米国は時に、人種・民族のるつぼと称される。
しかし、新しい地図は、天体物理学者のトマシュ・ステピンスキが作成したもので、米国の多くの町や都市、郊外で人種隔離が今なおどれほど続いているかを示している。
ステピンスキは国勢調査のデータとNASAの衛星地図を使い、米国のほぼすべての地区について人種構成の割合を示す詳細な地図を作成した。
地図では、非ヒスパニック系白人、非ヒスパニック系黒人、アメリカ先住民、アジア系、ヒスパニック系、その他の6つの人種カテゴリーが、それぞれ異なる6色で示されている(凡例を参照)。

特定の人種の人口密度が高く、全体としての多様性が低い地域は、その色の濃い色調で示される(凡例の左列から右へ)。特定の人種の人口密度が高くても、全体としての多様性が中程度の地域は、より薄い色で示される(凡例の右列)。例えば、白人住民の人口密度が高く、全体としての多様性が低い地区はオレンジ色で示される。ヒスパニック系住民の人口密度が高い地域は濃い紫色だ。色が薄いほど、その集団の人口密度は低い。
全体として人種的多様性の高い地域は灰色で示される。
このインタラクティブな地図には1990年から2010年までのデータが記録されており、利用者は拡大して地域の経年変化を見ることができる。ステピンスキは4月27日、シカゴで開かれた年次米国人口学会会議で研究成果を発表した。
ステピンスキの地図によると、2010年時点の米国7都市の多様性は次のとおりだ。
米国で最も人種隔離が進んだ都市の一つであるシカゴでは、地区ごとの分断が顕著だ。中心部にはヒスパニック系と黒人の住民が暮らす地域がはっきりと分かれて存在する一方、都心に隣接する郊外の住民は主に白人だ。

CityLabが指摘するように、何十年にも及ぶ人種差別的な住宅政策(現在も続いているものもある)が、シカゴの人種隔離の一因となった。例えば、第二次世界大戦後、連邦住宅局はシカゴをはじめ全米各地で、黒人への住宅ローンを明確に拒否していた。
ニューヨーク市の地区も、人種による分離がかなり進んでいる。マンハッタンでは白人住民の人口密度が比較的高い一方、黒人、ヒスパニック系、アジア系のニューヨーカーが最も多く暮らすのは、アッパー・マンハッタン、ブロンクス、ブルックリンとクイーンズの一部だ。マンハッタンの西に位置するジャージーシティでは、同程度の人種隔離は見られないようだ。

メリーランド州ゲイサーズバーグやワシントンDC北部のほかの地域は、濃い灰色の表示が示すように、人種的にかなり多様だ。

カリフォルニア州オークランドにも灰色の斑点が多く見られ、サンフランシスコより人種的多様性が高いことを示している。

ステピンスキの地図では、都市の多様性が時間とともにどう変化したかも見ることができる。1990年、シアトルの多くの地区は人種によって分かれていた。

しかし2010年までに、シアトル中心部の南側の一部地域では多様性が大幅に高まっていた。

「米国は多様な国でありながら、今なお非常に人種隔離が進んでいることに、人々は気づいていません」とステピンスキはQuartzに語った。

ステピンスキは述べたところによると、2020年に新たな国勢調査データを使って地図を更新する予定だ。
ステピンスキはまた、この地図が社会科学者や市当局者、都市計画担当者の理解を深め、米国の各地区の人種構成を把握して、人種隔離の緩和に役立つ可能性があるとも述べた。

一般的な免責事項:
この地図で用いられている名称や資料の提示は、いずれかの国、領土、都市もしくは地域、またはその当局の法的地位、あるいはその国境や境界の画定に関して、世界経済フォーラムがいかなる見解を表明することも意味しない。


