃棄物管理インフラに向けた革新的な資金調達策を共同で設計し、回収活動への地域社会の参加を拡大し、政策的なインセンティブを導入し、あらゆる面で役立つ革新的技術を活用する必要性を認識しています。

サーキュラーエコノミーへの転換を拡大するうえで、企業のリーダーシップも不可欠であり、その機運が高まりつつあります。ロイヤル・フィリップスの呼びかけにより、ASML、Cisco、Dell、HP、KPN、三菱エレベーター、Vanderlandを含む企業グループが誓約を発表し、自社の資本財に全責任を負うことを約束しました。これにより、サービス型モデル、計画的なアップグレードの仕組み、製品回収や再製造プログラムへの移行を促します。サーキュラーエコノミー・アクセラレーターは、こうしたバリューチェーンや他のバリューチェーンに属する中小企業が、この転換を実現できるよう支援することを目指しています。

サーキュラーエコノミー加速のためのプラットフォーム(PACE)は、拡大する40人のリーダーと知識パートナーのグループとともに、これらの誓約やさらなる行動を拡大する支援を目指しています。今年7月、各国政府がニューヨークで開催されるハイレベル政治フォーラムに集まり、持続可能な生産と消費に関するSDG 12の進捗を検証する際に、今週議論され、立ち上げられた取り組みが、現場でさらなる成果と効果を生むことが期待されます。

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