世界銀行が示す、都市をより緑豊かで、強靱かつ包摂的にする方法

Top view of city buildings with trees.
"Cities hold one of the keys to solving the climate crisis," concludes a recent World Bank analysis.Image: Unsplash/CHUTTERSNAP
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  • 過去50年間で都市に暮らす人の数は4倍となり、2022年には約45億人に達しました。都市人口は増加し続けています。

  • 都市は気候危機の解決に欠かせません。世界銀行は、意思決定者が未来の都市を設計するための戦略を策定するうえで役立つ助言を提供しています。

  • より強靱で、緑豊かかつ包摂的な都市環境を設計する際の課題と、それに対処するために必要な戦略を紹介します。

都市には、世界人口の半数を超える人々が暮らしています。過去50年間で都市に暮らす人の数は4倍となり、2022年には約45億人に達しました。都市人口は増加し続けています。

世界銀行の分析によると、「都市は気候危機を解決する鍵の一つを握っています」。同行は、気候危機と都市人口のニーズを考慮した戦略を意思決定者が策定できるよう、ロードマップを作成しました。

では、より強靱で、緑豊かかつ包摂的な都市環境を設計する際の課題とは何でしょうか。また、それに対処する戦略にはどのようなものがあるでしょうか。

世界銀行の報告書『繁栄:気候変動下で都市を緑豊かに、強靱に、包摂的にする』は、1万都市のデータを用いて、これらの問いに答えています。

高所得国の都市が最も多くのCO2を排出

高所得国の都市は最も多くのCO2を排出する一方、低所得国の都市の排出量はほぼゼロです。Image: 世界銀行

上位中所得国と高所得国の都市が、世界の都市排出量の大部分を占めています。

2015年、高所得国の一人当たり排出量は、低所得国の18倍でした。環境面で、高所得国の都市が直面する課題は排出量を削減することです。低所得国の都市にとっての課題は、高所得国の都市の後を追わないことです。

気候変動関連の災害リスクが最も高い低所得国

低所得国および下位中所得国の都市は、熱波、干ばつ、洪水のリスクに不均衡に大きな影響を受けます。Image: 世界銀行

異常な高温、乾燥、または多雨の気象現象が増加しており、低所得国および下位中所得国は、とりわけ中東、北アフリカ、サハラ以南アフリカの一部で、不均衡に大きな影響を受けるでしょう。

「デイ・ゼロ」事態とは、都市の水供給が尽きることです。2019年にインドのチェンナイで起きたような事態が起こる可能性は高まっています。水不足は都市のGDPに損害を与え、人々、農業、事業に必要な水の供給が限られることで社会的な課題を生み出すおそれがあります。

低所得国および下位中所得国の都市は、異常気象の影響を抑え、気候変動関連の事象の後により早く回復できるよう、レジリエンスを高める必要があります。

低所得国および下位中所得国の都市では大気汚染がより深刻

現在、すべての都市環境で大気汚染レベルがWHOの推奨値を超えています。Image: 世界銀行

世界保健機関(WHO)によると、汚染は健康に対する最大の環境上の脅威です。そのため、都市の将来への備えに大気質の水準は欠かせません。大気汚染は、発展の段階に応じて、まず増加し、その後減少する傾向があります。そのため、下位中所得国と上位中所得国の都市が大気汚染の影響を最も受けています。

大気汚染とCO2排出量には強い相関があるため、大気質の改善は気候危機への取り組みにも役立ちます。

脱炭素化する世界で、より良い都市を実現する政策

未来の都市は、開発のあらゆる側面を考慮しなければなりません。Image: 世界銀行

報告書はまず、考えられる政策を大きく5つの分野に分類することを提案しています。世界銀行はこれを「5つのI」と呼び、情報(information)、インセンティブ(incentives)、保険(insurance)、統合(integration)、投資(investments)を挙げています。

政策立案者は「5つのI」を活用し、各都市の課題に即した、より緑豊かで、強靱かつ包摂的な成果を形づくることができます。

政策立案者は「5つのI」を活用し、より緑豊かで、強靱かつ包摂的な成果を形づくることができます。Image: 世界銀行

都市の設計に関する意思決定は誰が担うのでしょうか。

報告書によると、政策や投資の選択、国の排出目標やエネルギー政策の設定を通じて、よりクリーンな都市への道筋をつけるうえで、中央政府が主導的な役割を担います。

一方、地域に関する知識を持ち、地域社会と協働できる都市の指導者は、都市の気候変動政策を実施し、その方向性に影響を与えるうえで最も適した立場にあると考えられます。

未来の都市を再構想するうえでは、政府以外の主体も大きな役割を果たします。プライベートエクイティは投資、融資、債券による資金調達を促進し、気候リスクへの対処を支援できます。また、報告書によると、地域社会自体が「気候変動対策を主導することも多い」とされています。

世界銀行は、「気候変動と都市化に関連する課題は世界各地の都市で深刻化しており、とりわけ低・中所得国の都市で顕著です……今すぐ、状況に応じてこれらの手段を適切に活用することで、政策立案者は世界の都市が気候変動の脅威に直面しても生き残るだけでなく、繁栄できるようにすることができます」と述べています。

この結論は、都市と自然の関係を変革することに関する世界経済フォーラムの調査の見解とも一致しています。同調査は、それには「政府、民間セクター、投資家、市民社会、学術界など、都市のあらゆる関係者間の深く複雑な連携」が必要だとしています。

世界で最も環境に優しい都市トップ10
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