あなたが暮らす国は、正しい方向に進んでいますか?
答えが「いいえ」でも、そう感じているのはあなただけではありません。世界では、ほぼ3分の2の人々が、自国は間違った方向に進んでいると考えています。
これは、イプソス/モリの「世界が懸念すること」調査によるもので、25か国で数千人に質問しています。

広がる不満
2016年10月から11月にかけて、自国が正しい方向に進んでいると考える人の割合は、世界全体で2ポイント低下し、37%となりました。
アジア太平洋地域とBRIC諸国の経済圏では比較的楽観的な傾向が見られる一方、その他の地域では否定的な見方をする人が多くなっています。特にラテンアメリカと欧州では、自国の先行きに対する悲観論が目立ちます。
中国ではこの傾向に反して、90%が自国の方向性に自信を示し、サウジアラビア(80%)が続きます。インドでは4分の3を超える人々が、ロシアとアルゼンチンでは10人中6人弱が、自国は正しい方向に進んでいると考えています。
BRIC諸国の中で目立った例外はブラジルで、自国が正しい方向に進んでいると考える人はわずか17%です。アジアでは韓国も例外的で、自国の進路を信頼する国民はわずか13%です。
西側諸国では、カナダ人だけが過半数を占める肯定的な見通しを示しています(54%)。
米国は中位に位置し、自信を持つ人の割合は前月の37%から35%へとわずかに低下しました。ただし、調査は大統領選挙の前に実施されており、人々の気分は変化している可能性があります。
自国の方向性に対する自信が最も低いのはフランスとメキシコです。それぞれ国民の88%、96%が、自国は間違った方向に進んでいると考えています。
男女別の結果からは、世界全体で男性の方が女性より自国の方向性に楽観的であることがうかがえます。男女間の自信の差が最も大きいのは米国、イスラエル、ロシアです。

悲観論の理由は?
イプソス/モリの調査では、人々の不満が高まる背景にある懸念も探っています。
最も大きな懸念は雇用で、回答者全体の38%が挙げました。2010年に調査が始まり、51%の国民が懸念として挙げて以来、一貫して主要なテーマとなっています。現在、失業を最も懸念している国はスペイン(70%)とイタリア(65%)です。
次に多いのは貧困と社会的平等に関する懸念で、世界全体では38%です。ハンガリー(56%)とロシア(52%)で特に強く見られますが、ドイツ、ベルギー、日本でも最大の懸念事項となっています。
世界で3番目に多い懸念は、金融・政治の腐敗です(30%)。この問題を最も懸念している国は韓国です。汚職スキャンダルを受け、イプソス/モリの調査では6月以降、全体の割合が19ポイント上昇し、73%となりました。
犯罪と暴力、そして医療が、世界の懸念事項の上位5項目の残りを占めています。
ラテンアメリカ諸国では、世界の他の地域より犯罪と暴力への懸念が強く、特にペルー、メキシコ、アルゼンチンで目立ちます。トルコではテロへの恐怖が大きな懸念となる一方、ハンガリーでは医療が最も懸念されています。

根強い不安
教育は多くの国で引き続き懸念事項であり、特にラテンアメリカで目立ちます。ペルーは41%と高く、スウェーデンでは9ポイント、イスラエルでは5ポイントの大幅な上昇も見られました。
移民は世界全体では比較的懸念が小さいものの(19%)、英国では2ポイント上昇して38%となり、最大の懸念事項です。移民を最大の懸念として挙げたのは英国だけで、ドイツが37%で僅差で続きます。イタリアでは4%の上昇が見られたほか、フランス、ベルギー、カナダでも2~4ポイントの上昇が記録されました。
中国では道徳の退廃が大きな懸念となっています(39%)。ただし、調査では中国の回答者にすべての項目が提示されたわけではない点に留意が必要です。
各国の男女は懸念事項についておおむね同じ傾向を示しましたが、イプソス/モリによると、女性の方が医療を懸念する傾向があります。





