新たな研究によると、学生は画面より本でよく学ぶ

Students take notes from their iPads at the Steve Jobs school in Sneek August 21, 2013. The Steve Jobs schools in the Netherlands are founded by the O4NT (Education For A New Time) organisation, which provides the children with iPads to help them learn with a more interactive experience. REUTERS/Michael Kooren (NETHERLANDS - Tags: SOCIETY EDUCATION SCIENCE TECHNOLOGY)
Limiting students to a purely digital world may not be helping all students to learn effectively.Image: REUTERS/Michael Kooren
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今日の学生は自分たちをデジタルネイティブと捉えている。スマートフォンやタブレット、電子書籍リーダーなどのテクノロジーに囲まれて育った最初の世代だ。

教師、保護者、政策立案者は、テクノロジーの影響力が増していることを確かに認識し、それに応じた対応をしてきた。私たちは、教室でのテクノロジーへの投資拡大を目にしてきた。現在、学生には学校支給のiPadが配られ、電子教科書も利用できる。2009年、カリフォルニア州は、2020年までにすべての大学教科書を電子形式で利用できるようにすることを義務づける法律を制定した。2011年には、フロリダ州の議員が、公立学校の教科書をデジタル版に移行することを義務づける法案を可決した。

この傾向を受け、教師、学生、保護者、政策立案者は、学生がテクノロジーに慣れ親しみ、それを好むことが、より良い学習成果につながると考えるかもしれない。しかし、私たちの研究では必ずしもそうではないことが分かった。

学習と文章理解を研究する者として、私たちは近年、印刷媒体とデジタル媒体を読むことの違いに注目してきた。電子教科書のような新しい教室用テクノロジーは、より利用しやすく持ち運びやすい。一方、学生が好むというだけで、デジタル読書が自動的に学生の役に立つと考えるのは誤りだ。

速さの代償

私たちの研究から、大きな食い違いが明らかになった。学生は画面で読むほうが好みで、成績も良いと答えた。しかし、実際の成績は低下する傾向にあった。

たとえば、1992年以降に行われた研究のレビューから、1ページを超える文章では、学生は印刷物のほうが内容をよく理解できることが分かった。これは、スクロールが理解に及ぼす妨げとなる影響に関係していると考えられる。また、印刷物とデジタル文章を比較した研究のうち、理解度の段階を分けて検証したり、読書時間を記録したりしたものが少ないことにも驚かされた。

こうした傾向をさらに調べるため、私たちは3つの研究を実施し、大学生が紙と画面で読んだ情報を理解する能力を調べた。

学生はまず、どの媒体を好むかを評価した。オンラインと印刷物でそれぞれ1つずつ、計2つの文章を読んだ後、学生は3つの課題に取り組んだ。文章の主旨を説明すること、読んだ内容の要点を列挙すること、そして思い出せる関連情報をほかに挙げることだ。課題を終えた後、自分の理解度を評価してもらった。

研究ごとに文章の長さは異なり、読書時間など、収集したデータにも違いがあった。それでも、印刷物とデジタルコンテンツを読むことの違いに新たな光を当てる、いくつかの重要な知見が得られた。

学生の大多数は、デジタルで読むことを好んだ。

オンラインで読むほうが、印刷物で読むより大幅に速かった。

学生は、印刷物よりオンラインのほうが理解できたと評価した。

逆説的だが、全体的な理解度はデジタル読書より印刷物のほうが高かった。

主旨の理解など、一般的な質問では媒体による違いはなかった。

しかし、具体的な質問では、印刷された文章を読んだ参加者のほうが理解度は大幅に高かった。

印刷物の意義を捉え直す

これらの知見から、デジタル化が進む世界における印刷物の位置づけについて、政策立案者、教師、保護者、学生に伝えられる教訓がいくつかある。

1. 目的を考える

私たちはさまざまな理由で本を読む。非常に具体的な質問の答えを探していることもあれば、今日の新聞の見出しに目を通したいこともある。

印刷物かデジタル形式かを問わず、記事や文章を読み始めるときには、なぜ読むのかを念頭に置くべきだ。目的によって、最適な媒体は異なる可能性が高い。

言い換えれば、どんな場合にも通用する単一の媒体はない。

2. 課題を分析する

私たちの研究で最も一貫して得られた知見の一つは、課題によっては媒体が関係しないようだということだ。学生に求められるのが、読んだ内容の大意や要旨を理解し、覚えることだけなら、どちらか一方の媒体を選ぶ利点はない。

しかし、読書課題でより深く取り組むことや、深い理解が求められる場合、学生は印刷物で読んだほうがよい可能性がある。教師は、選ぶ媒体によって課題を理解する能力が左右される可能性があると学生に伝えられる。この認識があれば、学生自身の成績評価と実際の成績との間に私たちが確認した食い違いを小さくできるかもしれない。

3. ゆっくり読む

3つ目の実験では、印刷物とデジタル文章の読み方や理解の仕方に基づき、大学生の特徴を有意義に分類することができた。

その分類の中に、印刷物からデジタルに移ると、実際に理解度が高まる一部の学部生がいた。この例外的なグループの特徴は、文章が本にあるときよりもコンピューター上にあるときのほうが、読む速度が遅かったことだ。言い換えれば、デジタル文章は手軽に読めるものだと決めつけていなかった。このグループを手本として、オンラインの文章を流し読みしてしまう傾向に抗う方法を、学生に教えたり促したりできるかもしれない。

4. 数値化できないもの

ペーパーレス化には、経済面や環境面での理由があるかもしれない。しかし、印刷物がなくなれば、明らかに大切な何かが失われる。

学業において、私たちは何度も読み返す本や記事を持っている。大切にしてきた本の折り目のついたページには、疑問や考えを書き込んだ文章が残っている。デジタル文章で同じように深く関わることは想像しにくい。学生がどれほどテクノロジーに精通しても、その学びの中には常に印刷物の居場所があるべきだろう。

もちろん、オンライン読書への流れが止まることなく続くのは承知している。また、アクセスできる情報の幅広さや速さなど、オンライン文章の多くの利便性を軽視するつもりもない。

私たちの目的は、今日のデジタルネイティブと、彼らの学習経験を形づくる人々に、学習や学業の発展における印刷物の価値を過小評価することには、大きな代償と結果が伴うと思い起こしてもらうことにある。

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