不動産をネットゼロへと導くことを目指す10のグリーンビルディング原則

The Green Building Principles establish a framework for getting real estate to net zero
The Green Building Principles establish a framework for getting real estate to net zeroImage: Reuters
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本記事は2022年6月2日に更新されました

  • 不動産業界は、気候危機の緩和において重要な役割を担っています。

  • 持続可能性に関する行動計画を有している不動産組織は、少数派にとどまっています。

  • JLLと世界経済フォーラムの「10のグリーンビルディング原則」は、業界の持続可能性に関する枠組みと、進捗を測るためのベンチマーク用の報告ガイダンスを確立するものです。

都市、投資家、企業、教育機関が、より持続可能な未来の実現に向けた意思を表明するなか、ネットゼロへのコミットメントが近年急増しています。この共通の目標は、国連の「Race to Zero」キャンペーンによって後押しされ、私たちが正しい方向に進んでいることを示しています。しかし、さらなる取り組みが必要です。今年は、議論を具体的な行動計画へと移し、着手しなければなりません。

不動産および建築環境は、世界の炭素排出量の約40%を占めており、重要な役割を担っています。それにもかかわらず、JLLの「Decarbonizing the Built Environment」報告書では、不動産ポートフォリオの脱炭素化に向けた計画を有している組織は18%にすぎないことが明らかになりました。最高水準の持続可能性認証を取得した最新の先端建築物に多くの注目が集まる一方で、現存する建物の70%は2050年になっても存続しており、スペースの用途転換、古い建物の改修、そして循環経済の原則に沿ったリノベーションの必要性が浮き彫りになっています。

企業には、不動産をネットゼロ・カーボン排出へと導くためのロードマップが必要とされてきました。そして今、そのロードマップが示されました。不動産の投資家および利用者が、ポートフォリオ全体でネットゼロ・カーボン目標を実施し達成できるよう導くため、JLLは世界経済フォーラムと提携し、「10のグリーンビルディング原則」を策定しました。あわせて、実施に向けた手順を示す関連行動計画も策定しています。

本原則は、WorldGBCのネットゼロ・カーボン・ビルディング・コミットメントや、Race to Zero内のその他の取り組みなど、既存のイニシアチブを補完するものであり、企業がそれらへのコミットメントを果たすために何をすべきかを明確に示しています。また、本原則には報告に関するガイダンスも含まれており、企業が進捗を測定し、設定した気候目標の達成を可能にする、意味のある年間の炭素排出削減を確実に実現できるよう支援します。

10のグリーンビルディング原則は、次の5つの主要分野を対象としています:

1. データ駆動型アプローチの採用

最初のステップの一つは、対処すべき課題を正確に把握することです。企業は、目標設定の基礎とするため、直近の代表的な年度におけるポートフォリオの信頼性の高いカーボンフットプリントを算出する必要があります。

2. 取り組みの過程における目標設定

今後数十年間に私たちが直面する課題の規模は、途方もないものです。企業は、長期戦略の一環として、ネットゼロ・カーボンを達成する目標年を設定することが重要です。その期限は2050年より遅くてはなりませんが、これより早い時期を目指す企業や政府も多く見られます。新たな原則では、2030年までにこれらの排出量を少なくとも50%削減するための中間目標を推奨しています。

3. 内包炭素への取り組み

企業は、最終目標年までにネットゼロ・カーボンを確実に達成するため、計画中のすべての新規開発および大規模改修において、排出削減を最大化する必要があります。

新規開発や大規模改修における資材および建設プロセスに関連する内包炭素排出量を測定・記録することは不可欠です。世界グリーンビルディング協議会は、2050年までの新築建築物の炭素フットプリント全体の半分を内包炭素が占めると推計しています。低炭素資材、モジュール式建設、循環経済アプローチの導入などの対策を通じてこれを削減することは、不動産がネットゼロを達成できるかどうかを左右する重要な要因となります。

グリーンビルディング原則は、不動産をネットゼロへと導くための枠組みを確立するものです。Image: 世界経済フォーラム

4. クリーンエネルギーへの注力

建物が消費するエネルギーを削減することは、ネットゼロの未来の中核をなします。つまり企業は、既存資産と新規開発の両方においてエネルギーの最適化を推進する必要があります。また、敷地内での再生可能エネルギーの供給を最大化するとともに、敷地外のエネルギーについても、利用可能な場合は再生可能エネルギー由来の供給源から調達するようにしなければなりません。

残存排出量は、高品質なカーボン・オフセットを購入することによって補償する必要があります。過去1年間に多くのガイダンスが発表されましたが、特にSBTiのネットゼロ基準を通じて、今後さらなるガイダンスが示される予定です。

5. 幅広い連携

2050年までにネットゼロ・カーボン排出を達成するには、ほぼすべての段階でチームワークが求められます。原則では、バリューチェーン上のステークホルダーと連携し、スコープ3排出(より広範なバリューチェーンにおける間接排出)を削減するよう求めています。企業はまた、機会をより的確に見極め、介入によるコストと便益を公平に分担するため、パートナーシップをさらに構築する必要があります。

一刻の猶予もありません。投資家と利用者は、大胆に表明したコミットメントを実行に移す必要があります。10のグリーン原則の枠組みがあれば、もはや問題はネットゼロにどう到達するかではなく、どうすればより速くそこに到達できるかです。私は、リーダーの皆さんに本原則を採用し、2022年を不動産業界がコミットメントを行動へと転換する年にするよう強く求めます。

本原則を正式に採用することについて詳しくは、フォーラムまでお問い合わせください。

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