官民連携による腐敗防止:不動産・建設が新たな腐敗防止イニシアチブの試験導入分野となる理由

The real estate and construction sectors are building bridges in this anti-corruption initiative.
The real estate and construction sectors are building bridges in this anti-corruption initiative.Image: AtkinsRéalis
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  • 腐敗や不正な資金の流れは、貧困やジェンダー不平等から経済成長の鈍化や気候変動に至るまで、世界が直面する多くの課題の根源にあります。

  • 民間セクターとそこで働く専門家は、腐敗への対処において積極的な役割を果たすことができます。

  • 世界経済フォーラムの官民連携による腐敗防止イニシアチブ(PACI)は次の段階に入り、不動産および建設分野を試験導入の対象として、腐敗と不正な資金の流れに効果的に対処するための分野別ソリューションに焦点を当てています。

腐敗や不正な資金の流れへの対策は、公正な競争を確保し、経済成長と投資を促進します。また、持続可能な未来の実現と国連の持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた進展にとっても不可欠になっています。

国連の2030アジェンダの達成に向けた国際的な金融の説明責任、透明性および健全性に関するハイレベル・パネルパネルの報告によれば、マネーロンダリングの規模は驚くべき年間1.6兆ドルに上ります。明るい兆しとして、EUによる腐敗対策の強化は、公的機関への信頼を高め、規制の明確性を向上させることが見込まれています。数値的に見ると、これにより年間最大585億ユーロに相当する社会的・経済的便益がもたらされる可能性があります。

腐敗がもたらす影響は、経済的損害にとどまらないことがよくあります。人々の生活や社会に深刻な影響を及ぼします。例えば腐敗は、社会プログラムやインフラ開発の資金として不可欠な資源を奪うことで、貧困の撲滅(SDG 1:貧困をなくそう)を妨げます。

都市開発などの分野では、腐敗はしばしば質の低い安全性を欠くインフラの整備につながり、壊滅的な結果をもたらしかねません。

企業は、腐敗および不正な資金の流れとの戦いをどのように前進させることができるでしょうか。

1. ゲートキーパーを活性化する

腐敗や不正な資金の流れは、一つの主体だけでは解決できません。民間セクター、特に「ゲートキーパー」を通じて、積極的な役割を果たすことができ、また果たすべきです。ゲートキーパーとは、不動産仲介業者、銀行、弁護士、会計士、資産運用業者など、民間セクターに属し、多くの場合は専門サービスを提供する仲介者であり、腐敗行為や違法取引を特定し防止する最前線に立つことが多い存在です。

ゲートキーパーは、顧客の資金の出所を特定するための厳格なデューデリジェンス・プロセスや、顧客および財務状況の徹底的な身元確認を導入することで、重要な役割を果たすことができます。また、顧客の事業の性質を理解するよう努め、不正行為を示唆しうるレッドフラッグに常に注意を払うこともできます。例えば銀行はマネーロンダリング対策(AML)の手順を強化でき、不動産仲介業者は不動産取引にマネーロンダリングの兆候がないか精査することができます。

2. 高い水準のコンプライアンスを確保する

金融活動作業部会(FATF)が定める基準などの国際的なコンプライアンス規制や基準を遵守することが不可欠です。金融活動作業部会(FATF)これにより、腐敗防止への統一的なアプローチが確保され、不正な資金の流れに対する世界的な取り組みが強化されます。企業はまた、明確な財務報告や実質的所有者の開示を含め、事業運営において透明性の文化を育むべきです。

3. 従業員のスキルを向上させ、透明性を推進する

腐敗や不正な資金の流れのリスクと兆候について、(あらゆる職位の)従業員に定期的な研修を行うことは、知識のある人材の育成に役立つとともに、内部告発のための安全な経路を確立します。また、不正行為を報告した人々を保護することも極めて重要です。こうした変革的な取り組みは、組織、ビジネスネットワーク、さらにその先へと広がっていきます。

このような研修は組織内部の利益にとどまらず、誠実さの模範となる人材を育成し、業界や地域社会全体に影響を及ぼします。研修を受けた人材は、組織の評判や法令遵守を高め、企業のリスクへの露出を減らし、より広範な社会的・経済的変革の触媒となります。こうした技能開発と透明性への投資は、社会的信頼の向上と公正な市場競争につながり、地域や国の政策にも影響を与え、持続可能な開発と成長を推進することができます。

4. 集団行動

腐敗との戦いには、単なるルールに基づくコンプライアンスを超えた、マルチステークホルダー・アプローチが必要です。集団行動のイニシアチブは、民間、市民社会および公共部門の間の協力を促進し、腐敗防止の取り組みを強化します。この文脈において、専門家、その所属組織、そして国際的な専門職団体は極めて重要な役割を担っています。これらの主体は、倫理基準を徹底し、研修を提供するとともに、各業界内でのコンプライアンスを確保します。

特に専門職団体は、腐敗防止政策の形成と業界の健全性の維持において極めて重要な役割を果たしています。会員に対して研修や資源を提供し、専門家が腐敗を認識し、それと闘うための十分な準備を整えられるようにすることができます。こうしたイニシアチブに積極的に参加することで、専門家は所属組織内で倫理的慣行を守り、世界的な腐敗防止というより大きな目標に大きく貢献します。さまざまな分野にわたって透明性と説明責任の文化を築くうえで、その関与が鍵となります。

汚職対策
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官民連携による腐敗防止イニシアチブは分野別の取り組みへ

世界経済フォーラムの官民連携による腐敗防止イニシアチブ(PACI)は2004年に立ち上げられ、腐敗防止と透明性に関するCEO主導の主要な企業の声となっています。官民連携を基盤として、PACIはマルチステークホルダー・アプローチを活用し、分野や地域を超えて腐敗に対処し、ビジネスの健全性を推進しています。

次の段階として、PACIは、ゲートキーパーが腐敗および不正な資金の流れと闘う力を与えるための、新たな分野別の取り組みに着手しています。統一フレームワークを基盤とし、介入を特定の分野に合わせて戦略的に調整することで、その効果をさらに高めることができます。

例えば不動産と銀行の分野は、会計や法務サービスと比べて、異なる業務上の特性やリスク要因を持っています。これらの分野のゲートキーパーに、専門的な知識とツールを用いた研修を行うことで、分野特有の形態の腐敗や不正な資金の流れを特定し、対処する能力が高まります。目的は、業界に特化したツールキット、専門的・法的・コンプライアンス面の最新情報、知識、そしてスキル向上のためのプログラムをゲートキーパーに提供することです。

PACIは、不動産および建設分野からこの取り組みを開始します。両分野は、取引額が大きく所有権を隠しやすいことから、不正資金をロンダリングする主要な経路となりえます。さらに、不動産投資は世界的な性質を持つため国境を越えた問題であり、国際協力と標準化された慣行が必要です。建設においては、公共契約との頻繁な関わり、国境を越えた投資、プロジェクトの複雑さ、そして脆弱な調達管理が、腐敗の機会を生み、公共の安全と信頼に影響を与えています。

PACIは、これらの分野から着手することで、腐敗が重大な経済的・社会的影響をもたらしうる重要領域に対処することを目指しており、他の分野へこの取り組みを拡大するための先例を打ち立てるものです。

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