米国の作業部会、8歳以上の子どもに不安症のスクリーニングを推奨

The US Preventative Services Task Force recommends screening for anxiety in children and adolescents from the ages of 8-18.
The US Preventative Services Task Force recommends screening for anxiety in children and adolescents from the ages of 8-18.Image: UNSPLASH/Annie Spratt
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  • 米国予防医療専門委員会は、8~18歳の子どもや青年を対象に不安症のスクリーニングを推奨する声明を発表した。

  • 慢性的な精神疾患の約80%は小児期に発症し、調査によると、子どもや青年の10~21%が不安症と診断されている。

  • 成人期まで続く精神疾患は公衆衛生制度に大きな費用をもたらす。早期介入は予防につながり、費用対効果も高い。

  • 研究によると、学校は全児童を対象とするスクリーニング、全校規模の予防プログラム、エビデンスに基づく治療の選択肢を含む体制を整える必要がある。

米国予防医療専門委員会は、声明案を2022年4月に発表し、8歳から18歳の子どもや青年の不安症スクリーニングを推奨した。この勧告は現在もパブリックコメントを受け付けているが、子どものメンタルヘルスに対する新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響を踏まえると、時宜を得たものだ。『The Conversation』は、子どもや青年の不安症を研究するスクールサイコロジストのエラナ・バーンスタイン氏に、作業部会の新たな勧告案と、それが子ども、保護者、支援者にとって何を意味するのかを解説してもらった。

1. 作業部会が幼い子どもにも不安症のスクリーニングを推奨するのはなぜか。

慢性的な精神疾患の約80%は小児期に発症する。そして、実際に支援を求める頃には、問題の発生から何年も経っていることが多い。一般に、精神疾患のスクリーニングを推奨する根拠となる研究は、若者は通常、自ら助けを求めないこと、また保護者や教師が問題を正確に見極めたり、対応方法を把握したりするのに必ずしも習熟していないことを示している。

不安症は、子どもや青年に影響を及ぼすメンタルヘルス上の問題のうち、最も一般的なものだ。疫学研究では、子どもの7.1%が不安症と診断されていることが示されている。しかし、子どもや青年の10~21%が不安症に悩まされており、さらに子どもの30%が人生のある時点で、日常生活に支障をきたす中程度の不安を経験すると推定する研究もある。

つまり、正式な診断を受けていなくても、多くの子どもが日常生活に支障をきたすほどの不安を経験している。また、小児期の不安症の治療については、確立されたエビデンスがある。

早期発見とエビデンスに基づく治療を組み合わせ、慢性化して生涯続く可能性のある精神疾患を予防できることは、作業部会の勧告の根拠となった。子どもの不安症を治療せずに放置すると、公衆衛生制度の負担がさらに増す。そのため費用対効果の観点から、子どもの不安症をスクリーニングし、予防的治療を提供することには十分な利点がある。一方、作業部会が指摘したように、害はごくわずかだ。

8歳という幼い年齢からのスクリーニングを推奨する作業部会の勧告は、研究文献に基づいている。不安症は小学校の時期に初めて現れる可能性が最も高い。また、不安症の典型的な発症年齢は、小児期のメンタルヘルス診断の中でも最も早い部類に入る。

不安症は成人期まで続くことがあり、特に発症が早いものや未治療のものはその傾向が強い。小児期に不安を経験した人は、成人後も不安に悩まされやすく、さらに、うつ病など他の精神疾患を抱えたり、全般的な生活の質が低下したりする可能性も高い。

2. 支援者は幼い子どもの不安症をどのように見極められるか。

幸いなことに、この30年間で、不安症を含むメンタルヘルスのスクリーニングツールは大きく進歩した。子どもや青年の不安症を見極めるエビデンスに基づく方法では、子ども、保護者、教師など複数の視点から情報を集め、学校、家庭、地域社会での子どもの様子を包括的に把握する。

