デジタル化とイノベーションはポストコロナの世界をどのようによりよい場所にできるか

Mira Robotics CEO Ken Matsui operates an Ugo avatar robot during a demonstration at the company's laboratory in Kawasaki, Japan June 8, 2020. Picture taken June 8, 2020. REUTERS/Kim Kyung-Hoon - RC2M5H9QKSWN
'The digital transformation is as much about transforming business processes as it is about empowering people to work in new ways.'Image: REUTERS/Kim Kyung-Hoon
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  • デジタル化とイノベーションには、社会に価値を加え、公衆衛生、環境、生物多様性に貢献する大きな可能性がある。

  • デジタルトランスフォーメーションを成功させるには、リスキリングやアップスキリングを含め、人々が新しい働き方を取り入れられるようにすることが求められる。

  • 部門横断的な協力は、現在の危機から「よりよい形で再建する(build back better)」うえで中心的な役割を果たす。

こしばらく、企業や国々は、急速に変化する世界で関連性と競争力を保つため、先端技術や新たなビジネスモデルの導入に注力する新たな変革の段階にある。

COVID-19は、近年における政府、企業、社会にとって最も手強い課題の一つとなっている。多くの人々は、これを21世紀における究極の転換点とみなしている。パンデミックは、企業が事業継続を確保するために混乱への対応策を策定すべきであることを知らせる警鐘である。また、社会全体でデジタル化の加速プロセスを進める契機となる分水嶺でもある。

私の考えでは、これら二つの目標は両立しないものではない。実際、デジタル化とイノベーションには、公衆衛生、環境、生物多様性を含む重要な課題に対処しつつ、社会に価値を加える大きな可能性があると私は考えている。

さまざまな分野の再構想

技術の進歩とイノベーションは、ヘルスケアから通信、農業に至るまでさまざまな分野が技術を活用し、社会にプラスの影響を与えられるよう再構想するうえで重要な役割を果たしうる。

医療提供者や公衆衛生機関にとって、感染症の発生は引き続き脅威であり続けるが、ビッグデータとAIを活用して感染症の流行を予測・予報し、医療物資を調達することで、その影響を緩和することは可能である。ビッグデータとそれがもたらす知見によって、感染症への備えや追跡が改善された有望な事例もある。

タイでは、デジタル評議会(DCT)を通じて、C.P.グループとトゥルー・コーポレーションが他の評議会メンバーとともに、医療物資の寄付の調達を支援し、COVID-19の拡散を追跡、追跡調査、封じ込めするためのデジタルプラットフォームとアプリケーションの立ち上げに取り組んでいる。また、HGロボティクスと協力し、全国41の病院にロボットソリューションを導入して、医療従事者と隔離中の患者との間のコミュニケーションを強化している。ロボット1台で、1日最大70件の実際の物理的接触を減らすことができる。

今回の危機における事業継続と経済的レジリエンスの重要な要素は、通信・ネットワーク事業者が消費者や企業向けの帯域幅を維持することである。ロックダウン期間中に人々をつなぐためにテクノロジーを活用できる可能性は非常に大きく、リモートワークやeラーニングへの移行はCOVID-19パンデミックを超えて続く可能性が高い。社会に役立つ適切なデジタルインフラを構築するには、政府、金融機関、規制当局との協力が不可欠となる。

食料サプライチェーンと小売の分野では、画期的な技術をアグリビジネス、農業、eコマースに統合することで、バリューチェーンにおける透明性と追跡可能性を高め、より責任ある持続可能な方法で顧客と社会に貢献できるようになる。

例えば、衛星システムが農家による耕作に適した農地の特定を支援できること、モノのインターネット(IoT)によって灌漑システムが水の利用をより適切に管理できること、ブロックチェーンによって買い手と売り手が生産プロセス全体を通じて農産物を追跡できるようになり、サプライチェーンに透明性をもたらすことを、私たちはすでに見てきた。

衛星技術、バイオテクノロジー、ナノテク、ロボット工学における継続的な研究開発により、技術は適切に導入されれば、動物の病気やコモディティのライフサイクルをより深く理解し、農場の生産性と持続可能性を高めるうえで多大な影響を与えうることも示されている。

労働力のアップスキリング、リスキリング、トレーニング

デジタルトランスフォーメーションは、人々が新しい方法で働けるよう力を与えることと同様に、ビジネスプロセスの変革にも関わるものである。そのため、C.P.グループにとっての重要な優先事項は、労働力の将来への準備を進め、世界と事業を展開する業界の新たな現実に適応できるようにすることである。これには、従業員への研修およびリスキリングの機会の提供と、全事業部門の積極的な関与が含まれ、当社が上から下まで、イノベーションとデジタルの刷新によって推進されるようにすることが含まれる。

これは東南アジアにとって特に重要である。人々の生活水準が向上するにつれ、同地域はテック系スタートアップの成長の黄金時代を迎えている。Google、Temasek Holdings、Bain Capitalが共同で発表した報告書によると、東南アジアのインターネット経済は今年1,000億米ドルに達し、2025年までに3倍の3,000億米ドルに拡大する見込みである。2015年から2019年にかけて、同地域のオンライン人口は2億6,000万人から3億6,000万人へと急増し、そのうち約90%がモバイルインターネットを利用している。

したがって、スタートアップのためのサポート体制を整えることは、同地域における起業とイノベーションを促進するうえで極めて重要である。これには、起業家にインキュベーションプログラムを提供するとともに、資金調達、スキル開発、ビジネスネットワークへの接点の提供といった支援を行うことが含まれる。これが、つながりと知識の共有を促す環境づくりに重点を置いた、東南アジア最大のスタートアップ・エコシステムであるTrue Digital Parkを設立する動機となった。

官民パートナーシップ

デジタルとイノベーションに関わるインフラを高度化することは、事業継続と将来の社会の発展にとって極めて重要であるが、それは一企業または一国の行動のみによって達成できるものではなく、グローバルな官民パートナーシップを必要とする。

私たちが共にCOVID-19に取り組む中で、多くの技術企業は、ヘルスケア産業を直接支援し、雇用を守り、自社の従業員やコミュニティを保護するための行動をすでに取っている。その他にも数多くの注目すべき取り組みがある。

民間セクターは、技術を活用して俊敏性とレジリエンスを維持する方法を計画する必要がある一方で、企業は、4.0時代への移行を支えるグローバルな規範と幅広い政策の枠組みを策定するために、政府や世界経済フォーラムのような国際機関と緊密に連携する必要もある。私たちは、国際連合グローバル・コンパクトやグローバル・コンパクト・ネットワーク・タイランドなど現在のパートナーシップを通じて、この点についての認識を引き続き高め、この分野におけるより多くの官民パートナーシップを促進していく。

分野横断的なステークホルダー同士の協働が持つ可能性を活かすことで、デジタル化され、つながった世界が、現在の危機から「よりよい形で再建する(build back better)」社会を実現できるよう、バリューチェーンを根本的に再考する真の機会がある。

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