スコットランドの橋からアメリカが学べること

The Third Way: The new Queensferry Crossing across the River Forth, Scotland, nearing completion
The new Queensferry Crossing across the River Forth, Scotland, nearing completion.Image: John Mcsporran via Flickr
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アメリカのインフラ、すなわち国中の橋、空港、ダム、堤防には、大規模な修繕と更新が必要だ。

英国の新しいクイーンズフェリー・クロッシング橋は、エディンバラとスコットランドのファイフを結び、その実現方法の手本となっている。質の高いプロセスと成果には、3つの優れた取り組みが寄与した。英国の計画担当者は問題を早期に診断し、事前の慎重な設計に時間をかけ、関係者を包摂する連携体制を築き、維持した。証拠は明白だ。

全長1.7マイル、3本の塔を持つ斜張橋のクイーンズフェリー・クロッシングは、9月初旬に開通した。予算を大幅に下回り、工期の遅れも許容範囲の8か月に収まった。橋梁事業ではまれなことだ。オックスフォード大学サイード・ビジネス・スクールの調査によると、固定リンク(橋とトンネル)の10件中9件で、平均34%のコスト超過と約2年の工期遅延が生じている。

クイーンズフェリー橋を、カリフォルニア州のベイブリッジ(東側区間)と比べてみよう。この橋はサンフランシスコ市とオークランドを結んでいる。

全長2.2マイルの自碇式単塔吊り橋であるアメリカの橋は、予算を超過し、建設費は65億米ドルに達した。完成までには約24年かかり、当初の完成予定からほぼ10年遅れた。一方、事業規模がベイブリッジと同程度のクイーンズフェリーは、計画と建設に約11年を要し、費用はほぼ4分の1だった。ベイブリッジの費用見積もりは事業期間を通じて上昇した。1996年の10億ドルから始まり、何度も上方修正され、1997年に13億ドル、2001年に26億ドル、2005年に55億ドルとなり、最終的に実際の費用は65億ドル(2015年の最終実績費用)となった。開通後も問題は収まっていない。高額な訴訟や品質をめぐる争いが続いている。その間、サンフランシスコの通勤者は毎日、料金所でそのツケを払っている。

成果には大きな差があったものの、2つの橋には共通点が多かった。設計と物理的な事業規模は同程度だった。たとえば、両事業の建設コンソーシアムには、同じエンジニアリング会社のアメリカン・ブリッジと、上部構造を手がける同じ中国の鉄鋼メーカーが含まれていた。それでも、費用、工期、品質の成果は著しく異なった。

どちらの橋も、更新が必要な重要インフラだった。何もしないという選択肢はなかった。クイーンズフェリー・クロッシングが必要になったのは、近隣のフォース道路橋のケーブル検査で2003~2005年に危険な兆候が見つかり、荷重を軽減するために新しい橋を建設すべきだとの声が高まったためだ。ベイブリッジの場合は、1989年10月のロマ・プリータ地震による被害をどう修復し、将来の損壊をどう防ぐかが課題だった。

21世紀には、老朽化した(そして不可欠な)資産を更新する必要から、同様の大規模インフラ事業が数多く生まれている。その多くは、崩壊の危険にさらされている。オロビル・ダムと沿岸堤防は、緊急の手当てを必要とする構造物の最近の例だ。

老朽インフラの更新は、費用、安全性、時間、便益、環境、アクセス、地域社会への影響、美観など、複数の課題のバランスを公平に取らなければならないため、非常に難しい。クイーンズフェリーは、こうした競合する懸案を慎重に調整するうえで、世界の新たな基準を打ち立てている。そこでは3つの優れた取り組みが実践された。

第一に、クイーンズフェリーの計画担当者は、破局的な事態が起きる前に問題を早期に診断した。英国で橋梁の定期検査を厳格に実施したことで、スコットランドのフォース湾に架かる旧橋を改修するか、架け替えるかを早い段階で判断できた。問題について適切な時期に行われた公開討論が、無理のないペースの計画プロセスにつながり、新たな横断橋の建設が決まった。対照的に、ベイブリッジの東側区間への対応が議論され始めたのは、1989年の地震で壊滅的な損傷が生じた後だった。同様の機能不全は、深刻な損傷を抱えるアメリカの他の橋、ダム、堤防にも見られる。つまり、スコットランドの橋は長期にわたる病気の治療を必要としていたのに対し、アメリカの橋は集中治療室に急いで運び込む必要があった。どちらも難しい状況だが、後者ははるかに切迫していた。アメリカの橋が置かれた窮状は、反射的な政治対応を招き、計画のごく初期から事業を悩ませた。

