ファイザーの抗ウイルス薬はどのような薬で、新型コロナを治せるのか?

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  • EUはファイザーの経口新型コロナ治療薬を、新型コロナによる入院や死亡を防ぐ目的で使用することを承認した。

  • これは、開発中の数多くの新型コロナ治療薬の一つにすぎない。

  • メルクの経口抗ウイルス薬モルヌピラビルは、世界で初めて承認された新型コロナ治療薬となった。

  • しかし、その有効性や、変異株を生み出す可能性については疑問が残る。

新型コロナの最初の感染例が報告されてから2年、初のワクチンが接種されてから1年がたち、自宅で服用できる抗ウイルス薬によって、パンデミック終息への新たな希望が見えてきた。

製薬会社ファイザーが最近発表した新型コロナの抗ウイルス薬は、パクスロビドとして販売される予定で、期待できる結果を示した。高リスク患者の入院を防ぐ有効性は、ほぼ90%に達し、死亡も防いだ。

新型コロナの抗ウイルス薬

「非常に心強い結果です」と、ハーバード大学医学部教授のポール・サックス氏はロイターに語った。

ロイターによると、検査室でのデータからは、この薬が急速に広がるオミクロン株に対しても効果を保つことが示唆された。

これまでの新型コロナ抗ウイルス治療薬は病院で点滴投与する必要があったが、新しい抗ウイルス薬は、自宅で服用できるため、治療の「ゲームチェンジャー」になると期待されている。

では、ほかにどのような抗ウイルス薬が開発されているのか。どのように作用し、誰が使えるのか。また、新型コロナに対してどの程度効果があるのだろうか?

パクスロビド

EUは、ファイザーの新型コロナ抗ウイルス薬の使用を承認した。対象は重症化した患者で、診断後できるだけ早く、または症状が出始めてから5日以内に服用する。ただし、患者が酸素補給を必要とする場合は使用できないと、ロイターは報じている。

医薬品規制当局である欧州医薬品庁はこのように勧告したが、同薬はまだ規制上の承認に向けた審査を完了していない。

パクスロビドは、SARS-CoV-2ウイルスのプロテアーゼを阻害することで作用する。プロテアーゼは、ウイルスが複製するために、長いウイルスポリタンパク質を小さな断片に切り分ける酵素である。

ファイザーは、米国食品医薬品局(FDA)が近く高リスク患者へのパクスロビド使用を承認すると見込んでおり、英国および「世界の主要な規制当局のほとんど」と協議中だと、ファイザーの最高科学責任者ミカエル・ドルステン氏はロイターに語った。

新型コロナの抗ウイルス薬や、ほかの治療法の可能性を探る。Image: Statista

11月、ファイザーは中間結果を発表し、1,200人を対象とした試験で、この治療薬が入院や死亡を防ぐ有効性は約89%だったと示した。最新の結果には、さらに1,000人分のデータが含まれた。

この新型コロナ治療薬は、症状が最初に現れて間もなく服用を始め、古くから使われている抗ウイルス薬リトナビルとともに、5日間、12時間ごとに服用する。

経口薬を投与された人に死亡者はいなかったが、プラセボ薬を投与された人のうち12人が死亡した。

「驚くべき結果です」とドルステン氏は述べた。「救われる命や防げる入院が膨大な数にのぼるということです。そしてもちろん、感染後すぐに投与できれば、感染拡大を大幅に抑えられる可能性があります」

ファイザーは今年、18万回分の治療コースを用意し、2022年には少なくともさらに8,000万回分を製造する計画だ。また、国際的な公衆衛生団体「医薬品特許プール」とのライセンス契約を通じて、ほかの製造業者が95の低・中所得国に新型コロナ治療薬の後発品を供給することにも合意した。ただし、後発医薬品メーカーが製造を開始するのは、2022年もかなり先になる可能性がある。

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ラゲブリオ(モルヌピラビル)

2021年11月4日、メルクの経口抗ウイルス薬は、世界で初めて承認された新型コロナ治療薬となった。英国医薬品・医療製品規制庁は、重症化リスクの高い軽症から中等症の新型コロナ患者について、「入院や死亡のリスクを低減するうえで安全かつ有効」と判断した。

「今日はわが国にとって歴史的な日です。英国は今、自宅で服用できる新型コロナ治療薬を承認した世界初の国となりました」と、英国のサジド・ジャビド保健・社会福祉相は述べた。

「これは、最も脆弱な人々や免疫抑制状態にある人々にとって、状況を大きく変える治療となるでしょう。画期的な治療を間もなく受けられるようになります」

しかしその後、2回目の結果では有効性に大きな差が示され、当初の50%から30%に低下した。

最初の試験は5月から8月に実施され、762人に1回4錠を1日2回、5日間投与した。2回目の試験は8月から10月に行われ、646人が同じ治療を受けた。どちらの試験でも、症状が出始めてから5日以内に治療を開始した。

最初のグループでは、プラセボ群と比べて入院または死亡の可能性が半減した一方、2番目のグループでは、モルヌピラビルを服用した患者とプラセボ薬を服用した患者の転帰にほとんど差がなかった。

11月30日、メルクの臨床研究担当上級副社長ニコラス・カートソニス氏は、FDA諮問委員会に対し、結果に差が生じた理由を同社は説明できないと述べた。

ラゲブリオとして販売される予定のモルヌピラビルは、複製に必要なRNA鎖の重要な分子の一つを装い、ウイルスが自らを複製する際に遺伝子の誤りを起こさせ、機能できなくなるほどの損傷を与える。

しかし、一部の科学者はメルクの薬について、先天異常を引き起こす可能性を含む安全性への懸念を示している。また、ウイルスを変異させる可能性も懸念されていると、ロイターは報じている。

開発中のその他の新型コロナ抗ウイルス薬

ほかにも、切実に必要とされている開発中の抗ウイルス薬があると、バージニア大学感染症学助教のパトリック・ジャクソン氏は述べる。

PharmaIntelligenceによると、12月16日時点で約1,400種類の新型コロナ治療薬とワクチンが開発中で、そのうち17種類が登録されていた。

開発中のものには、初の新型コロナ治療薬レムデシビルの経口薬や、長時間作用型の注射用モノクローナル抗体がある。

ジャクソン氏はこう述べる。「研究者たちは既存薬を新型コロナの治療に転用する研究も進めています。ブデソニドなどの吸入ステロイド薬や、フルボキサミンという抗うつ薬は、特に有望です」

これらの治療法がどれほどの影響をもたらすのか、そしてパンデミックの終息に役立つのかは、時がたてば明らかになる。

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