うつ病の治療改善へ、スマホ調査で感情をリアルタイム追跡

Palestinian musician Firas Harb uses Spotify app on his mobile phone in Beit Sahour, in the occupied West Bank November 20, 2018. Picture taken November 20, 2018. REUTERS/Mussa Qawasma - RC14479DD070
App-based surveys offer an easy way to track emotions.Image: REUTERS/Mussa Qawasma
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不安症とうつ病に関する数十年にわたる研究から、二つの疾患の原因や側面を説明するモデルが開発されてきた。

しかし、こうしたモデルは長年にわたり有用性が確立されているものの、個人間の違いを測定するものであり、研究者は数か月、場合によっては数年も間隔が空く少数の評価を用いて設計された研究からモデルを導き出している。

言い換えれば、モデルは多くの知見をもたらすものの、特定の人にその瞬間ごとに何が感情面で起きているかを調べるには最適ではない。

「数日、数週間前にどう感じていたかを、いつも正確に思い出せるとは限りません。特に、とてもつらい日もあれば、すごく気分のよい日もあった場合はそうです……」

今回の研究は、特定の個人の症状をリアルタイムで繰り返し、頻繁に測定し、その時々の感情が後の症状とどのように関連するかを明らかにすることで、従来の研究を発展させている。

研究者によると、この研究では不安症とうつ病を、これまで研究されてこなかった形で捉えている。結果は、一部の感情が持続し、特定の時点で起きていることを超えて、その後の感情を予測することを示唆している。こうした情報は、これらの疾患に苦しむ患者の治療に役立つ可能性があると、バッファロー大学心理学部の助教で、本研究の著者でもあるクリスティン・ゲイニーは述べる。

Image: Our World In Data

「臨床家が主に関心を持つのは、ある人の症状を別の人と比べることではありません。多くの研究が焦点を当てているのはそこです。そうではなく、不安症やうつ病の人の感情をどう変化させるかに最も関心があります。つまり、特定の個人の感情体験を、時間の経過やさまざまな状況の中でどう変えるかを理解したいのです」と、気分障害や不安障害における感情と情動の専門家であるゲイニーは語る。

「それを直接把握する唯一の方法は、こうしたプロセスが起きている最中に、個人の中で繰り返し測定することです。」

ゲイニーは、何らかの心理的治療をすでに求めていた135人を対象に、ベースライン評価を実施した。

10週間にわたり、参加者には1日3回、感情や症状について尋ねる調査がスマートフォンに届いた。参加者は調査が届いてから20分以内に回答した。

「それによって、各人の症状と情動(感情の一部をなす客観的な感情状態と定義)の変動や推移を十分に把握できるだけの報告が集まりました」とゲイニーは述べる。

スマートフォンを使えば、長期間の感情を要約する実験室で配布される質問票では捉えられない、瞬間性を映し出せる。

「数日、数週間前にどう感じていたかを、いつも正確に思い出せるとは限りません。特につらい日もあれば、すごく気分のよい日もあった場合はそうです」と彼女は言う。「それを一つの指標にまとめるのは簡単ではありません。」

不安症とうつ病はそれぞれ異なる疾患だが、一人の患者に併存することも多い。どちらの疾患にも、恐怖、悲しみ、怒りなどの否定的な感情が強く見られる。高揚感や興味など、肯定的な感情が乏しいことは、うつ病に特有である。

ゲイニーによると、幸せや悲しみを感じるといった特定の情動状態が、その後まもなく経験する症状に関係する可能性があるのは意外ではない。研究者があまり把握できていないのは、そうした情動がどれほど持続する傾向にあるか、また数時間後あるいは数日後にどの特定の症状につながるかだ。

「この研究から、一部の情動は短期間で消えることが分かりました。一方、うつ病の場合、参加者がその時点でどれほど落ち込んでいたかを考慮しても、否定的な情動が強いと、24時間後のうつ症状の増加を依然として予測できました」とゲイニーは述べる。

これは、臨床家が人々の肯定的および否定的な情動をリアルタイムで追跡し、リスクの高まりを示す推移を図示できる可能性を示唆している。

「症状の増加につながる具体的なリスク要因をリアルタイムで特定できれば、スマートフォンを使って役立つ対処法を提案したり、その人のメンタルヘルスケア担当者に知らせたりすることもできます」と彼女は言う。

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