生命の誕生をめぐる新説は、これまでの常識を覆す

An active region on the sun emitting a mid-level solar flare, peaking at 04:47EST (09:47GMT) is seen in an image was captured by NASA's Solar Dynamics Observatory (SDO) November 5, 2014. This is the second mid-level flare from the same active region, labeled AR 12205, which rotated over the left limb of the sun on November 3. REUTERS/NASA/SDO/Handout via Reuters (OUTER SPACE - Tags: SCIENCE TECHNOLOGY) THIS IMAGE HAS BEEN SUPPLIED BY A THIRD PARTY. IT IS DISTRIBUTED, EXACTLY AS RECEIVED BY REUTERS, AS A SERVICE TO CLIENTS. FOR EDITORIAL USE ONLY. NOT FOR SALE FOR MARKETING OR ADVERTISING CAMPAIGNS - RTR4D4QA
Jeremy England, a biophysicist, has proposed a new theory which uses thermodynamics to explain how life was createdImage: REUTERS/NASA
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坂を転がり落ちる岩

生命は、何もないところからどのようにして最初に生まれたのだろうか。これは生物学者、とりわけ宇宙生物学者が取り組んできたテーマであり、広く知られる説には、隕石から一見無作為な化学物質、さらには偶然まで、さまざまなものがある。1859年、チャールズ・ダーウィンは『種の起源』で、「地球上に生きたすべての有機体は、何らかの原始的な形態に由来する可能性がある」と述べた。彼の基本的な考えとは、化学成分とエネルギー源が何らかの形で自然発生的に作用し、原始のスープの中で生命を生み出したというものだった。

しかし2013年、MITの生物物理学者ジェレミー・イングランドは、新たな理論を提唱し、偶然に代えて熱力学を説明原理とした。彼は、外部からのエネルギー(原始のスープに存在したものなど)と熱(大気中にあるようなもの)に駆動される原子が、次第に自らを再構成し、より多くのエネルギーを散逸させる仕組みを説明する数式を導き出した。言い換えれば、適切な条件下では、物質は生命に結び付く基本的な物理的性質、つまり環境からエネルギーを取り込み、熱として散逸させる傾向を自然に獲得する。これは、エントロピー増大の法則、すなわち熱力学第二法則に基づくもので、「時間の矢」とも呼ばれる。

この理論が正しければ、イングランドは2013年にこう述べたように、偶然は関係なく、生命はその法則に従って進化するはずであり、「坂を転がり落ちる岩と同じくらい、当然のこと」になるはずだ。

時間の矢

その後、イングランドは自らの数式を検証し、コンピューター・シミュレーションを使って、より広く自身の考えも検証してきた。7月には2本の研究論文を発表し、どちらの実験も散逸に駆動される適応についての彼の基本理論を裏付けているようだ。しかし、これらの結果が生命の起源について最終的に何を意味するのかは、依然として明らかでない。

シミュレーションでは、25種類の化学物質からなるスープが、複数の形で互いに反応した。環境中のエネルギー源が特定の化学反応を「強制」する様子は、ATPが細胞の代謝に化学燃料を供給するのと同じだ。場合によっては、熱力学第二法則がもたらす最もよく知られた帰結である平衡状態に、系は達する。しかし別の場合には、反応が環境から可能な限り多くのエネルギーを取り込むにつれて化学反応ネットワークが進化し、平衡から大きく離れた固定点に至る。

こうした「熱力学的駆動が極端に強いまれな状態」は、生物が化学エネルギーを燃焼させる際に受ける極端な駆動に似ている。イングランドは、熱力学が非平衡系におけるこの自然な帰結を定めるため、原子は化学エネルギーを最適に消費するよう設計された非常に特定の形態と機能を獲得し、細菌になると考えている。多くの生物物理学者がイングランドに賛同しているが、生命の本質をめぐっては今も意見が分かれているため、この理論が生命の起源をどこまで説明できるのかを見極めるのは難しい。

では、次は何か。おそらく次の段階は、コンピューター環境の外で原始のスープを物理的に再現することだろう。ただし、それにはある程度の推測が伴う。また、イングランドは自身の理論をダーウィン進化論の基盤と見なしているが、この散逸駆動型の適応理論では、単に一定の構造を持つものと生きているものを区別できないとする意見もある。たとえば、情報を認識し、処理し、生殖という形で伝える能力は、イングランドの理論では十分に説明できないかもしれない。いずれにしても、この研究は、私たちの惑星が何もないところから何かを生み出した過程を説明し得る一つの説について、興味深い知見をもたらしている。

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