移民は、特定の視点から語られることが非常に多い。多くの国で政治的に大きな論争を呼ぶテーマであり、感情を揺さぶり、議論を招く一方、全国規模の数値やごく身近な体験を超えて視覚化するのは難しい。
この二つの捉え方には、移民の実態を理解するために必要な細やかさが欠けている。しかし、データを地図に落とし込めば、はるかに明確に見えてくる。
カイル・ウォーカーは、地理学の教授としてテキサス・クリスチャン大学に在籍している。米国の都市に関する公式の国勢調査データを地図に落とし込み、『Mapping Immigrant America(移民のアメリカを地図に)』と名付けた。
彼の研究は、移民の出身地や居住地を示し、米国の都市がいかに多様な人々のるつぼであるかを興味深く描き出している。
地図
地図上の点一つは移民20人を表し、出身地域ごとに異なる色で示されている。たとえば、メキシコ出身者は赤い点、ヨーロッパ出身者はオレンジ色の点で表され、以下同様だ。

この地図は、シカゴの地図のように、特定の地域に暮らす国籍別の集団を示している。
ヨーロッパ出身者は主に市の北部または北西部に暮らしている。メキシコ出身者は南部と西部に多く、南アジア出身者(明るい青)の集団は北部と、さらに西側にも見られる。
東アジアおよび東南アジア出身の移民(緑)は、市の南端の一角に見られる。
米国の学歴分布を示す地図も作成したウォーカーは、バージニア大学のダスティン・A・ケーブルが作成した人種別ドットマップに着想を得たと世界経済フォーラムに語った。「米国の移民を同じように示す地図は興味深いものになると、以前から考えていました。Mapboxの技術が進歩し、それが実現可能になったのです」と彼は話す。「当初は、米国への移民の動向をデータの視覚化で探る講演のために地図をデザインしました」
以下で、米国のほかの都市における移民の様子を見てみよう。
米国の都市
ニューヨーク
ニューヨーク市の地図を見ると、マンハッタン島にはヨーロッパやオセアニア、ラテンアメリカ、東アジアおよび東南アジア出身者が多く、北部にはサハラ以南のアフリカ出身者の集団が見られる。
マイアミ
マイアミには青い点が多く、ラテンアメリカ出身の移民を表している。
ワシントン
ワシントンはより多様で、中央にはヨーロッパ出身者の帯状の集まりがあり、西部と南部には南アジア出身者、北部と東部にはサハラ以南のアフリカ出身者が見られる。
ヒューストン
ヒューストンは赤い点がかなり多く、メキシコ出身者の人口が大きいことを示している。また、ヨーロッパ、南アジア、中央アジア、東南アジア出身者も混在している。
ウォーカーは、2009~2013年の米国コミュニティ調査による人口統計データと、次の機関が提供する国勢調査の地理・人口統計データを使用した。National Historical Geographic Information System(国立歴史地理情報システム)。
「私は主に、この地図を人々が自分たちの地域について何かを学ぶためのツールと捉えています。公開データを視覚化して、一般の人々がより利用しやすくすることを支持しており、こうした地図はその目的に効果的だと思います」とウォーカーは話す。
彼がBoston.comに挙げた例の一つが、マサチューセッツ州ボストン郊外のブロックトンだった。そこでは紫色の点の集まりが、サハラ以南のアフリカ出身の移民人口を示している。
「地図は、そうしたことを伝え、明らかにしてくれます。それまで私は知りませんでした」とウォーカーは語った。「それこそが、データ視覚化の真の力です」





