運動が記憶力や思考力を高めることは知られています。しかし今回、研究者らは初めて、身体活動によって子どもの脳の大きさが増し、学業成績が向上する可能性があることを示しました。
スペインのグラナダ大学の研究チームによる研究では、体力のある子どもは、脳の前頭葉と側頭葉、および鳥距皮質の灰白質の体積が大きいことが分かりました。これらの領域はいずれも、実行機能(物事を成し遂げるための精神的な能力)に加え、学習、運動能力、視覚処理にも重要です。
研究者らは、体力のある子どもの脳が体力の劣る同年代の子どもと異なるかどうか、また、その違いが学業成績に影響するかどうかを調べようとしました。
「答えは簡潔で明快です。はい、子どもの体力は重要な脳構造の違いと直接結びついており、その違いは子どもの学業成績にも表れています」と、グラナダ大学スポーツ・健康研究所の主任研究者、フランシスコ・B・オルテガ氏は述べました。

学術誌『NeuroImage』に掲載されたこの研究は、8歳から11歳の過体重および肥満の子ども100人以上を対象とするランダム化臨床試験、ActiveBrainsプロジェクトの一環です。
研究者らは、運動能力が、言語処理と読解に不可欠な2つの領域、下前頭回と上側頭回の灰白質を増やすのに役立つことを発見しました。
一方、筋力と脳のいずれかの部位における灰白質の体積との間には、関連が見られませんでした。

論文の筆頭著者で、グラナダ大学の博士研究員であるイレネ・エステバン=コルネホ氏は、体力の影響を受ける皮質および皮質下領域の灰白質体積が、子どもの学業成績を高めたと述べました。
さらに同氏は次のように付け加えました。「体力は運動によって向上させられる要素です。有酸素能力と運動能力を高める運動を組み合わせれば、過体重や肥満の子どもの脳の発達と学業成績を促す効果的な方法となるでしょう。」
世界の過体重または肥満の子どもの数は増加しており、1990年の世界全体で3,200万人から、2016年には4,100万人に増加しました。
経済的な豊かさに伴って食生活やライフスタイルが変化するなか、肥満率は高所得国よりも発展途上国で大幅に速いペースで上昇しています。
グラナダ大学の研究者らは、学校で毎日体育を教えることで研究結果を実践に移すよう、政策立案者や教育関係者に呼びかけています。





