パンデミックがもたらした前例のない激動から2年が経ち、世論調査会社イプソスが、私たちが学んだ重要な点をいくつか示している。
メンタルヘルスが注目されるようになり、今では身体の健康とより対等に捉えられている。
パンデミックは、年齢、性別、民族、地域による既存の不平等や格差を深刻化させた。
パンデミックは出生率を変化させ、多くの人が子どもを持つ時期を遅らせ、人口減少を加速させた可能性がある。
政府に対する人々の信頼は高まったようだ。
2020年に世界中に広がり、今も課題や影響をもたらしている混乱から、何を学べるだろうか。
2年余り前、世界保健機関(WHO)は、新型コロナウイルス感染症はパンデミックであると宣言し、各国に緊急かつ断固とした対応を求めた。その後の激変は、すぐに現れた影響と長期に及ぶ影響の両方をもたらした。イプソスの調査は、私たちの生活が永続的に変わった可能性を示している。
「パンデミックをめぐって、今は転換点に差しかかっているように感じます」と、イプソスの最高経営責任者(CEO)ベン・ペイジ氏は報告書に記している。「今は立ち止まり、この期間に何を学んだのかを考えるよい機会です。この一連の経験から、個人、経済、社会について何が言えるでしょうか。」
報告書では、メンタルヘルス、不平等、家族計画など、さまざまなテーマを取り上げている。主な項目を4つ紹介する。
1. メンタルヘルスに注目
新型コロナウイルス感染症は、さまざまな課題をもたらした。たとえば、極度の孤立が挙げられる。世界各地で職場や学校が閉鎖されたほか、対面で会える人がほとんどいないまま自宅にとどまる状況が生じた。ストレスや不安、孤独感が増した人も多い。30カ国で行われた調査では、平均して79%の人が、今では心の健康と身体の健康を同じくらい重要だと考えている。
「パンデミックは身体の健康を脅かしただけでなく、心の健康にも深刻な影響を及ぼしました」と報告書は述べている。「多くの人が、自身の健康状態が悪化し、初めてメンタルヘルスの課題を経験していると話しています。」
それでも、自国の医療制度が心の健康と身体の健康を同等に重視していると答えた人は、わずか3分の1だった。医療制度が実態に追いつくには、まだ道のりがあることを示唆している。
「影響の全容や長期的な意味が明らかになるには、まだ時間がかかるでしょう。それでも、メンタルヘルスサービスへの投資は、医療費全体のごく一部にとどまっています」と報告書は述べる。「新たに生じる健康上のニーズに社会が十分対応するには、この配分を見直す必要があるかもしれません。」
2. 広がる不平等
パンデミックが始まる前から不平等は広く懸念されていたが、新型コロナウイルス感染症によって、性別、年齢、所得に沿った格差が深刻化したと感じる人は多い。
イプソスの調査によると、2020年7月、英国のミレニアル世代(25~40歳)の37%が、自分たちの世代は親世代より暮らし向きが悪くなると答えた。同時に、若い米国人では、退職する頃に年金制度の資金が残っていると答えた人はわずか37%だった。
イプソスの調査によると、富裕層はパンデミック中も支出を続けることができ、多くの場合、支出額はむしろ増えていた。高級品の購入は前年と比べて2021年に増加した。
パンデミックは「既存の不平等を深刻化させ、年齢、性別、民族、地域による格差を広げました」と報告書は述べる。「こうした格差が、今日ほど目に見える形になったことはなかったかもしれません。」
3. 人口減少
イプソスによると、人口減少のペースは現在、加速している。
「先行きの不透明さから子どもを持つ時期を遅らせる人が多く、以前から続く人口減少が加速しています」と報告書は述べる。「この『人のいない地球』というシナリオは2050年までに現実になると予想していましたが、今ではもっと早く訪れるかもしれません。」
国連の出生率データによると、世界で人口が最も多い国々では、1960年以降、出生率が半分を超える幅で低下した。その10カ国のうち8カ国では、すでに人口置換水準の2.1以下となっている。
4. 人々の信頼
パンデミックがもたらした予想外の影響の一つは、おそらく政府に対する人々の信頼が高まったことだ。
それでも、信頼できる職業のランキングでは、政府関係者の順位は依然として低かった。医師、科学者、教師が信頼度の上位を占める一方、政治家、閣僚、企業幹部、銀行家は最下位だった。
この4つのテーマは過去2年間に起きた変化の一端を示しているが、イプソスは、地政学的緊張が高まり、経済の先行きも不透明ななか、将来については依然として不確かなことが多いと指摘する。
「私たちには分からないことがたくさんあります」とイプソスは述べる。「あまりにも多くの予測をしようとするのは愚かなことでしょう。」



