各国の医療費支出は限界に近づいています。同時に、人口の高齢化と慢性疾患の増加に伴い、医療需要はかつてないほど高まっています。ハーバード大学の研究者たちは、「価値に基づく医療」(VBHC)と呼ばれるモデルを考案しました。
価値に基づく医療(VBHC)は、患者の治療成果の向上とコスト削減に重点を置く、新しい医療提供のアプローチです。従来の出来高払いの医療とは異なり、VBHCでは医療提供者への報酬が、提供したサービスの量ではなく、ケアの質に基づいて決まります。
VBHCには、次のような多くの利点があります。
患者の治療成果の向上: VBHCでは、医療提供者が質の高いケアを提供するよう促されるため、患者の治療成果の向上につながる可能性があります。
コストの削減: VBHCは、不必要な検査や処置の必要性を減らし、医療費の削減に役立ちます。
患者満足度の向上: VBHCでは、医療提供者が患者の全体的な健康と幸福に重点を置く傾向が強く、患者満足度の向上につながる可能性があります。
世界各地でVBHCの実践例が数多く見られます。たとえば、NHS WalesはVBHCを活用し、慢性疾患の患者へのケアを改善しました。こうした取り組みの結果、慢性疾患で入院する患者の数は減り、自立した生活を送れる患者の数は増えました。
VBHCのもう一つの例として、Steno Diabetes Centre Copenhagenの取り組みがあります。このセンターはVBHCを活用し、糖尿病患者がより効果的に病状を管理できるよう支援してきました。こうした取り組みの結果、視力を失ったり、脚を切断したりした糖尿病患者の数は減りました。
VBHCは、患者の治療成果を向上させ、コストを削減し、患者満足度を高める可能性を持つ、新しい医療提供のアプローチです。VBHCの発展に伴い、医療を取り巻く環境の中で、ますます重要な役割を担うようになるでしょう。
世界経済フォーラムは、世界各地の医療制度にVBHCを広め、早期導入者の取り組みを後押しするため、「医療における価値のためのグローバル連合」を立ち上げました。
