世界貿易の現状は?ダボス2018から見る

Does Trump want a trade war? Is NAFTA dead? How do you say CPTPP in Japanese?Image: World Economic Forum / Valeriano Di Domenico
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今週、ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会で、各国首脳は自由貿易と国際協力を擁護した。ナレンドラ・モディ、テリーザ・メイ、エマニュエル・マクロン、アンゲラ・メルケル、ジャスティン・トルドー各氏は演説で、それぞれの国が「ビジネスに開かれている」と表明した。

ダボス会議最終日の特別演説で、ドナルド・トランプ米大統領は「米国第一」を常に推進すると述べ、他の世界の指導者にも自国について同様の姿勢を期待するとした。その一方で、こう付け加えた。「米国第一は、米国だけを意味するのではない。米国が成長すれば、世界も成長する。」

米国、「不公正な貿易」を標的に

トランプ氏はダボスの聴衆に、ワシントンは不公正な貿易をもはや容認しないと述べ、略奪的な慣行がシステム全体を損なっていると指摘した。

「米国は、大規模な知的財産の窃盗、産業補助金、広範に及ぶ国家主導の経済計画など、不公正な経済慣行をもはや見過ごさない。これらをはじめとする略奪的な行為は世界市場をゆがめ、企業や労働者に損害を与えている。」

貿易戦争を始めようとしているのは誰か

北米が輸入洗濯機と太陽光パネルに関税を課す決定をしたことで、今週のダボス会議では懸念が広がった。とりわけ、世界最大の経済大国との貿易に利害を持つ中国に関して懸念が高まった。

この措置が貿易戦争を招くことを懸念していないかと問われ、ウィルバー・ロス米商務長官はこう答えた。「貿易戦争は常にあった。今の違いは、米軍がいまや城壁の前まで来ていることだ。」

誰もが好戦的だったわけではない。別のインタビューで、中国のオンライン小売大手アリババのトップ、ジャック・マー氏は、貿易を武器として使わないよう強く訴えた。「貿易戦争を始めるのはとても簡単だ。しかし、この戦争の惨禍を食い止めるのはとても難しい。」

同氏は恐れと懸念を感じていると述べ、こう付け加えた。「相手国に制裁を科すと、中小企業や若者にも制裁を科すことになる。爆撃をするのと同じように、彼らは命を奪われることになる。」

「貿易が止まれば、戦争が始まる」と同氏は述べた。

法人税減税と「底辺への競争」

先月、トランプ氏が法人税率の引き下げを決めたことには、ダボス会議の参加者の間でなお賛否両論があった。フランスのエマニュエル・マクロン大統領からノーベル賞受賞経済学者のジョセフ・スティグリッツ氏まで、多くの著名人が減税と規制をめぐる「底辺への競争」に強い警鐘を鳴らした。

一方、国際通貨基金(IMF)は次のように発表した。トランプ氏の減税は世界経済の成長を押し上げる――ただし、効果は短期に限られる。

パラダイス文書をめぐるパネル討論で、スティグリッツ氏は金融の透明性が欠如していると厳しく批判した。海外での脱税をめぐるスキャンダルが2件あったにもかかわらず、制度は「壊れたまま」だと述べた。また、米国が不在のなか、欧州が主導して企業に15~20%の世界最低税率を課すよう求めた。「大ざっぱな正義ではあるが、今日の正義のなさよりはましだ。」

法人税の優遇措置をめぐる底辺への競争について語るスティグリッツ氏:

TPPに別れを告げ、CPTPPを歓迎

ジャスティン・トルドー氏は水曜日、ダボスでの演説を国際貿易協定の意義を強調する話から始めた。

「本日、カナダと環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の残る10カ国は、東京で新たな『包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定』(CPTPP)についての協議を妥結したことを、ここに発表できるのをうれしく思います。

これは、米国のトランプ大統領がTPPからの離脱を望むと表明してから1年後のことだ。TPPはCPTPPに先立つ協定だった。

この協定は知的財産、文化、自動車分野において、より進歩的でカナダの労働者にとって有利なものになると説明し、トルドー氏はこう述べた。

「本日東京で合意に至った内容は、適切な協定です。私たちの政府はカナダの利益を守り、この協定は、今日そして将来の世代にわたり、成長と繁栄、そして中間層にとって賃金の良い雇用を創出し、維持するという目標にかなっています。」

NAFTAは終わったのか

トランプ氏がNAFTAを好んでいないことは周知の事実だ。CNBCのインタビューで、北米、カナダ、メキシコ間の協定を「ひどい協定」と呼び、厳しい言葉を浴びせた。

しかし、スイスのダボスでは雰囲気が違った。「この会場で、NAFTAは終わったと思う人はいますか」と貿易に関するパネル討論の登壇者が聴衆に尋ねた。そう思う人はほとんどいなかった。

多くの人にとって、この3カ国の貿易圏は、少し手直しが必要なだけだった。

メキシコ経済省のイルデフォンソ・グアハルド・ビジャレアル氏はこう述べた。「NAFTAは22年前の協定です。近代化する必要があります。」21世紀にふさわしい協定に更新するには、データとデジタル貿易に関する条項を文書に盛り込む必要がある。

協定に影を落としているのはトランプ大統領だけではない。カナダのクリスティア・フリーランド外相によると、加盟国の1カ国が脱退すれば、協定全体が打ち切られる可能性がある。

「第2205条は、6カ月前に通告すれば、すべての当事国に協定から脱退する権利を認めています」と同氏は警告した。

CNBCに語ったトランプ氏の言葉を借りれば、「成り行きを見守ろう」ということだ。

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