職場における従業員のウェルビーイング計画が、これまで以上に重要な理由

A well-being plan is vital to the health and happiness of the workforce.
A well-being plan is vital to the health and happiness of the workforce.Image: Unsplash/sol
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  • ニュージーランドの職場を対象とした最近の調査で、3分の1を超える職場にウェルビーイング計画がないことが明らかになりました。

  • 環境やマネジメントなどの心理社会的要因は従業員のメンタルヘルスに影響するため、積極的な職場のウェルビーイング戦略が不可欠だと研究者らは述べています。

  • WHOによる3つの提言は、組織的な介入、メンタルヘルス研修、従業員を対象とした介入です。

  • 仕事のあり方がますますハイブリッド化するなか、包括的な計画は、仕事と仕事以外の両方において健全な環境を整える助けとなります。

ニュージーランドの職場を対象とした最近の調査では、3分の1を超える職場に職場のウェルビーイング計画がないことが明らかになりました。しかし、健全な職場環境とはどのようなものかを理解し、従業員に提供することは、かつてないほど必要になっています。

2015年職場の健康・安全法は、職場に対し、従業員の身体的・精神的な健康とウェルビーイングを守るよう求めています。つまり、健康と安全の観点から仕事を捉え、職場で人々のウェルビーイングに影響を及ぼすリスクを理解する必要があります。

多くの組織にとって、この法律は未知の領域へ踏み出すきっかけとなりました。組織との協働を通じた私たちの経験では、当然ながら、当初はストレスや精神疾患が生じた後の対処に多くの取り組みが集中していました。

しかし、エビデンスは、心理的な害が生じるのを未然に防ぐ積極的な戦略が重要であることを明確に示しています。崖下に救急車を配置するだけでなく、崖の上に柵を設けることも必要なのです。

近年、職場での燃え尽き症候群の問題が、とりわけ医療分野で働く人々との関連で大きく取り上げられてきました。しかし、それだけではありません。明確なエビデンスは、仕事の設計、組織体制やマネジメントのあり方に加え、従業員を取り巻く社会的・環境的状況が、労働者の心理的・身体的健康に大きな役割を果たすことを示しています。

こうした心理社会的要因を、職場のウェルビーイング計画の重点とすべきです。対処を怠れば、従業員のメンタルヘルスの問題に直接つながり、うつ病などを引き起こす可能性があります。

ウェルビーイング計画に関する提言

世界保健機関(WHO)の最近のメンタルヘルスに関する報告書は、職場での精神的不調を防ぐため、次の3つの重要な提言を挙げています。

1. 心理社会的リスクを特定し、除去または軽減するための組織的介入

2. 健全な職場慣行と健康な従業員を見極め、支援するための管理職向けメンタルヘルス研修

3. 従業員の個人的な対処能力を高めるための介入。

これまで、多くの職場は最後の提言に重点を置いてきました。しかし、個人の対処能力を高めることだけに焦点を当てると、本人に責任を負わせ、より広範な環境要因の影響を覆い隠しかねません。

組織との協働を通じた私たちの経験からは、組織全体ではなく個人だけを対象とする介入は、過大な業務量や対処しきれない締め切りに対応するだけの「十分なレジリエンス」がない場合、その責任は従業員にあるというメッセージを暗に伝えてしまうことがうかがえます。

リモートで働く人の意欲低下の兆候に気づけるよう管理職を訓練することは、新たに加わった要素ですが、多くのウェルビーイング計画で強く求められています。Image: Unsplash/Eric Wang

個人に焦点を当てた介入は、従業員から冷ややかに受け止められたり、賛同を得られなかったりすることもあります。

管理職や職場のリーダーからのフィードバックによると、これまで多くの人が、暗黙のうちに、またその場に応じて従業員のウェルビーイングを見守ってきました(例えば、チームメンバーがうつむいていたり、動揺していたりすることに気づくなど)。しかし、多くの職場で、従業員が一部在宅で働くハイブリッド型へ移行するなか、こうした方法はもはや効果的でない可能性があります。

リモートで働く人の意欲低下の兆候に気づけるよう管理職を訓練することは、新たに加わった要素ですが、多くのウェルビーイング計画で強く求められています。

従業員の個人的な事情を考慮する

こうした提言を実施するにあたり、組織が心に留めておくべき点がいくつかあります。

まず、従業員に何がストレスの原因になっているのかを尋ねることが重要です。その情報を計画の土台にしましょう。憶測や、従業員の考えを知っているという思い込みに頼るのではなく、この目的のために特別に開発された調査や評価方法を用いることが不可欠です。そうすれば、ウェルビーイングの変化を時系列で把握できます。

次に、ウェルビーイング計画の設計に従業員を参加させることで、賛同を得やすくなり、介入策の利用も進むでしょう。

第三に、雇用主は仕事に関する要因と仕事以外の要因の両方を考慮する必要があります。仕事に関する要因には、いじめ、過重な業務量、トラウマを伴う情報への接触など、明らかなものもあれば、職場での裁量の程度や、変化について意見を求められるかどうかなど、目立ちにくくても重要なものもあります。仕事以外の要因には、経済的なストレスや、子育てまたは人間関係の悩みなどが含まれることがあります。

多くの職場で、従業員が一部在宅で働くハイブリッド型への移行が進むなか、人々のウェルビーイングにはほかの要因も影響します。Image: Unsplash/charlesdeluvio

従業員の私生活の一部を職場が支援するという考えに、抵抗を感じる組織もあるかもしれません。しかし、それも従業員のウェルビーイングに貢献するうえで重要な要素となり得ます。

優れたウェルビーイング計画は、リスクを低減するだけでなく、職場の良い側面を伸ばします。従業員がその職場で働きたいと思う理由となる要素、例えば快適なオフィス環境、感謝を伝える文化、仕事に伴う「福利厚生」などです。

職場における心理的ウェルビーイングは、多くの組織にとって今なお比較的新しい領域です。手軽に成果が得られそうな策として、従業員に追加のツールを提供するだけで済ませたくなるかもしれません。心理社会的要因に対処する包括的なウェルビーイング計画は、介入策を広げ、「治療より予防が大切」という古くからの格言を実証する助けとなります。

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