「ポリクライシス」の中、世界的な合意への道のりは険しいとWTO事務局長が警告

The sign on the World Trade Organization headquarters, Geneva, Switzerland
The World Trade Organization itself is having to adapt to the demands of turbulent times.Image: REUTERS/Denis Balibouse
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  • 世界貿易機関(WTO)の事務局長、ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏は、そこに至る道のりは険しいものの、閣僚会議で世界的な合意が成立することに期待を示した。

  • 新型コロナウイルス感染症、ウクライナ戦争、世界的なエネルギー・食料危機という「ポリクライシス」が、会議の議事運営に影響を及ぼす。

  • 議題には、新型コロナワクチンへのアクセス拡大、食料安全保障への対応、WTO自体の改革などが含まれる可能性がある。

世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は、スイス・ジュネーブで開催される閣僚会議(MC12)を前に記者会見に臨んだ。Image: ロイター/デニス・バリブース

世界貿易機関(WTO)のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ事務局長は、2022年6月にジュネーブに集まる100人を超える貿易相らが世界的な合意を1件か2件達成することに慎重ながらも期待を示した。一方、そこに至る道のりは険しく、曲折に富むと警告した。

ナイジェリア出身の事務局長は、WTOの前回の閣僚会議から約5年が経ち、世界は変わったと述べた。続きを読む

「良い方向に変わったと言えればよかったのですが。確実に、より複雑になりました」と、同氏は2022年6月12~15日の会合を前にした記者会見で述べ、新型コロナウイルス感染症のパンデミック、ウクライナ戦争、大規模な食料・エネルギー危機を「ポリクライシス」の構成要素として挙げた。

「ポリクライシス」とは何か、そしてそこから抜け出すにはどうすればよいのか?
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WTO加盟164カ国の間の分断を示す出来事として、ロシアのウラジーミル・イリイチェフ副大臣が発言に立つと、約30~40カ国が退席した。

これに先立ち、欧州連合(EU)とほかのWTO加盟29カ国の貿易相らはウクライナと会談し、連帯と支援を表明するとともに、食料供給の問題を緩和したいとの意向を示した。

開会時に閣僚らに向けて演説したWTO事務局長は、「WTOが期待に応えられることを世界に示す」よう促し、漁業補助金の削減、新型コロナワクチンへのアクセス拡大、食料安全保障への対応、WTO自体の改革に向けた道筋づくりなどの課題で合意を実現するよう求めた。

「残る決定事項をまとめ、ゴールラインを越えるには政治的意思が必要です。皆さんにはその意思があると分かっています」と同氏は述べた。

しかし、同氏は容易ではないと警告した。

「はっきり申し上げます。合意を1件か2件成立させるだけでも、簡単な道のりではありません。道は険しく、曲折に富むでしょう。途中に地雷があるかもしれません」とオコンジョ=イウェアラ氏は述べ、会合が1件か2件の合意に至って終わることに「慎重ながらも期待している」と付け加えた。

同氏はまた、妥協が完璧なものになることはないと認識するよう閣僚らに注意を促した。WTOの加盟164カ国は全会一致で決定を下すため、1カ国でも進展を阻むことができ、交渉には何年もかかることが多い。

設立から27年のWTO自体も苦境にある。ドナルド・トランプ前米大統領は2年以上前、紛争を裁定するWTO上級委員会の機能を麻痺させた。また、WTO加盟国がこれまでに合意した世界的な協定は、2013年の煩雑な手続きを減らす貿易円滑化協定の1件だけだ。

世界的な課題の深刻さを示すように、開会会合は「多角的貿易体制が直面する課題」をテーマに行われた。

週末、運河沿いにあるWTO本部の近くに市民団体が集まり、資本主義を非難する団体もあれば、「ワクチン・アパルトヘイト」の終結を求める団体もあった。ロイターが確認した電子メールによると、治安上の理由から全団体がWTO本部への立ち入りを禁じられた。

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