聴衆はあなたのプレゼンテーションに何を求めているのか?

聴衆はあなたのプレゼンテーションに何を求めているのか?
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「嫌う」は強い言葉かもしれませんが……当時は間違いなく、そう感じていました。

イタリアの製造業コングロマリットから、ある工場の生産性向上を支援してほしいと依頼されました。私は工場の現場で昼夜を問わず3日間を過ごし、経営陣に提示する複数の提案をまとめました。

自分の価値を証明したくて、私はいきなり本題から始めました。「さっそく始めましょう」と私は言いました。「まず、大規模な設備の段取り替えが必要な短納期の仕事は、すべて1本の生産ラインに 集中させることを提案します。そのラインの効率は下がりますが、全生産ラインを通じた全体の生産性は少なくとも6%向上するはずです。それから……」

「待ってください」と幹部の1人が遮りました。「その判断に至った経緯を説明してください。どんなデータを使いましたか?」

「すぐに説明します」と私は言いました。「今は……」

別の幹部が口を挟みました。「過去のデータは役に立ちますが、顧客の仕様が将来変更される可能性を、計算にどう織り込んだのか教えてください」

「それもすぐに説明します」と私は言いました。「でも、まずは……」

部門マネジャーが手を挙げました。「異なる作業班の技能水準をどのように評価し、それが説明された変更にどう影響するかを、どう検討したのですか?」

私の「華々しい」幕開けは空振りに終わりました。私はいら立ちました。

さらに悪いことに、 彼らも いら立っていました。彼らは私を嫌っているのだと思いました。

INSEAD の教授であり、優れた(この言葉を軽々しく使っているわけではありません)著書、『The Culture Map: Breaking Through the Invisible Boundaries of Global Business』 の著者でもある エリン・メイヤー によれば、彼らがいら立ったのは彼らのせいではありません。」

それは 私 のせいでした。

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まずは背景から説明しましょう。一般論として、推論のスタイルには大きく分けて2種類あります。

  • 原則優先型の推論は 、一般的な原則や概念から結論や事実を導きます。基本的には、「何をするか」に進む前に「なぜ」を明らかにします。

  • 応用優先型の推論は 、事実の観察に基づいて一般的な結論を導きます。基本的には、まず「何をするか」から始めて、その後で――場合によっては――「なぜ」に進みます。

私はどうかと言えば、応用優先型です。私にとって「肝心なところ」は、私たちが何を するかでした。提案に至った経緯も確かに重要でしたが……間違いなく二の次でした。

しかし、イタリア人の聴衆にとって、私が提案に至った経緯こそが最優先事項でした。彼らは、 私が 信頼に足ること、つまり私に確かな提案があると 証明するまでは、私の「肝心なところ」を検討する気はありませんでした。

なぜでしょうか。アプローチの違いの一部は、それぞれの国の教育制度の違いにあります――どちらの制度も同じ到達点を目指しますが、そこに至る道筋は大きく異なります。

一般論として、米国、カナダ、英国などの国の学校では、時間の80%をツールの 使い方 に充て、その概念的な基盤の説明には20%を充てる傾向があります。応用優先型のアプローチです。

スペイン、ポルトガル、ドイツ、そしてラテンアメリカなどの国の学校制度では、時間の80%を一般原則の学習に、原則の応用方法にはわずか20%を充てる傾向があります。原則優先型のアプローチです。(あくまで一般論です。)

残念ながら、原則優先型の国にはイタリアも含まれます。

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そして、部屋の空気を読み、対応を変える能力が私に著しく欠けていたことに加え、それが私のプレゼンテーションが失敗した理由です。聴衆のニーズ―― 本当に重要なのはそれだけです ――を踏まえれば、私のアプローチは逆でした。結論から話すのではなく、この聴衆には次のような進め方が適していたでしょう。

  1. プレゼンテーションの範囲を 示す

  2. 方法論を説明する。 使用したデータ、置いた前提、分析の潜在的な限界を説明する

  3. 方法論について質問がある人がいるか 尋ねる

  4. そのうえで 必要に応じて 提案を伝え、それぞれの提案に至った際に使った具体的なデータや分析と結び付ける

もちろん、あなたはこう思うかもしれません。「いや、そんなふうに説明されたら、項目1の途中で聞くのをやめてしまう。すぐに要点に 入らなければ、要点などないと思って……聞くのをやめるだろう」

