この取り組みがホームレス問題の意外な解決策になる可能性

A homeless man takes a nap at a bus stop in central Seoul June 19, 2012. Asian shares edged down on Tuesday as rising Spanish bond yields stoked fears its tottering banking system is dragging Madrid deeper into crisis, snuffing out a relief rally that followed a win for mainstream parties in Greece's weekend election. REUTERS/Lee Jae-Won (SOUTH KOREA - Tags: BUSINESS EMPLOYMENT)
Private investors are helping solve homelessness in cities through social impact bonds.Image: REUTERS/Lee Jae-Won
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モーリス・クッシンベリーにとって、ここ数年はまさにジェットコースターのようだった。ホームレス状態や薬物乱用、法的トラブルに見舞われた後、突然、生活が安定した。

その間、住まいを見つけようとしたものの、書類の多さや手続きに気がくじけていた。ところが昨年のイースターの直後、ソーシャルワーカーから連絡があり、新たな住宅プログラムへの参加者に選ばれたと告げられた。

「2週間もしないうちに、住む場所が見つかりました」と、クッシンベリーはデンバーからトムソン・ロイター財団に語った。「まず住まいを提供してもらい、その後、人生のほかの問題を一緒に解決していきました。」

このプログラムは、政府機関、サービス提供者、財団、銀行、年金基金などが連携し、複雑な社会問題に取り組む世界各地の取り組みの一つだ。こうした取り組みは増加している。

鍵となる革新は、こうしたプログラムの資金調達方法にある。

財政難に直面する政府の施しに頼るのではなく、民間投資家が「ソーシャル・インパクト・ボンド」と呼ばれる資金調達手段を通じて資金を提供する。

投資家の大半を占める慈善団体や起業家は、社会サービスの提供に必要な資金を事前に拠出し、プログラムがあらかじめ定められた成果を達成した場合にのみリターンを得る。

「成果連動型支払い」とも呼ばれるこのアプローチの背景には、シンプルな問いがある。公共サービスは、目標を達成していることをどう確認し、その有効性を証明して、さらなる投資につなげられるのか。

世界に広がる効果

2010年以降、この構想は世界各地に広がり始めた。今週、ソーシャル・ファイナンス・グローバル・ネットワークは、24カ国で108件のソーシャル・インパクト・ボンドが現在運用されていると発表した。

「非常に複雑で、多くの分野が関わり、普段は連携しないパートナーを共通の目標のもとに集めるものです。構想から実現まで、これほど急速に進むとは想像もしていませんでした」と、ロンドンを拠点にこの分野を先導してきたソーシャル・ファイナンスの米国部門共同創設者、トレイシー・パランジャン氏は語った。

ソーシャル・ファイナンスUKは2010年、世界初のソーシャル・インパクト・ボンドを主導した。イングランドのピーターバラ刑務所の元受刑者の再犯を減らすことを目指すプログラムのため、500万ポンド(700万ドル)を調達した。

ソーシャル・ファイナンスによると、その後、住宅や低所得者向け医療などの課題に取り組む同様の取り組みが世界各地で数十件始まり、約4億ドルを調達し、70万人以上に影響を与えている。

ソーシャル・ファイナンスによると、完了した27件のソーシャル・インパクト・ボンドのうち、10件は投資額の全額を返還できるほどの成果を上げた。

昨年は9カ国で32件が新たに始まり、過去1カ月にも複数の取り組みが発表された。

悪循環を断つ

多くのソーシャル・インパクト・ボンドは国や州のレベルで始まったが、ホームレス問題は通常、都市が直接取り組む課題だ。

ソーシャル・ファイナンスのデータベースによると、世界全体で住宅問題はソーシャル・インパクト・ボンドの対象分野として3番目に大きい。

「都市の興味深い点は、意思決定がはるかに機敏なことです。独自の予算を使って地域社会の改善に取り組みます」と、ソーシャル・インパクト投資に関する世界的な運営グループの議長で、同債券の有力な支持者でもあるロナルド・コーエン氏は語った。

コーエン氏によると、社会問題への取り組みは都市規模の方が管理しやすいことが多く、地域社会を社会プロジェクトに参加させる力も都市の特長だ。

「ソーシャル・インパクト・ボンドに関心を持つ市長は大勢います」と同氏は語った。

その一例がデンバーだ。2016年に始まった総額860万ドル、5年間のプロジェクトは、救急サービスを頻繁に利用していた長期ホームレス状態の人々250人に、手頃な価格の住宅に加え、医療などのサービスを提供することを目指す。

モーリス・クッシンベリーも参加者の一人だ。

先月、このプロジェクトは参加者数の目標を達成し、全面的に稼働を始めた。

デンバーのプロジェクトは、米国でホームレス問題に取り組む3番目の事例だが、主催者が「ホームレス・刑務所の悪循環」と呼ぶ問題を断つことにも焦点を当てた初の事例となる。

市のファクトシートによると、この250人への社会的支出は通常、年間約730万ドルに上り、「極めて高額で効果がない」。

ソーシャル・インパクト・ボンドのもと、デンバー市は、投資を行った地元および全国規模の財団・基金8団体に対し、参加者250人が安定した住居を得て刑務所に収監されていない日数に応じて、1日あたり15ドル強を支払うことで合意した。支払額の上限は約1,140万ドルとなる。

プロジェクト開始から18カ月間で、合意した基準を上回る成果を上げた。

「住居を得て、住み続けられています。初期の結果として、とても明るい兆しです」と、シンクタンクのアーバン・インスティテュートの上級研究員で、プロジェクトの最初の1年半を追跡した報告書の筆頭著者でもあるサラ・ギレスピー氏は語った。

調査によると、1年後、最初の参加者100人の89%が安定した住居にとどまっていた。市長室によれば、これにより市が投資家に支払う最初の金額は約18万8,000ドルとなる。

刑務所で過ごした期間に関する算定や支払いは、3年分の全データがそろってから行われる。ただし、35~40%の減少が見込まれている。

こうした初期成果を受け、デンバー市長のマイケル・ハンコック氏は今年、参加者をさらに100人増やすための追加資金を要請した。

効果を測る

ソーシャル・インパクト・ボンドは、実施に長期間を要すること、契約の取り決めが複雑であること、厳密なデータ分析が求められることから、批判されてきた。

一方、支持者は、このアプローチが政府の働き方を根本から変えつつあると語る。

「政府はこれまで、支出の効果をほとんど測ってきませんでした」とコーエン氏は語る。しかし政府は、「委託のあり方を大きく改善できることに気づき始めています」。

デンバーで、クッシンベリーは効果を身をもって知っている。今ではリサイクルショップで働き、家族の近くのアパートに住んでいる。そして、長い間知らずにいたものを手にした。

「安心感と確かな見通しがあります」と彼は語った。「路上で暮らしていた頃は、そんなものはありませんでした。」

(1ドル=0.7055ポンド)

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