EUは生産性向上に向け、都市部をどう「再創造」しようとしているのか

High-rises on a riverbank
Manufacturing in an urban context has been shown to provide comparatively secure and well-paid jobs.Image: Unsplash/ Matt Jones
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  • 欧州連合(EU)は、「生産都市」と呼ばれるモデルに貢献するため、都市部の再創造に取り組んでいる。

  • こうした空間では再工業化を進め、製造業の進歩を活用して経済成長と生活の質の向上を促す。

  • その一例が、ロンドンの社会的企業、Bloqsだ。転用した倉庫内に、幅広い工芸・ものづくり向けの作業スペース3万2,000平方フィートと、130万ポンド相当の設備を提供している。

都市が社会的公正、環境持続可能性、経済的な強靭性を備えるにはどうすればよいのか。都市産業はどのような役割を果たせるのか。こうした問いを基盤とするのが、意欲的な国際建築展である。2027年にドイツのシュトゥットガルト地域で開催される予定だ。最終的な発表の場となるその段階を前に、世界各地のデザイナーが複数の計画・建築プロジェクトに参加している。

2021年3月、フランクフルトを拠点とする建築設計事務所、JOTTは、これらのプロジェクトの一つである、ドイツ南部の町ヴィンネンデンに新しい地区を設計するコンペティションで最優秀賞を獲得した。参加者には、主催者が「生産的な都市地区」と呼ぶものの計画を策定することが求められた。

生産活動は、幅広い労働者に安定した雇用をもたらすことが示されている。Image: Unsplash、FAL/Thisisengineering Raeng

完成後、JOTTの新地区を訪れる人々は車を見かけないだろう。その代わり、工業倉庫、職人の作業場や工房、オフィス、コワーキングスペース、研究所、スタジオなど、多様な仕事場が設けられる。中庭を備えた高密度の複合用途街区7棟に組み込まれる計画だ。その周囲には広場、草地、遊び場が織り込まれる。保育施設、小売・レジャー施設、上層階の住戸、建物の屋上を活用した都市農業のスペースも計画に含まれている。ものづくりを生業とする人々が、そこで暮らし、豊かに生活できるようにすることが全体の狙いだ。

持続可能な都市開発に関する欧州連合の主要な政策文書である新ライプツィヒ憲章は、まさにこの種の都市、すなわち生産都市を提唱している。その目的は、従来のように集合住宅の建物の1階に小売店を加えるだけにとどまらない、新たな形の複合用途開発を可能にし、促進することだ。

調査によると、製造業は都市経済の活性化に重要な役割を果たす。都市計画担当者にとって、ものづくりの担い手を受け入れることは、小規模な特産食品の生産者からテクノロジー分野のスタートアップ起業家まで、ますます重要になっている。

都市製造業

都市における製造業は、比較的安定した高賃金の雇用を生み出すことが示されている。また、炭素排出量実質ゼロの達成目標や、都市の循環型経済への移行にも重要だ。配送距離を短縮し、カーゴバイクなど、より持続可能な配送手段の利用を促し、地域の修理・再利用拠点の整備を後押しする。そして、調査によれば、都市空間をより魅力的にする。都市住民の大半は、もはやものづくりで生計を立てていないため、他の人々がどのように作っているかを見られる機会を、多くの人が楽しみにしているようだ。

企業もすぐにこの動きに注目した。たとえばギネスは最近、コヴェント・ガーデン近くのロンドン中心部に醸造所を開設する計画を発表した。ビールが初めて造られた地域に、醸造を300年ぶりに呼び戻すことになる。

世界各地の都市で進む新たな開発にも、この傾向が表れている。ロッテルダムの複合用途開発メイカーズ・ディストリクトから、米国ニューアークのメーカーフッドまで、さまざまだ。この動きは複数の要因に支えられている。新しい生産方法として、たとえば3Dプリンティングが登場し、生産による汚染や混乱が軽減された。また製造業の多くは、大規模生産、重機、大規模インフラから、小規模で受注に応じた企業へと移行している。これにより、産業を都市の構造に再び組み込みやすくなっている。

さらに、都市のものづくりの担い手の新世代は、Etsyなどのオンラインプラットフォームで商品を販売できる可能性に後押しされ、この分野のイメージを刷新している。一方、消費者はますます求めるようになっている。地域の職人技や、持続可能でカスタマイズされた製品を。

モダニズムによる変化

歴史を通じて複合用途だった都市が大半だが、20世紀初頭に状況は変わった。モダニズムの都市計画は、都市をより効率的で合理的、衛生的にすることを目指した。機能別分離や単一用途のゾーニングといった概念が標準的な計画原則となった。その結果、大半の製造業者は都市郊外の工業団地へ移転させられた。

1960年代の都市計画家たちが、都市の多様性を資産として評価するようになったとしても、産業は文字どおり、なおも脇に追いやられていた。製造業は汚く、暗く、危険で、他の用途と相いれず、時代遅れだと見なされていた。

都市経済は、物理的な製品の生産から、知識産業、文化、サービスといった、無形の富を生み出す源へと移行した。ニューヨークでは、ブルーカラーの仕事や労働者は過ぎ去った時代の遺物として描かれるようになった。その結果、製造業の雇用は1950年代の100万人超から、2010年代には20万人未満へと激減した。

産業衰退を食い止める

生産都市の考え方は現在、人気を集めているかもしれない。しかし、長年続いてきた産業衰退の流れを逆転させるのは容易ではない。近年、ブリュッセル市は地域生産の拠点として知られるようになった。それでも、工業生産と雇用はなお減少している。

ロンドンも状況は同様だ。都市製造業がますます話題になり、小規模生産や職人的な生産は増えている。しかし、この分野が市の粗付加価値と総雇用に占める割合は、ここ数十年の落ち込みからの回復にはほど遠い。

長年スタジオや工房として使われてきた工業倉庫が、開発業者に売却されるケースが増えている。Image: Unsplash/Devin Berko

この傾向に対処するため、改定版のロンドン計画は、市の空間開発戦略として、既存の工業用地の機能を強化し、密度を高めて追加の供給力を生み出すとともに、用途の複合化を一層進めることを提唱している。市全域を対象とした、都市空間を再工業化するための戦略はないものの、用途を積み重ねることを提案している。たとえば、工業スペースの上に住戸を建てたり、屋上をレジャー、商業、グリーンインフラに活用したりすることだ。

英国初の一般開放型工場が、エンフィールド区議会の支援を受け、ロンドン北東部のリー・バレーに開設された。この社会的企業、Bloqsは、転用した倉庫内に、幅広い工芸・ものづくり向けの作業スペース3万2,000平方フィートと、130万ポンド相当の設備を提供している。地域に1万戸の住宅と6,000人分の雇用をもたらす、数十億ポンド規模の都市再生プロジェクトの一環だ。

ヴィンネンデンの新地区と同様、エンフィールドでも、都市製造業が都市の繁栄に貢献できることを示すのが期待されている。ただし、JOTTの取り組みが恒久的なものとなるのに対し、Bloqsは「暫定利用」に分類されている。現在の12年間の賃貸契約が終了した後も、工場が恒久的な施設として存続する保証はない。調査は存続すべきだと示唆している。まさにこれこそ、都市に必要な生産空間だからだ。

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