ポーランドのユニコーン、スロバキアの空飛ぶ車、そして欧州の未来

Entrepreneurs work at their computer laptops at the so-called "incubator" of French high-tech start-ups "Numa" in Paris, France, in this March 11, 2016 file photo.
Teaching coding is not enough to support Europe's tech sceneImage: REUTERS/Charles Platiau
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欧州の未来が懸かっている。その理由は、移民危機やブレグジットにつながった政治的混乱といった明白な課題をはるかに超える。

過去12年間、世界のGDPに占める欧州連合の割合はほぼ32%から約23%にまで低下した。欧州大陸が再び世界の製造業の中心になるとは想像しにくいものの、EUにはこの傾向を反転させる手段がまだある。デジタル時代の変化の波である第四次産業革命を活用し、長期的な政策、イノベーション、政府と企業の協力を組み合わせて、この地域を持続的な成長の時代へと導くことができる。

中欧・東欧には、大陸の未来に極めて重要な役割を果たす可能性がある。過去5年間、この地域ではGDPに占める情報通信技術(ICT)の割合が目覚ましく伸びた(例えばブルガリアでは、2012年の1.3%から2016年には3.3%に上昇した)。

地域内の小規模な市場で競争するのではなく、既存の専門分野を生かしながら、新たな専門分野も築き、対象を絞った知的な特化を実現できる。そうすれば、各国の産業は地域内で競争することなく、より広い欧州市場へ事業を拡大できる。

ポーランドのスタートアップ事情

中欧・東欧の投資市場を少し見れば、ポーランドでは複数の分野でスタートアップのエコシステムが十分に発達している一方、大きな価値がマーケティングオートメーションに集中していることが分かる。すでにユニコーン企業が1社あり、Allegroに加え、さらに2社がユニコーン企業となる可能性がある。SALESmanagoとGrowbotsがその候補だ。一方、ビデオゲーム業界ではCD Projektが存在感を示している。これらは、確立されたノウハウと実績を持つ、今日のポーランドで最も有望な2つの専門分野だ。

一方、チェコ共和国とルーマニアは欧州のサイバーセキュリティーを支える柱となっており、Avast SoftwareやBitdefender、TypingDNAなどのスタートアップがある。また、私の母国ブルガリアにも、ソフトウェア開発会社TelerikというICT分野の成功例があり、同社はProgress Softwareに2014年に2億6,250万ドルで買収された。

スロバキアでは、高度なエンジニアリング企業AeroMobilが世界初の空飛ぶ車を開発しており、今年中に受注を開始する予定だ。

こうした強みをさらに伸ばし、的を絞った教育と地域内の人材で支えることは、地域社会にも欧州の未来にも大きな違いをもたらすだろう。

さらに詳しく調査すれば、各国のいくつかの専門分野を挙げ、地域開発の戦略を策定できると確信している。

第四次産業革命とその新技術は、より良い未来へ向かう道を照らす光となる。

ルクセンブルクからアルバニアまで

しかし、必要な法律や政府の支援なしに、産業と経済のイノベーションを実現することはできない。ルクセンブルクが宇宙空間の資源採掘を規制する法律を制定した世界初の国となり、エストニアが電子市民権を導入した初の国となったように、中東欧(CEE)のデジタル発展を支える適切な法整備を考える必要がある。一例としてアルバニアでは、一定の売上高に達するまで、スタートアップが税負担なしで事業を開始できる。

また、将来の労働市場のニーズに子どもたちを備えさせるため、学校教育の早い段階から明確な専門分野を定める必要がある。

プラハの街並み:欧州の産業の姿は永遠に変わったImage: ロイター/David W Cerny

今日、物理や化学の知識を生かしている人はごくわずかだ。そして、子どもたちにプログラミングを教えること(それが一般化しつつある)は、タクシーの運転を教えるのと同じだ。自動化が最大限に進んだ後には、仕事を見つける助けにならない技能である。

批判的思考、創造性、チームワークを育むために、教育制度を再構築する必要がある。これらは将来の産業が最も求める技能となるからだ。

この規模の経済変革を実現するには、立法措置だけでなく、補助金や新興企業の事務負担軽減といった形での国の支援も必要となる。

欧州では先端技術を扱うスタートアップが増えている。共通の未来への投資となるのだから、今こそこれらを支援し、投資する必要がある。政府の支援を受けた官民連携の新たなプラットフォームや、対象を絞った事業加速を通じて実現できる。

中欧・東欧の産業は、多くの面でいまだにソ連時代に取り残されている。近年、この地域の政府は自国の再工業化について、ますます頻繁に語るようになった。しかし、新たな製造能力に資金をつぎ込むのではなく、政府はより効率的なシード投資や次のラウンドへの投資プログラムを通じて、最も優れた人材を支援すべきだ。

知的な特化は、この地域の教育制度にも法的枠組みにも反映されるべきだ。中欧・東欧は、旧大陸のより良い未来を切り開く力を持つと心から信じている。私は、まだ十分に生かされていないこの地域の人々の可能性を信じている。私たちの国々には、主要なアウトソーシング先の一つにとどまるより、はるかに明るい未来がある。そして政策立案者、研究者、ビジネスリーダーが力を合わせれば、その未来を共に描くことができる。

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