有害な上司を見分ける10のサイン

有害な上司を見分ける10のサイン
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新しい上司は有能な交渉者ぶりを発揮し、破格の報酬と福利厚生を勝ち取った。邸宅まで買ってもらった。しかし、従業員向けに開いた最初で最後のパーティーでは、建物の大部分を立ち入り禁止にし、裏庭に仮設トイレを設置した。オフィスは別棟に構えた。そして間もなく、会議に遅れて現れ、早々に退席し、自らの命令を言い渡すのに必要な時間だけ居残るという癖が、誰の目にも明らかになった。在任中、組織の士気と業績は急落した。わずか28か月で、彼はいなくなった。

有能な上司が組織に大きな恩恵をもたらすのと同じように、有害な上司は甚大な損害を与えうる。ここでいう有害とは、単に能力がないという意味ではない。悪意をもって人を傷つけるということだ。

ここ数年、私はいくつもの大学、学術系医療センター、医学部を訪れ、その道すがら有害な上司についての話を集めてきた。こうした場所の多くは、有害なリーダーが掘った穴から、今なお必死に抜け出そうとしている。この記事の冒頭で紹介した話は、各地を訪ねるなかで耳にした数多くの事例の一つにすぎない。

有害な上司にうまく対処する第一歩は、自分にそうした上司がいると認識することだ。新しい上司が有害である可能性を示す指標を10個紹介しよう。

  1. 有害な上司が着任すると、組織から仲間意識や喜びがすべて吸い取られていくように感じられる。『ハリー・ポッター』のディメンターのように、有害な上司は人々から情熱を奪い、後には広く行き渡った絶望感だけを残す。従業員は、予測不能な電気ショックを与えられたネズミのようになり、心理学者が「学習性無力感」と呼ぶ状態に陥る。有害な上司のもとで働いた別の元従業員は、「組織全体が魂のない場所のように感じられるまで、そう時間はかかりませんでした」と語った。

  2. 有害な上司が着任して数週間もすると、組織の「不信感計」の水銀柱が急上昇し始める。人々は互いを疑いの目で見るようになる。活気のあった会議は活気を失い、異なる意見を口にする者など誰もいないかのようだ。ある従業員によると、「人々は本当に思っていることを言わなくなりました。思ったことを口にするときでさえ、誰も聞いていないと確かめるため、左右の肩越しに振り返ってから、ささやき声で話すだけでした。まるで『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』のようでした。」

  3. 権力は、有害な上司に直属する少数の人々の手に集約される。この仕組みに疑問を呈する人は、脇に追いやられるか、組織から完全に排除される。多くの場合、有害な上司は正面から対立するのではなく、巧妙な毒殺者のように、時間をかけて蓄積する致死量を少しずつ与えて目的を達する。

  4. 有害な上司は、知識を共有する経路を素早く掌握する。組織図や報告系統を組み替え、代替経路がほとんど、あるいはまったくない状態で、すべての情報が一つの中枢を通るようにする。有害な上司はそのことを認めないが、より開かれた情報の流れに脅威を感じている。有害な上司の元同僚はこう語った。「他の人々が実際に起きていることを知れば、自分の地位や権力、名声が損なわれると、彼は感じ取っていました。」

  5. 有害な上司のもとでは、従業員は、そもそもなぜその組織で働き始めたのか思い出せなくなることがある。組織本来の使命が見えなくなるのだ。有害な上司は、収益やランキングなど、より俗な指標へと皆の関心を移し、組織の使命を成果を上げるための単なる道具として扱う。

  6. 有害な上司は、周囲の人々に操られ、利用されたと感じさせる。単に無神経すぎて、自分のやり方が同僚に与える負担を理解していない人もいるが、むしろそれを喜んでいるように見える人もいる。ある従業員はこう語った。「彼女は、自分を大きく見せるには、周りの人々をますます小さく感じさせるしかないと信じているようでした。」

  7. 有害な上司が着任して間もなく、人々がいなくなり始める。ほぼ例外なく、そうした退職は告知されず、見送りも説明もまったくない。ある日にはいた人が、次の日にはいなくなっている。元同僚がある日突然、オフィスを片付けて職場を去るよう告げられたと、後になって知ることになる。有害な上司は、公式にも個人的にも、彼らの貢献に感謝を示すことは決してない。

  8. 有害な上司は、他者の意見に関心がない。抜け目のない人のなかには、別の視点にも耳を傾けているように見せる者もいるが、実行に移す段になると、その受信トレイはブラックホールだ。効果的なリーダーとは注目の中心になることだと信じているようだ。やがて会議での振る舞いに、本性が表れ始める。有害な上司のもとを去った元従業員の一人はこう語った。「彼女は他の人の話を何度も遮り、その貢献を見下し、結局、自分自身の声しか聞いていませんでした。」

  9. 有害な上司は、校庭のいじめっ子のように振る舞い始める。人々は洞察をもたらす存在ではなく、実行のための道具として扱われる。その道から外れると、有害な上司は、いかに簡単に代わりを見つけられるかを思い知らせる。つまり、説得の手段は強制の道具へと変わる。そして、姿を消す人々が増えるにつれて高まる脆弱さの感覚が、こうした手法の効果をさらに強める。

  10. 見えない目に、あらゆる行動を監視されているように感じますか。まるで刑務所にいるようですか。上司はジェレミー・ベンサムからリーダーシップの教訓を学んでいるのでは、と感じますか。彼が考案した パノプティコン は、中央に監視人が座り、周縁に並ぶ個室に一人ずつ収容された囚人たちを見渡す建物だ。囚人から看守の姿は見えず、絶えず監視されているという感覚が生まれる。

診断:有害な上司。では、何ができるだろうか。

ある従業員はこう助言した。「誠実さと勇気をもって対応するのが最善です。有害な上司が及ぼしている影響を指摘し、可能な限り強く、断固とした方針転換を訴えましょう。」慎重に避けるべき誘惑の一つは、毒には毒をもって対抗することだ。有害さに対抗するために有害な手口を使ってはならない。それは偽善的に見えるだけでなく、組織文化をさらに蝕み、問題を悪化させる。

こうなれば、有害な上司の勝ちだ。

この記事は、 The Conversationとの共同で公開されています。 原文を読む。

本記事の公開は、世界経済フォーラムが見解を支持していることを意味するものではありません。

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著者:リチャード・ガンダーマンは、インディアナ大学・パデュー大学の医学、教養学、慈善学の学長教授です。

画像:フランクフルト証券取引所の取引フロアにいる株式トレーダー。REUTERS/Kai Pfaffenbach

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