電子廃棄物への取り組みでアフリカが先導する理由

African nations are dealing with e-waste using policies, legislation and regulation. Their efforts can be a lesson to other nations around the world
African nations are dealing with e-waste using policies, legislation and regulation. Their efforts can be a lesson to other nations around the worldImage: set.sj for Unsplash
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  • 2019年、廃棄された電気・電子機器である電子廃棄物が世界で過去最多となる5,360万トン発生し、その量はなお増え続けている。

  • アフリカ諸国は、政策、規制、法令を通じて、電子廃棄物を削減する方法を先駆的に実践している。

  • 他の国々は、電子廃棄物管理システムを構築する際、アフリカの経験を参考にすべきだ。

ICTの急速な普及に伴い、廃棄される電気・電子機器、すなわち「電子廃棄物(e-waste)」が大幅に増加した。過去最多となる5,360万トン(Mt)の電子廃棄物が2019年に世界中で発生し、この量は増加傾向にある。専門家は、電子廃棄物の年間発生量が2030年までに7,470万Mtに達すると予測している。この課題に取り組むには、電子機器のバリューチェーン全体に関わる組織や個人による、連携の取れた協調的な取り組みが必要だ。メーカーは新たなアプローチを打ち出し、製品のライフサイクル全体に責任を負う必要がある。

電子廃棄物への対応で、アフリカ諸国が道筋を示している。『Global E-waste Monitor 2020』によると、アフリカの13カ国で電子廃棄物に関する政策、法令、または規制が整備されていた。各国の電子廃棄物管理システムの改善を目指す世界の他の国々にとって、その取り組みは教訓となる。

1. バリューチェーンの関係者を明確に定義する

電子廃棄物管理の長期的な解決策には、拡大生産者責任(EPR)に対する公正で経済的に実行可能なアプローチが必要となる。EPRでは、メーカー、輸入業者、販売業者などの生産者が、市場で販売した電子機器の使用済み段階の管理に責任を負う。これには、製品の回収、リサイクル、最終的な処分が含まれる。

混乱を避けるため、規制では電子廃棄物に関わるさまざまなステークホルダーを明確かつ分かりやすく定義しなければならない。アフリカの多くの国では、電子廃棄物管理とEPRを対象とする規制に定義を盛り込んでいる。例えば、コートジボワール、カメルーン、ガーナ、マダガスカル、ナイジェリア、ルワンダ、南アフリカでは、電子機器の導入、輸入、製造を行う個人または複数の個人を重視し、法人などの組織を重視していない。このため、関連するEPR制度への登録義務を負う者を、より効率的に特定できる。例えば、コートジボワール、カメルーン、ガーナ、マダガスカル、ナイジェリア、ルワンダ、南アフリカでは、「生産者」に電子機器の輸入業者、販売業者、メーカーが含まれることを明確にしている。このため、関連するEPR制度への登録義務を負う者を効率的に特定できる。

2019年、電子廃棄物は過去最多の5,360万トン発生し、その量はさらに増える見通しImage: Global E-Waste Monitor 2020

2. 持続可能な資金調達を確保する

最も持続可能なのは、自立的に資金を賄えるシステムだ。そのため、電子廃棄物管理における企業や起業家の役割が欠かせない。ナイジェリアでは、生産者が電子廃棄物管理の費用を負担するのを支援している。費用には、廃棄物の回収、分別、移送、処理、リサイクル、最終処分のほか、一般向けの情報提供や啓発キャンペーン、研修プログラムが含まれる。

これらのメーカー、組立業者、輸入業者、販売業者は、非営利団体であるナイジェリア電子廃棄物生産者責任機構に手数料を支払い、電子廃棄物の処理における責任の共有と資金確保を実現している。このアプローチにより、EPR制度の強靭性も保たれる。

規制は、こうした資金調達制度の保護に役立つ。ガーナは、使用済みおよび寿命末期の電気・電子機器の輸入に対し、電子廃棄物環境賦課金を導入した。ガーナ歳入庁の関税部門が賦課金の執行を主導しており、これによって制度の強靭性が高まり、電子廃棄物管理の費用が確実に賄われる。

3. 民間セクターと協力する

アフリカの複数の国は、EPR制度を実施する生産者責任組織(PRO)を設置する政策アプローチを選択している。PROは、生産者がEPR制度上の義務を果たすための仕組みを提供する。例えば、専門の電子廃棄物回収業者やリサイクル業者を雇用するために必要な資金を提供する。

南アフリカは、照明、電気・電子機器、包装など、さまざまな廃棄物分野でPROモデルを採用している。これは、EPR制度をさまざまな産業分野のニーズに合わせて調整できることを示している。ルワンダでは、政府が電子廃棄物の大規模な回収とリサイクルに直接投資し、大手電子廃棄物リサイクル企業Enviroserveとの官民パートナーシップを成功させた。このアプローチはPROとは多少異なるものの、規模を拡大し、ルワンダの隣国にも展開できる可能性がある。

4. 制度を執行する

電子廃棄物制度の執行を効率化することも重要だ。例えば、模倣品は部品の不具合や特定の技術基準への不適合などにより、はるかに早く電子廃棄物となる可能性がある。

模倣品の輸入に対処するため、ザンビア情報通信技術庁(ZICTA)は型式認証を通じて、技術機器の適正な輸入を徹底している。型式認証とは、製品が規制、技術、安全に関する最低限の要件を満たしているか確認することだ。

ZICTAはザンビア歳入庁(ZRA)と連携し、輸入された技術機器がこれらの基準を満たすようにしている。さらに、ザンビアで認可を受けた技術機器販売業者はすべて、前年に輸入した機器に関する統計を毎年提出することが義務付けられている。これにより、市場に投入される機器の量を追跡し、発生が見込まれる電子廃棄物の量を予測できる。

ザンビアの事例は、効果的な執行において政府機関間の連携が重要であることを示している。他国にある技術機器の型式認証などの既存手続きを調整すれば、機器の寿命や使用期間の終わりに向けた管理や統制を支援できる可能性がある。

得られた教訓

電子廃棄物管理に関するアフリカの経験には、各国が管理システムを構築する際に検討できる興味深いアプローチがある。もちろん、必要に応じてシステムを適応させるには、継続的な改善が欠かせない。政府は、制度の有効性を保つため、他の廃棄物分野ですでに使われている回収システムなど、既存のネットワークを活用すべきだ。また、ステークホルダー間のデータ共有を促し、電子廃棄物とEPRに関する国家作業部会を設置する必要がある。

政府によるこうした措置は、新しい働き方、暮らし方、事業のあり方に関する基準づくりに役立つ。何よりも、すべてのステークホルダーが電子機器の再利用とリサイクルを重視すべきだという重要なメッセージを示している。

ITUが、電子廃棄物管理に関する国家政策や規制の策定に取り組む国々をどのように支援しているか、こちらをご覧ください。

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