第二に、英国の計画担当者は、初期設計プロセスに時間と資源を投じた。初期段階で自らと複数の関係者がじっくり考える時間を確保したことで、費用、安全性、美観といった競合する要件のバランスを巧みに取った設計が実現した。ジェイコブズとアラップの合弁事業(JV)は、設計の簡素化に取り組んだ。たとえば、必要に応じて既存のフォース橋を将来ライトレールに対応できるよう転用できることを示し、橋の幅を狭めた。天然の岩の露頭を塔の基礎として戦略的に利用し、さらに費用を削減した。大規模事業としては異例なことに、事業費の見積もりは何度も下方修正された。2007年の42億2,000万ポンドから、2008年に23億5,000万ポンド、2011年に16億1,000万ポンド、2013年に14億5,000万ポンド、2014年に13億9,000万ポンドとなり、2017年の実際の費用は13億5,000万ポンドと、何倍にも減少した。費用を抑えながらも、クイーンズフェリー・クロッシングは壮観な構造物だ。3本の塔を持つ斜張橋として世界最長であり、英国で最も高い橋でもある。

第三に、クイーンズフェリー・クロッシングは、大規模事業の初期に関係者を包摂する連携体制を築くことが、いかに長期的な価値を生み出すかを示す好例でもある。英国の計画担当者は、統合プロジェクト遂行(IPD)という枠組みを用いた。これは、政府、市民社会、市場の主要な参加者を初めから結集させ、事業を通じてすべての関係者と協働する、慎重なアプローチだ。英国のフォース湾交通局(FETA)は、老朽インフラの管理を担うよう法律で定められたスコットランド政府の機関である。同局は事業について確かなビジョンを示し、さまざまな解決策について早い段階から率直に市民と対話した。また、環境影響評価書、スコットランド議会での法案起草、最終的なフォース横断法といった政府・規制上の節目と、建設文書、よく練られた標準設計、競争入札と落札といった設計・契約上の節目を並行して進める体制を整えた。こうして事業は勢いと支持を得た。

事業の勢いは好循環を生んだ。広範な市民の支持を受け、議会が比較的速やかにゴーサインを出したことで、入札参加者は反復的な設計プロセスに時間と資源を費やす代わりに、バリューエンジニアリングとコスト削減に注力できた。契約は、フォース横断橋建設事業体(FCBC)に発注された、設計・施工一括方式の固定価格・リスク負担契約だった。契約の枠組みには、複数当事者間契約、請負業者と主要参加者の早期参画、協働とリスク分担、共同で策定する事業目標など、いくつかの具体的な要件が盛り込まれた。個々の関係者が影響力を競ったり、さらに悪いことに、請求や仲裁で勝者総取りを狙ったりする動機は抑えられた。その結果、クイーンズフェリー・クロッシングは、めったに実現しないほど高い設計品質、価格の確実性、費用に見合う価値を備えた。

対照的に、ベイブリッジは不幸な出発をし、最後までそこから立ち直れなかった。初めから、利害が一致せず、適切な解決策について異なる構想を持つ複数の公的機関が関与していた。市長と地元政治家、カルトランスと州政府機関、連邦レベルの運輸省、そして米海軍だ。関係者の連携体制は築かれず、関係者を巻き込むこともなかった。

ベイブリッジ東側区間の設計は、表向きは市民の美的期待に応えるという高尚な理由で選ばれたが、調達リスクなど他の要件は顧みられなかった。請負業者の早期参画がなかったため、アメリカの橋の入札には、価格が相場から大きくかけ離れた1件だけの応札が集まった。ずさんな事業統治と弱い基準により、後に品質管理上の問題が表面化した際、すでに不安定だった関係者間の関係はさらに悪化した。ベイブリッジの更新は、プロセスも成果も満足のいくものではなかった。

ベイブリッジの過ちは繰り返す必要がない。不可欠な対策は3つある。破局的な事態を待たず、インフラ更新の課題に先手を打って取り組むこと。事業を急がせがちな政治的衝動を抑え、慎重な設計に資源を投じること。そして、偉大なアメリカの民主主義の伝統を生かし、更新事業の初期に妥当な関係者の連携体制を築くことだ。アメリカの指導者は、大西洋の向こうに目を向け、手本を見いだすべきだ。

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