新たな報告書によると、インターネットへのアクセスは一貫して良好なウェルビーイングと関連していた。
しかし、インターネットへのアクセスと良好なウェルビーイングとの関連は、若い女性では弱かった。
世界経済フォーラムのヘルシー・ワークフォーシズ・イニシアチブは、若者のメンタルヘルスの悪化を改善するための戦略を推進している。
オンラインで過ごす時間は健康に悪い、そう思いませんか。これは確かに広く見られる考え方です。
机に向かってウェブを閲覧したり、スマートフォンをスクロールしたりすることで、屋外での運動や人との交流など、より健康的で有意義と考えられる活動から離れてしまうことがあります。そのため、ウェルビーイングの低下と結び付けて考えられがちです。しかし、それは正しいのでしょうか。
新たな世界規模の研究が、意外な答えを示しました。インターネットは健康に良い可能性があります。
ウェルビーイングの指標
オックスフォード大学の研究者らは、2006年から2021年にかけて168か国の200万人を超える人々の心理的ウェルビーイングに関するデータを調査した。
研究者らは、15歳から99歳までの対象者について、生活満足度、日々の肯定的・否定的な経験、身体的ウェルビーイングなど、ウェルビーイングを示す8つの指標を調べた。
その結果、インターネットへのアクセスは一貫して良好なウェルビーイングと関連していた。
正の相関
研究者らは、ギャラップ世界世論調査から得たデータに統計モデリング手法を適用し、ウェルビーイング指標を用いて、インターネットの普及とウェルビーイングの結果との関連を検証した。
「分析に用いた数千のモデルの大半で、ウェルビーイングとインターネット利用に正の相関が見られたことに驚きました」と、報告書の著者の一人は述べた。
著者らによると、この分野の研究はグローバル・ノースに焦点を当てることが多いため、テクノロジーが研究の少ない地域のウェルビーイングとどう関係するかを評価したいと考えたという。そこで、インターネットへのアクセスと利用が、人生の各段階を通じた世界規模の心理的ウェルビーイングをどの程度予測するかを評価することにした。
性別による違い
ただし、研究全体では肯定的な結果が得られたものの、インターネットへのアクセスと良好なウェルビーイングとの関連は、若い女性では弱かった。
インターネット接続とウェルビーイングの関連の84.9%が肯定的だった一方、ほぼ5%は否定的で、そうした関連は15歳から24歳の女性で最も多く見られた。
研究者らは、これは因果関係を示すものではないと認めつつ、この結果は、以前の報告にあるネットいじめの増加や、若い女性におけるソーシャルメディア利用と抑うつ症状とのより強い負の関連と一致していると述べている。
複雑な問題
多くの研究で、ソーシャルメディアの利用は抑うつ症状の増加と関連しており、とりわけ若い女性でその傾向が見られる。
研究のシステマティックレビューでは、このテーマについて「ソーシャルメディアの利用が多いほどメンタルヘルスの結果が悪化すること、また利用頻度が高いほど、思春期の若者、とりわけ女子において、内在化および外在化の問題のリスクが高まること」が示された。
同じ報告書はまた、ソーシャルメディアがメンタルヘルスに及ぼす影響は複雑であり、「行動ごとに異なる目的があり、利用の仕方の違いによって異なる結果が生じる」と指摘した。
結局のところ、ソーシャルメディアの利用は若者の健康に利益とリスクの両方をもたらすと、同報告書は述べている。
テクノロジーとメンタルヘルス
メンタルヘルスの課題は、障害の主な原因であり、若者の人生に悪影響をもたらす主な要因でもある。テクノロジーとメンタルヘルスの関係について、さらなる研究を求める声が上がっている。
世界経済フォーラムのヘルシー・ワークフォーシズ・イニシアチブは、若者のメンタルヘルス悪化がもたらす影響を特定し、その改善に向けた戦略を推進している。世界各地で若者の幸福度が低下しているとの報告があり、社会、経済、テクノロジー、環境の各方面からの圧力が重なっていることを背景に、この取り組みはますます差し迫った課題となる。
オックスフォード大学の報告書の著者の一人は、次のように述べている。「今回の調査結果が、スクリーンタイムをめぐる議論により広い文脈をもたらすことを願っています。ただし、この重要な分野では、さらなる研究が必要です。」



