どんな旅も一歩から始まる、というのは確かかもしれない。しかし教育、とりわけ低・中所得国の教育に関しては、目標までまだ長い道のりがある。幸い、多くの取り組みが今まさに進められており、これらの国々がその距離を縮め、次の持続可能な開発目標を達成できるよう後押ししている。すべての人に質の高い教育を保障するという目標を2030年までに達成することだ。
特使として、私は国際教育機会資金調達委員会のために、アフリカ各地の14カ国へハイレベル代表団を率いて訪問した。訪問先では、大陸各国の指導者たちが改革に取り組み、教育への投資を拡大する決意を持っていることを、目の当たりにした。
教育に関するSDGを達成するには、アフリカの指導者たちの決意に見合う支援を国際社会が行わなければならない。国際教育金融ファシリティ(IFFEd)を通じた支援もその一つとなり得る。現状、国際社会の対応はこの分野で不十分であり、とりわけ資金調達の面で遅れが目立つ。
途上国の多くが教育機会の改善と拡大に向けて取り組みを強化している一方で、教育への資金は慢性的に不足しており、教育目標の達成に必要な水準を大きく下回っている。2002年以降、政府開発援助(ODA)に占める教育の割合は、実際には13%から10%へと低下した。

教育委員会による画期的な報告書「ラーニング・ジェネレーション」は、何が懸かっているのかを明らかにしている。とりわけ、長年にわたり教育の不足に苦しんできたアフリカ諸国にとって、その意味は大きい。2050年までに、アフリカには10億人の若者が暮らすことになる。現在の傾向が続けば、2030年までに低所得国の若者のうち、基礎的な中等教育レベルの技能を身につける見込みがあるのは10人に1人にすぎない。低所得国の大半はアフリカにある。簡潔に言えば、私たちは今、世代全体の未来を危うくするリスクを抱えている。
しかし、そのような事態は避けられる。教育委員会の報告書は、教育改革を進め、支出の効率を高めることで、教育へのアクセスを拡大し、修了率を高め、学習成果を大幅に改善できることも示している。
こうした目標を前進させるため、教育委員会は資金調達に関する協定を提案している。低・中所得国は、資源を効率的に活用する改革を実施しながら、教育への国内公的支出を、現在のGDP比平均約4%から2030年までにGDP比5.8%へ引き上げることに合意する。その見返りとして、国際社会はこの期間に教育資金を年間約160億ドルから約900億ドルへと増額し、資金を最も効率的に活用するための調整の仕組みも整える。
この協定の実現において、ODAは重要な役割を果たす。実際、教育委員会はODAに占める教育の割合を15%に引き上げるよう求めている。しかし、それだけ増額しても、さらなる資金が必要となる。そこでIFFEdが役割を果たす。
IFFEdは二国間援助のドナー、世界銀行、地域開発銀行を連携させ、資金を共同で拠出し、適切な場合には遊休資本を活用できるようにする。運用が始まれば、2020年までに、教育への投資と改革に取り組む国々に対し、教育向けの追加資金として年間130億ドルを動員できる可能性がある。
IFFEdは施しではない。教育に国家予算の相当部分をすでに投じている国も多く、IFFEdはそうした国々が教育に関するSDGを達成する取り組みを支援する。次の世代が取り残されず、学び続けられるようにするため、私たちが取ることのできる最大かつ大胆で、最も意義深い一歩だ。
教育委員会の委員長で英国の元首相であるゴードン・ブラウン氏と連携し、IFFEdの創設を前進させるため、私はいくつかの段階を踏んできた。最初の段階では、IFFEdの必要性を認め、その恩恵を受けるために必要な取り組みを進んで行う国があるかどうかを見極めた。
そこでアフリカの指導者を訪問する際、私は簡潔な質問をした。教育委員会の報告書と行動計画を踏まえ、IFFEdの支援を受けるために必要な水準の教育投資と改革に取り組む意思があるか。訪問した14カ国すべての指導者が、イエスと答えた。実際、彼らは「先駆国」となる意欲を示しただけではない。私が会った指導者は皆、このような突破口は極めて重要であり、実現があまりにも遅れていると述べた。
これからが難関だ。言葉を現実に、決意を前進へと変える段階である。IFFEdへの需要が十分に確立した今、教育のための国際資金を大規模に動員するよう、実現できる立場にある人々に呼びかける準備が整った。今週のIMF・世界銀行春季会合、7月のG20サミット、9月の国連総会で呼びかけを行う。
最も必要とされる場所で、教育改革と開発を進めるための取り組みを続ける。近いうちに国際社会がIFFEdに参加し、私たちとともに歩むことを願っている。全員が力を合わせて初めて、一世代のうちにすべての子どもを学校に通わせるという約束を果たせる。
この重要な目標を達成するため、さらに歩みを進めるにあたり、ネルソン・マンデラの言葉に励まされ、その導きに従いたい。「教育とは、世界を変えるために使うことのできる、最も強力な武器である」。一世代のうちに、世界を変える教育革命を実現できる。しかし、そのためには一人ひとりが役割を果たさなければならない。





