世界で最も将来性の高い都市

Smaller centres that leverage their strengths in education, liveability and sustainability, such as Melbourne, have 'future-proofing’ strengths
A city's long-term prospects depend on its adaptability, quality of life and ability to attract talent.Image: REUTERS/David Gray
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テクノロジーが人々の暮らし方や働き方を変えるなか、都市はかつてない変革を遂げています。この急速な技術革新に対応するインフラと戦略を備えた都市が、最も競争力の高い都市となるでしょう。

世界的に見ると、インド、ベトナム、中国の都市経済が、短期的に最も強い勢いを示しています。これらの市場では、急増する需要に応えるため、都市のスカイラインやインフラ基盤が整備され、変化の速度と規模は並外れたものとなっています。こうした変化は機会をもたらす一方、多くの都市では、インフラへの負荷、高い不平等、手頃な価格での住居確保をめぐる問題、環境の悪化など、長期的な発展の見通しに影響する課題に直面しています。

こうした急速な変化は、しばしば人目を引きます。しかし、持続可能な未来に投資し、継続的な成功の土台を築いている都市こそ、評価に値します。こうした都市は、長期にわたる前向きな成長力を確保するため、「将来への備え」を進めています。その主な要素には、技術革新を推進し管理する力、生活の質の向上に寄与するインフラ、長期的な都市ビジョン、そして人材を引きつけ、定着させる力があります。

「将来への備え」が進んでいる都市の上位には、次の都市が挙げられています。JLLの「都市モメンタム指数」ニューヨーク、ロンドン、パリなどの主要な世界都市が含まれます。一方、教育、住みやすさ、持続可能性における強みを生かすメルボルン、エディンバラ、モントリオールなどの小規模な都市も、将来への備えを進めています。

テクノロジーが推進力に

デジタル化が進む経済において、技術力は都市の成功を左右する重要な要素です。未来の雇用や企業は、革新的なスタートアップや成長企業を育てるエコシステムを備えた都市で生まれるでしょう。

世界で最も将来への備えが進んだ都市のなかには、強力なテクノロジー拠点でもある都市がいくつもあります。サンフランシスコ、シリコンバレー、ニューヨーク、ロンドンには、世界でも特に多くのスタートアップや「ユニコーン企業」(企業価値が10億ドルを超える企業)が集まっています。そして、次世代のテクノロジー拠点も急速に発展しています。

トロントは、新技術を事業化する世界有数の力と、スマートな近隣地区の開発であるクエイサイドなどの取り組みに対する政府の支援が高く評価されています。アムステルダムには、欧州で最も急速に拡大するテクノロジー産業の一つがあり、多言語に通じた高学歴の人材がその基盤となっています。同市には複数の世界的なテクノロジー企業の地域本部が置かれ、スタートアップも数多く集まっています。シンガポールは、充実した教育制度と研究に対する政府支出の高さを背景に、ハイテクイノベーションの中心地となりました。また、世界をリードする複数のテクノロジー企業の地域本部も置かれています。

俊敏性が持続可能な成長を支える

将来への備えが最も進んだ都市は、変化に柔軟に対応できます。生活の質を高く保ち、企業を引きつけ続けながら、人口増加に適応するための戦略とインフラを備えています。

北アジア最大の都市経済である東京とソウルは、世界有数のハイテク都市です。人材を引きつけ、住民の生活の質を高めるため、ソウルの板橋テクノバレーや東京で計画されている自動運転公共交通システムなど、大規模なインフラ事業に投資しています。

ミュンヘン、ベルリン、コペンハーゲン、エディンバラをはじめとする欧州の多くの都市では、効率的な公共交通と強固なデジタルインフラが、俊敏性の鍵となっています。パリでは、世界最大級のインフラ事業の一つである、都市を横断する多方式交通ネットワーク「グラン・パリ」への投資が、世界を代表するメガシティとしての今後の成長力を大きく支えています。

アムステルダムとベルリンでは、不動産価格の手頃さや開発のペースを管理する強固な社会インフラが、重要な要素として浮上しています。ロンドン、トロント、シドニー、メルボルン、エディンバラなど、世界でも特に透明性の高い不動産市場を持つ都市では、市場の開放性も、世界の資本や企業を引きつけて将来の成長を確保するうえで、同じく重要な役割を果たしています。

人材が重要な要素

将来への備えには、熟練労働者を育成し、引きつけ、定着させることが不可欠です。オースティン、バンクーバー、デンバーなどの小規模な都市は、生活の質全般を高める充実した教育制度と整備された公共インフラを基盤に、人材の獲得と定着を図っています。活況を呈するテクノロジー産業を擁するシドニーとメルボルンも、オーストラリア有数の名門校や大学に支えられ、将来への備えが整っています。米国では、ボストン、ロサンゼルス、サンディエゴの世界水準の大学が高学歴の人材を育て、質の高い研究機関がこれらの都市を科学技術分野の世界的なリーダーにしています。

世界の都市は、大都市も小都市も、今後も成長を続ける見込みです。都市人口の世界的な急増に対応し、暮らし方や働き方を変える技術革新に対処するうえで、将来への備えを整える戦略の重要性はますます高まっています。短期的な勢いは機会をもたらしますが、企業、投資家、住民にとって最も重要なのは、都市の長期的な成功です。強固なインフラ、確かな政府政策、優れた技術力に支えられた競争力と経済の活力が、都市の価値を保ち、将来の成功を確かなものにする鍵となります。

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