ケニアで現金給付が小規模ビジネスを後押しした方法

ケニアで現金給付が小規模ビジネスを後押しした方法
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ケニア政府が、干ばつに見舞われた北部地域の貧困層に食料援助の代わりに現金を給付し始めた際、その目的は、より効率的かつ便利に食料を購入できるよう支援することだった。

しかし、この現金給付プログラムは予想外の効果をもたらした。受給者の大半は、ますます厳しさを増す気候条件に適応する最善の方法と考え、小規模ビジネスを始めるために現金を使った。

「緊急事態なので、受給者は食料を買うものと考えていました。しかし、その資金を事業に投資することは、極めて乏しい資源でも、非常に貧しい地域社会のレジリエンスを築けることを示しています」と語るのは、 飢餓セーフティネット・プログラム (HSNP)のマネジャー、 ケニア国家干ばつ管理局のもとで現金援助を提供しているエブリン・ナディオ氏だ。

支援を受けた、干上がったアカシアの低木地帯には、ケニアのマンデラ、トゥルカナ、マルサビット、ワジル各郡が含まれる。これらの地域では干ばつのため家畜が大きく失われ、多くの牧畜民が主な収入源だった家畜のほぼすべてを失っていた。

しかし現在、プログラム開始から8年がたち、ほかの事業が生まれている。

トゥルカナ中央部のカティコ市場で、7人の子どもを育てる未亡人アクオム・イディエヤ・カトゥロンゴト氏は、小売店とヤギの屠畜場を営む。また、トタン板で建てた小さなキオスクを数軒貸し出している。現金給付プログラムからの資金が、こうした新たな施設すべての費用に役立った。

ナディオ氏によると、セーフティネット・プログラムの現金受給者の約90%も同様に小売業を始めるか、干ばつに強いヤギを群れに補充するために資金を使った。

同氏によると、現金給付プログラムの目的は、対象世帯に2カ月ごとに4,900ケニア・シリング(55ドル)を無条件で給付し、極度の飢餓と脆弱性を軽減することだった。

英国国際開発省とオーストラリア援助庁の支援を受けるこのプログラムは、干ばつが襲った際に家族がさらに貧困に陥り、残された資産を売らざるを得なくなるのを防ぐことを目的としていると、国家干ばつ管理局の最高経営責任者ジェームズ・オドゥオル氏は語った。

カトゥロンゴト氏は、干ばつで所有していたヤギ100頭のうち80頭を失った後、トゥルカナ郡で最も脆弱な世帯として特定された39,918世帯のリストに加えられた。

しかし、資金の恩恵はリストに載った受給者だけに及んだわけではない。カティコ市場では、ナマダク・カリマプス氏が軽食の屋台と店を営み、野菜、バイク運転手向けのガソリン、衣類、ビールや蒸留酒などの飲み物を含むさまざまな商品を販売している。

「この近くにはガソリンスタンドもバーもないので、これらをすべて売っています。ここは燃料も服も食料も飲み物も買えるワンストップショップです」と、彼女は満面の笑みで語った。

カリマプス氏は、2013年に現金給付援助の受給者だった亡き祖母から借りた1,000シリング(11ドル)で事業を始めた。最初の資金を小麦粉と食用油の購入に充て、パンとドーナツを作って売り始めた。

「この市場でマンダジ(揚げパン)を作っていたのは私だけでした。人々のポケットに(現金給付プログラムからの)少しのお金が入ると、商品は何でも売れました。それでロドワールまで行ってさらに小麦粉を買う十分なお金を稼ぎ、家計に回す利益も残せました」と、6人の子どもを持つ40歳の母親は語った。

約3年後、カリマプス氏の事業の価値は数千シリングに達している。電話網もラジオやテレビの電波も電気もなく、公共交通機関もなく、公共サービスもほとんどないこの場所では、それは大きな金額だと彼女は言う。

現金の恩恵

干ばつに見舞われたケニアの4郡では、政府が最も脆弱な住民10万人に2カ月ごとに定期的に現金を給付している。特に状況が悪い時期に緊急支援を必要とする人には、2,450シリング(28ドル)が上乗せされる。

プログラムの運営者と援助の受給者の双方が、食料を提供するよりも現金を給付するほうが、持続的なレジリエンスの構築に効果的だと分かったとナディオ氏は述べた。

「現金は食料品よりかさばらず、受給者にとって使い勝手がよいため、住民は食料援助よりも高く評価しています」と同氏は語った。

銀行を通じて支払われる現金を受け取るのが難しい世帯もあった。ケニアで銀行取引に必要な身分証明書を持っていないためだ。

プログラム登録時の氏名と身分証明書の氏名が一致せず、問題に直面した人もいたと、中央トゥルカナで受給者を担当する エクイティ銀行の代理店、ジェームズ・ロプイヤ氏は語った。

しかし同氏によると、名と姓の順序が逆になっていることが多いこうした誤りの一部は訂正され、プログラム開始以来、受給者には受け取るべき現金が支給されている。

国家干ばつ管理局のオドゥオル氏によると、政府は今後3年間、現金給付プログラムの予算配分を段階的に増やす見込みだ。

受給者は、このプログラムは成功したと語る。

「同じ金額相当の食料品をもらっていたら、何も手元に残らず、次の食料援助が来るのを待つだけだったでしょう」と、エリエ村のメアリー・アキンゴル・ロキリディ氏は語った。現在は小売店を営み、カロコル小学校に通う9人の子どもたちの制服を買えるだけの収入を得ている。

本記事は、 トムソン・ロイター財団 trust.org との協力により掲載されています。掲載は、世界経済フォーラムが見解を支持することを意味しません。

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著者:アイザイア・エシピス氏は、気候変動問題に関心を持つトムソン・ロイター財団のフリーランス寄稿者です。

画像:地方の市場で果物と野菜を売る商人。REUTERS/Mike Hutchings。

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