小さな緑地が熱波のさなかに都市を涼しく保つ仕組み

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  • 熱波のさなか、建材が熱を吸収・蓄積・放出しやすい都市化地域では、気温が最も高くなることがよくあります。

  • しかし、庭や屋上、未開発地などの小さな緑地は、都市の暑さを大幅に和らげる可能性があると研究で示されています。

  • 最近の研究によると、郊外の庭や菜園は、局地的な地表面温度を最大5℃下げることができます。

  • 都市は、多様な植物の植栽を増やし、小さな緑地の配置をより適切に管理することで、冷却効果を高めるべきです。

最近の世界気象機関の報告書は、2015年から2019年にかけて熱波を「最も死者の多い気象災害」と位置づけました。熱波は全大陸の人々に影響を及ぼし、多くの地域で国内の最高気温記録を更新しました。カナダで2021年に最も大きな影響を及ぼした気象現象は、ブリティッシュコロンビア州で記録的な暑さだったと、カナダ環境・気候変動省は報告しています。ブリティッシュコロンビア州リットンでは、6月29日に気温が49.6℃に達しました。翌日、山火事で町の90%が焼失し、2人が死亡、1,200人が避難を余儀なくされました。

熱波は、心血管疾患や呼吸器疾患など、既存の健康問題を悪化させます。また、入院の増加、心理的ストレス、攻撃的な行動に加え、超過死亡とも関連しています。

熱波のさなか、気温が最も高くなるのは都市化地域であることがよくあります。都市化は、舗装された不透水面の増加とほぼ常に結びついており、緑地が減少することも少なくありません。コンクリートやアスファルトの道路をはじめとする人工建材は熱を吸収・蓄積・放出しやすく、都市の気温を上昇させます。これは「ヒートアイランド現象」と呼ばれます。

多くの研究で、都市林がヒートアイランド現象を緩和できることが示されており、多くの政策は大規模な緑地に重点を置いています。庭や屋上、未開発地の小区画などの小さな緑地も、都市の暑さを大幅に和らげる効果がありますが、都市を冷やすための戦略を策定する際に見過ごされがちです。

小さな緑地の効果

都市では、熱波の影響を抑えるために大規模な緑地を新設できる機会はほとんどありません。しかし、より小規模な植生地でも、局地的な地表面温度を十分に下げることができます。

庭や屋上、未開発地の小さな区画などの緑地は、局地的な地表面温度を十分に下げることができます。Image: Shutterstock

オーストラリアのアデレードで行われた最近の研究では、樹冠被覆が、芝生被覆よりも小さいながらも、極端な夏の暑さのもとで日中の局地的な地表面温度を最大6℃下げたことが分かりました。さらに内陸部では、郊外の庭や菜園が局地的な地表面温度を最大5℃下げることがあります。

数十平方メートル程度の非常に小さな範囲では、樹木は芝生の2倍の効果で日中の地表面温度を下げました。一方、芝生やその他の背丈の低い小さな植物は、樹木に比べて比較的早く成長します。

都市は、極端な暑さに対応するため、短期と長期の戦略を採用すべきです。舗装された不透水面を草地や芝生に置き換え、植樹を増やして樹冠被覆を高めることなどが挙げられます。

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冷却効果を高める

さらに、都市計画担当者や造林担当者は、小さな緑地を管理する際、環境を冷やす能力に基づいて樹種を選ぶことができます。樹種の多様性が高い緑地は、春、夏、秋により高い冷却効果を発揮します。また、多様性の低い緑地と比べて、夏の気温の最大低下幅も大きくなります。

たとえば、葉が大きく、蒸散率が高い樹冠は、より高い冷却効果をもたらす可能性があります。蒸散とは、植物の葉から水分が蒸発することです。

小さな緑地に、さまざまな高さの多様な植物を植えると、高木だけの場合より冷却効果が高まることがあります。Image: Shutterstock

緑地の構造も冷却効率に影響する可能性があります。夏には、高木、低木、草本が複数の層をなす植物群落は、高木だけが優占する地域と比べ、晴れた日に気温をさらに1℃、曇りの日には0.5℃下げることができます。

樹木のまとまり

緑地の配置、つまり空間的な構成も、小さな緑地の冷却能力を考えるうえで都市計画担当者が注目すべき要素です。緑地が細かく分断されて小区画になったり、互いに離れていたり、偏って分布したりすると、冷却効果は低下します。

2都市の緑地の空間的構成を調べた研究では、メリーランド州ボルティモアとカリフォルニア州サクラメントで、異なる結果が示されました。研究者らは、土地1平方キロメートルあたりの緑地パッチの総周長(「エッジ密度」と呼ばれる指標)を調べ、冷却効果を測定しました。エッジ密度が高いほど、ボルティモアでは冷却効果が弱まり、サクラメントでは強まりました。

この差は、地域の状況によるものと考えられます。樹木が地表により多くの日陰をつくり、地表の冷却効果を弱めている可能性があります。また、エッジ密度の高い緑地パッチには、細分化された小さな樹木の区画が多く含まれ、蒸発散(地表面からの蒸発と植物からの蒸散)が弱まっている可能性もあります。管理者にとって、こうしたトレードオフへの対処は容易ではありません。

ただし全体として、樹木は通常、芝生より強い冷却効果をもたらします。樹木は、一本ずつ、あるいは列状に植えるのではなく、まとまりをつくって植えることが、微気候(地表付近の局地的な気候条件)の調整に推奨されています。

小さな緑地は、都市に大きな夏の冷却効果をもたらします。都市は、小さな緑地の配置をより適切に管理することで、冷却効果を高め、トレードオフを最小限に抑える方法を学ぶことができます。

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