不安症は「内在化特性」と呼ばれるもので、症状が周囲の人から見えないことがある。そのため正確な把握は難しくなるが、もちろん不可能ではない。したがって心理士は、年齢や発達段階に応じて可能な限り、スクリーニングに子ども本人を参加させることを勧めている。

一般に、学校に行くのを拒んだり、社交的な場面を避けたりするなど、子どもの症状が行動として現れている場合は、不安症を正確に見極めやすい。作業部会はプライマリケアの場でのスクリーニングを推奨したが、研究文献は、子どもの不安症を含む精神的な問題について、学校内でのスクリーニングも支持している。

実際に精神的な問題の治療を受けている若者のうち、ほぼ3分の2は学校で支援を受けているため、学校を拠点としたスクリーニングは理にかなった方法だ。

3. スクリーニングはどのように実施されるのか。

すべての子どもを対象とする普遍的スクリーニングは、リスクのある若者を見つけるための予防的な取り組みだ。対象には、さらなる診断評価が必要な子どもや、早期介入の恩恵を受ける子どもが含まれる。

いずれの場合も、症状を軽減し、生涯続く慢性的な精神疾患を防ぐことが目的だ。ただし、スクリーニングは診断と同じではない点に注意が必要である。診断評価はより詳細で費用もかかる一方、スクリーニングは短時間で効率よく、費用対効果の高い方法として行われる。プライマリケアの場での不安症スクリーニングでは、子どもや保護者が短い質問票に記入する場合がある。これは、小児科医が子どもを対象に頻繁に行う、注意欠如・多動症(ADHD)のスクリーニングと似ている。

作業部会は、スクリーニングに用いる単一の方法やツール、また実施間隔を推奨していない。その代わり、複数のツールを挙げており、たとえば小児不安関連情緒障害スクリーニング(SCARED)や小児症状チェックリストがある。これらは、子どもの不安症に関する質問を含め、全般的な情緒面や行動面の健康状態を評価する。どちらも無料で利用できる。

4. 子どもの不安症をスクリーニングする際、支援者は何を確認するのか。

子どもの症状は、不安症の種類によって異なる。たとえば、社交不安症では社会的な状況に対する恐怖や不安が生じる一方、特定の恐怖症では嘔吐や雷雨など特定の刺激を恐れる。しかし、多くの不安症には共通する症状があり、子どもは通常、ひとつの分類にきれいに当てはまるわけではない。

子どもの不安症について、心理士は一般的にいくつかの共通したパターンを観察する。たとえば、「数学のテストに落ちる」「みんなに笑われる」といった否定的な自己対話や、かんしゃくの増加、怒り、批判への敏感さなど、感情を調整する難しさがある。ほかには、活動への参加や他者との交流をためらったり拒んだりするなど、行動面での回避もよく見られる。

不安症は、根本的な生理学的原因がない身体症状として現れることもある。たとえば、子どもが腹痛や頭痛、全般的な体調不良を訴える場合がある。実際、研究によると、小児医療の場で不安を抱える若者を見つけるには、単に医学的に説明できない身体症状のある子どもを特定するだけでよい場合もある。

スクリーニングで見極めようとしているのは、症状の程度とその影響である。言い換えれば、症状が子どもの日常生活にどの程度支障をきたしているかだ。子どもが不安を感じるのは正常なことであり、実際、必要で役に立つ場合もある。

5. 不安を抱える子どもを支援するために、どのような推奨事項があるか。

効果的なスクリーニングの鍵は、エビデンスに基づくケアにつなげることだ。明確に研究によって支持されている方法のひとつは、全児童を対象とするスクリーニング、全校規模の予防プログラム、エビデンスに基づく治療の選択肢を含む継続的なケア体制を学校が整えることだ。

幸い、症状を軽減し、不安を抱える若者が対処し、よりよく生活できるよう効果的に介入する方法を示す質の高い研究が、何十年にもわたって蓄積されている。認知行動療法など、医学的介入と非医学的介入の両方があり、認知行動療法は研究で安全かつ効果的であることが示されている。

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