「リーダーシップは生まれつきのものか、それとも身につけるものか」と問う人は、すでにリーダーへの道の第一歩を踏み出しています。リーダーシップとは、知性、機知、知恵、強い個性、そして偉大なものを目指す志の組み合わせです。これらの資質の多くは生まれつき受け継がれるものですが、後天的に身につけられるものもあります。しかし、そうした資質を生まれながらに備えている人でさえ、成功するリーダーになるには、教育や実践、コミュニケーションを通じて磨かなければなりません。
リーダーシップは生まれたときに偶然授けられるものではなく、最高峰のアカデミーで学べば必ず得られるものでもありません。私は、そうしたアカデミーを卒業し、自らを磨き知識を広げて高い指導的地位に就いた人を数多く知っています。一方で、資質やスキルがそれ以上の前進につながらず、ある時点で歩みを止めた人もいます。
探究心を持つことが、リーダーへの道で一部の人を他の人より先へ進ませることを、私たちは見てきました。また、自らを変える意欲と意志を持ち、社会にも貢献しようとする人なら誰もが含まれるよう、リーダーシップの概念を変えたいと考えています。
「リーダー」と言うと、人々は、自らの民族や国の歴史を変えた政治家、軍人、歴史上の人物を思い浮かべがちです。また、企業を変革したり、新たな創造や発明を生み出したりした、成功した経済界のリーダーを思い浮かべることもあるでしょう。そうした人々が生まれながらに持つ資質に、環境とたゆまぬ自己研鑽の努力が組み合わさることで、彼らは傑出したリーダーとなり、社会や人々を変革できたのです。
しかし今日、リーダーシップの概念ははるかに広範です。周囲の人々の暮らしをより良くできる人は誰でもリーダーです。同様に、人々に奉仕し、幸せにできる人もリーダーです。職場でも家庭でも、前向きな変化を生み出し、革新し、どんなにささやかなものでも創造できる人もまたリーダーです。リーダーは、自らの技術、芸術、才能、または職業に秀でています。
誰もが、こうした資質の種を持って生まれます。それを育み伸ばしていけば、一歩ずつリーダーへの道を進み、やがて偉大なリーダーへと成長できます。
あなたが成し遂げる一つひとつの成果、変える一人ひとりの人生、身につける一つひとつのスキルが、より良いリーダーになるための一歩となります。日々、自分の中のリーダーを磨き、より良い人間、そしてより偉大なリーダーへと成長できます。
リーダーシップを傑出した政治家、経済人、科学者だけに限れば、この広大な分野を非常に限られた人々の輪に閉じ込めてしまうことになります。あらゆることは学ぶことができ、誰もが自己成長する力を備えています。国や人々を導くには、何世代にもわたるリーダーの育成が必要です。
偉大なビジョンには、偉大なリーダーだけでなく、多様なリーダーシップの資質を持つ優れたチームも必要です。
この視点からリーダーシップを捉えるなら、生まれつきか後天的かを問う必要はありません。問うべきなのは、リーダーになりたいかどうかです。
この記事は、 LinkedInとの協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味するものではありません。
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著者:ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム殿下は、アラブ首長国連邦(UAE)の副大統領であり、ドバイの立憲君主です。
画像:2014年2月26日、ロンドンのカナリー・ワーフ業務地区で、職場に到着する労働者。REUTERS/Eddie Keogh



