メリッサ・アルコックは、見知らぬ人に起こされることがよくある。
バンクーバーのダウンタウン・イーストサイドで路上生活を送る彼女は、たいてい警察に起こされる。警察は仕事が始まる前に彼女を起こし、その場を離れるよう促すことが多い。
だが、最近のある朝、女性2人がアルコックを優しく揺り起こし、午前6時30分にキャンディーを差し出した。
2人は、市が毎年実施するホームレス実態調査のボランティアだった。
35歳のアルコックはコーヒーを一杯もらう方がよかったが、路上での暮らしについて尋ねる2人の質問に答えることにした。
夜明け前の会話がバンクーバーのホームレス人口を把握するためのものだと分かると、彼女は、回答が何らかの行動につながるかもしれないと期待した。
「ここに実際何人いるのかを見れば、ようやく目が覚めるかもしれない」と、ボランティアが話を聞いた直後、彼女はトムソン・ロイター財団に語った。
アルコックは、北へ550 km離れた小さな町ウィリアムズレイクで住まいを失ってから約1年間、路上生活を続けている。ホームレスの人々の所持品を押収する市の方針に不満を述べた。
「市は私たちを助けるために、もっと取り組む必要がある」と彼女は語った。
人数を把握してもらうことが、より人道的な扱いを受けるための第一歩になるかもしれないというアルコックの期待は、こうした調査が本当に重要だという専門家の考えと一致する。
「住宅やシェルターを提供し、サービスを支援しようとするなら、ホームレスの人が何人いるかを知ることが重要です。サービスを提供する非営利団体を支えるためにも必要です」と、バンクーバー市のホームレス支援サービス部門責任者、エセル・ウィッティは語った。
バンクーバーはカナダ西海岸の活気ある都市で、生活の質の高さで知られる。しかし、アルコックが暮らす中心街の地区は、カナダで最も貧しい郵便番号区域であり、薬物依存、小規模犯罪、売春の発生率が高いことで知られている。
ある時点での実態調査
3月に実施されたバンクーバーの調査は、いわゆる「ある時点での実態調査」だ。特定の時間帯に、シェルターや歩道、橋の下など、住まいのない人が夜を過ごす可能性のある場所で見つかったホームレスの人々を数える。
カナダでは、毎年行われる春の集計期間中に少なくとも61件の調査が実施されたが、政府報道官は正確な件数を示せなかった。
カナダ・ホームレス研究機構によると、入手可能な最新データである2016年時点で、カナダにはホームレスの人々が35,000人いた。
米国では、1月最終週に全州を対象として、こうした調査が399件実施される。2017年の推計では、米国の路上生活者は553,742人で、全国の人数が7年ぶりに増加した。
現状の概観
バンクーバーでは、ホームレスの定義は簡潔だ。
家賃を払って住む場所があるか。なければ、その人はホームレスと見なされる。歩道やテント、友人宅のソファ、シェルターのどこで寝ていたかは問わない。
主な目的は人数の把握だが、回答者が質問に答える意思を示せば、調査員はさらに踏み込み、以前の暮らしや収入、困窮に至った経緯について尋ねる。
訓練を受けたバンクーバーのボランティア500人は、市内の200ルートを回りながら17の質問をする。謝礼としてキャンディーのほか、祈りのためにカナダ先住民が使う、タバコを詰めた小さな布袋「タバコ・タイ」を渡す。バンクーバーの路上生活者の40%が先住民と自認しており、全国の2.2%を上回る。
「全数を把握できるわけではありませんが、ある時点の概観が得られます。さらに、利用できる資源に応じて、年齢、性別、人種といった主要な属性など、対象者についてより詳しい情報を得ることもできます」と、ホームレス問題の専門家で、バラク・オバマ前米大統領の下でこの問題を担当する政府高官を務めたバーバラ・ポッペは語った。
北米のホームレス調査は、当初、議論を呼んだ方法で実施されていたが、現在でははるかに洗練されている。
1990年、米商務省の前で活動家たちは、砂を大きく積み上げ、次の言葉を記した看板を掲げて、人数の過少計上に警鐘を鳴らした。
「ホームレスの人々を数えるのは、砂粒を数えるようなものだ。」
現在、各国政府は都市間の比較を可能にする標準的な方法を採用しつつ、地域ごとに調整できる柔軟性も認めている。
そのため、バンクーバーは昼間に調査を行う一方、多くの都市は夜間に人数を数える。ヒューストンは正確さを確保するため2回調査する。ニューヨークでは、調査員の注意を保つため、路上生活者を装ったおとりを使う。
それでも各都市は、友人宅のソファを転々とする人やモーテル暮らしの人といった、歩道の寝袋ほど明確ではない境界例への対応に苦慮している。
文化的な慣習にも違いがある。
25歳を超えて親族と暮らす人をホームレスと見なすバンクーバーの判断は、あらゆる文化に当てはまるわけではないとウィッティは語った。
薬物依存や精神衛生上の問題も、調査を難しくすることがある。ホームレス調査当日、トムソン・ロイター財団は歩道でメタンフェタミンを吸う男性3人を目撃した。彼らは調査対象に数えられていないと話した。
こうした障害があるにもかかわらず、ポッペは楽観的だ。
「都市が効果的かつ一貫して人数を数える能力は、確実に大きく向上しています」と彼女は語った。「10年前と比べれば、調査結果の信頼性ははるかに高まっています。」
バンクーバー市は先月、今年の調査結果を発表した。ホームレスと判断された人は2,181人で、2014年から19%増加した。
この人数を世界各地の都市と信頼性をもって比較できる日は来るのだろうか。ポッペはそうは考えていない。
「国によって地域の状況や国のセーフティーネットがあまりに大きく異なるため、比較は現実的ではないように思います」と彼女は語った。