そう感じるなら、あなたの情報処理の好みは異なるということです。正しいわけでも、間違っているわけでもありません。

ただ違うのです。

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では、リーダーとしてそうした違いにどう対応すればよいでしょうか。変更を実施する必要があるとします。

従業員の中には、まったく「アメリカ人」的な人もいるでしょう。 彼らは、要点を述べ、何が起きるのかを伝えてほしいと思っています。冒頭で説明や分析、背景に時間をかけすぎると、すぐに話を聞かなくなるでしょう。彼らが最も知りたいのは、何が変わるのか(そして、その変更が自分たちにどう影響するのか)です。

「なぜ」の話は、まあ、少々退屈なのです。

従業員の中には、まったく「イタリア人」的な人もいるでしょう。 彼らはまず、なぜ変更を行うのかを知りたいと思っています。背景を聞きたいのです。 理解したいのです。実際に何が変わるのかにじっくり耳を傾けるのは、その後です。

彼らにとって、「なぜ」がすべてです。十分な「なぜ」がなければ、決して賛同を得られず……信頼も得られません。

しかし、従業員の大半は、好みの推論・説得スタイルの連続体の どこかに位置しています。極端な端に近い人は少数で、大半はその中間のどこかにいます。

一人ひとりのニーズに合わせて伝え方を調整するのは簡単です(相手のニーズを 理解 できるほど相手をよく知っているなら……それはあなたの仕事なのですから、知っているはずです)。「なぜ」を強く重視する人もいれば、「何を」だけ知りたい人もいます。多くの人は、推論と応用をある程度組み合わせた説明を好みます。説得し、納得してもらい、賛同を得るには、一人ひとりの具体的なニーズに合わせてメッセージを調整しましょう。

では、集団の場ではどうすればよいのでしょうか。

メイヤーは次のように述べています。

「理論的な原則と実践的な例を行き来するのが、最善の戦略です。応用優先型の聞き手の関心を引くため、実践的な例を示しましょう。原則優先型の参加者も、それを楽しめるでしょう。

「しかし、後者が理論的な質問をし、その質問に答えている間に、応用優先型の学習者が退屈することもあるでしょう。ひとまず、その退屈を気にしないようにしてみてください。概念に関する質問を退けようとするのは避けましょう。原則優先型の聴衆の関心と敬意を失いかねません。

「そうではなく、質問に丁寧に答える時間を取り、その後すぐに実践的な例をいくつか示して、関心が薄れつつある応用優先型の学習者の注意を引き戻しましょう。

「人々の推論の仕方の違いと、それがもたらす課題を意識していれば、聴衆の反応をより明確に読み取り、それに応じて対応できます。」

私ができなかったのは、まさにそれでした。聴衆は、もっとデータを、もっと分析を、もっと説明を求めました――いや、要求しました。私はすぐに方針を切り替え、彼らのニーズに応えるべきでした。

しかし、私はそうしませんでした。彼らに 私の 筋書きに従わせようとしました。 私 が肝心だと思うところに話を進めようとし続けたのです。

大きな間違いでした。最高の聴衆とは、積極的に関わってくれる聴衆です。そして、この聴衆は間違いなく関わろうとしていました……それなのに、私は彼らの立場に立って応えることができませんでした。

私が間違っていると思いますか?スティーブ・ジョブズの優れたプレゼンテーションをいくつか見てください。彼は事実と感情を幾重にも積み重ね……可能性や実用性を織り交ぜながら……聴衆の誰もが、ただ注意を向けるだけでなく、 関心を持つ 理由を持てるようにしてから、解決策を披露しました。iPod、iPhone、iTunes、iPadです。

ジョブズは、 聴衆の誰もが 、背景にかかわらず、心から 関心を持てる プレゼンテーションを丹念に作り上げました。 つまり、 理由にも解決策にも関心を持てるものです。

関心を引き、情報を伝え、説得し、納得してもらいたいなら、 何を 言うかも重要ですが、 どのように 言うか、メッセージをどう 構成する かが、決定的な違いを生みます。

「アメリカ人」にも、「イタリア人」にも、そして「国籍」にかかわらず、すべての人に。

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著者:ジェフ・ヘイデンは、『Inc. Magazine』の寄稿編集者です。

画像:クリスチャン・アグンワンバ教授が「代数学の基礎」の授業で黒板に書きながら教えている。ロイター/ブライアン・スナイダー。

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