都市はネットゼロへの道のりの中心にあります。その理由とは

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  • 各国、政府、企業はネットゼロの必要性を共有しており、これは都市の脱炭素化を再考する機会です。

  • 画一的な解決策はありません。統合的なエネルギーソリューションの開発では、それぞれの都市のニーズを中心に据える必要があります。

  • 都市の脱炭素化は、政府、民間セクター、地域社会の協力によってのみ実現できます。

世界は重大な岐路に立っています。カナダから中国まで、企業、エネルギー消費者、政府が、排出ネットゼロへの道筋という共通のビジョンにこれほど足並みをそろえた時は、かつてありません。

今後数年間、都市の役割はかつてないほど厳しく問われるでしょう。都市は、ビジネス、商業、貿易、そして社会のまさに鼓動の中心です。地球の陸地面積の3%を占める一方で、全炭素排出量の70%超を生み出しています。今後、世界が排出ネットゼロへ向かうには、野心的な政策と都市計画に支えられた統合的なエネルギーソリューションが不可欠です。こうした必要性が最も高いのが都市です。

民間セクターにも果たすべき役割があります。ここ数年、企業や産業界は自らがどのように貢献できるかを考え始めています。エネルギー分野の多くの企業は、顧客が各自の分野、事業、地域社会、家庭で脱炭素化を進められるよう支援することを目指しています。しかし、それを都市で実現するにはどうすればよいでしょうか。

共にビジョンを描く

都市ごとにニーズは異なりますが、将来の持続可能でスマートな都市づくりには共通する5つの要素があります。モビリティ、エネルギー、環境、都市計画、そして暮らしです。統合的なソリューションの開発には、これらの要素を組み合わせる必要があります。多様な都市関係者を集めることは、それぞれのニーズをより深く理解するうえで重要です。私はこれを「共にビジョンを描く」ことと呼びたいと思います。

例えば、パリ市は2018年5月、2050年までにカーボンニュートラルを実現する目標を掲げました。この目標には課題も伴います。所得や富の格差の拡大、交通部門からの排出、老朽化しエネルギー効率の低い建築物などが、目標達成を妨げる課題として挙げられます。

ネットゼロカーボンの未来を都市が実現できるよう、フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか。

2019年、シェルは、レナード(先見性とイノベーションのプラットフォーム)および経済協力開発機構(OECD)とともに、パリで「都市シナリオ」ワークショップを開催しました。官民両セクターとより広範な地域社会から主要な関係者45人が参加し、2050年までにパリをカーボンニュートラルな都市にすることを目指す「パリ気候行動計画」の目標に、どのように共同で取り組み、達成するかを話し合いました。

このワークショップの成果として、3つのシナリオを探るスケッチが作成されました。それぞれのシナリオは、パリ大都市圏の将来に関する異なるビジョンを示し、2050年までの道筋を描くとともに、「パリ気候行動計画」の目標に向けた進捗、または進展の欠如を示しています。以下の図に各シナリオの概要を示します。

パリの未来を描く3つのシナリオImage: シェル

この検討の目的は、パリ地域が共有する目標を達成するために、今取るべき最善の選択と行動を導くことでした。通常の商業機会とは異なり、将来のシナリオや、将来顧客がどのようなニーズを持つかを構想することに重点を置きました。この取り組みにより、今後数年間にソリューションをより適切に統合できるようになりました。

統合的なソリューション

ニーズを把握した後、ソリューションを共同でイノベーションする方法の一つとして、「リビングラボ」の考え方を取り入れることができます。シンガポールでは、シティ・ソリューションズ・リビングラボを立ち上げ、実際の生活環境の中で、都市関係者とともに革新的な構想、シナリオ、技術、ビジネスモデルを共創し、実証しています。

島国の都市国家であるシンガポールは、エネルギー転換に先進的に取り組んでいます。再生可能エネルギーを拡大する野心的な目標を掲げ、2040年までにガソリン車とディーゼル車を段階的に廃止する計画を発表しました。この共通のビジョンのもと、シェルはシンガポールのエネルギー市場庁(EMA)と提携し、同国で太陽光発電の導入拡大を支える蓄電システムの普及促進に共同で取り組んでいます。進行中のプロジェクトの一つでは、地元企業と協力して、太陽光発電と蓄電を統合し、シェルのサービスステーションで電気自動車の急速充電を可能にするスマートエネルギー管理システムのソリューションを開発しています。

画一的な解決策はありません。それぞれの都市のニーズを出発点として、統合的なソリューションを創出し、実行する必要があります。そのためには、政府、産業界、社会の前例のない協力が求められます。しかし、これほど緊急性が高まったことはありません。将来の世代が暮らし、働く場所として都市を持続可能なものにすることは、世界がパリ協定のより広範な目標を達成し、排出ネットゼロの世界に近づくために不可欠です。

フォーラムの「ネットゼロ・カーボン・シティーズ」プログラムへの関係者の参加を歓迎します。詳細は、プログラムのウェブページをご覧ください。また、最新の報告書ネットゼロ・カーボン・シティーズ:統合的アプローチもご参照ください。

クリーンエネルギーへの移行に関して、世界経済フォーラムはどのような取り組みを行っているのでしょうか。

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