宇宙技術は私たちの暮らしを向上させ、世界をより良い場所にしている。その方法を紹介しよう

A H-IIA rocket, carrying a Michibiki 2 satellite, one of four satellites that will augment regional navigational systems, lifts off from the launching pad at Tanegashima Space Center on the southwestern island of Tanegashima, Japan, in this photo taken by Kyodo June 1, 2017. Mandatory credit Kyodo/via REUTERS ATTENTION EDITORS - THIS IMAGE WAS PROVIDED BY A THIRD PARTY. EDITORIAL USE ONLY. MANDATORY CREDIT. JAPAN OUT. NO COMMERCIAL OR EDITORIAL SALES IN JAPAN. TPX IMAGES OF THE DAY - RTX38GQZ
To protect our planet, we need to understand it better. Satellites will play a vital role in thisImage: REUTERS
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私はよく、「地球上には解決すべき問題が山積みなのに、なぜ宇宙に向けて衛星を開発しているのか」と尋ねられる。まったく理にかなった質問だ。簡潔に答えるなら、地球上の私たちを助けるために宇宙へ行く必要がある。衛星は世界の状況を改善するうえで非常に大きな役割を果たしてきた。技術革新が急速に進み、画期的な新機能を備えた小型衛星の大規模な新しい機群を打ち上げられるようになれば、その役割はさらに大きくなる。

持続可能な開発目標(SDGs、またはグローバル・ゴールズ)は、2015年に国連で全会一致により採択され、現在世界が直面する課題をよくまとめている。その解決に役立つ重要な手段は数多くあり、宇宙もその一つだ。5月、国連は「技術革新とグローバル・ゴールズ」に関する会合を開催し、衛星が世界のSDGs達成に果たす役割について、私に話すよう依頼があった。

衛星が地球全体をカバーすることで、私たちが最大の課題を克服する助けとなる、独自の事実に基づく視点が得られる。宇宙機からの情報は、農業の収量向上や生息地の喪失防止、森林破壊の阻止に役立つ。衛星はオゾン層の穴を発見し、現在もそのデータは気候変動対策の鍵となっている。また、インターネットや通信を通じて世界をつなぎ、何百万人もの人々に目に見えないサービスを届けてきた。宇宙の衛星はこれまで私たちに多くのものをもたらしてきたが、今後はさらに大きな貢献をするだろう。

Image: ロイター

世界の注目がグローバル・ゴールズに集まるなか、衛星が地球上の目標達成にどう役立つかを体系的に検討すべきだ。そこで同僚たちと目標を分析したところ、17のSDGsのうち12は衛星の支援によって達成できる可能性があると分かった。ここでは、衛星が貢献できる目標を7つ取り上げ、具体例を紹介する。

地球観測衛星

目標2:飢餓をゼロに

衛星画像を使えば、画素ごとに作物の収量を把握できるため、農家は水や肥料を与える時期や収穫時期をより適切に判断できる。近赤外線などの特殊なスペクトル帯で土地を撮影することで、作物の活力や生産性を示す植生指数を作成できる。農地は地球の陸地面積の37%を占める。これほど広大な地域にわたってデータを収集できるのは、衛星ならではだ。例えば、私が創業した会社のプラネットは、こうした取り組みを支援するため、地球上の全陸地を毎日撮影している。

目標6:安全な水とトイレを世界中に

衛星画像を活用すれば、貯水池の水位を広範囲かつ効率的に監視でき、水不足を早期に警告できる。また、水源を共有する国々の間で統一されたデータを提供し、水の供給に関する透明性と一貫性を高められる。

目標13:気候変動に具体的な対策を

気候変動の兆候が最も早く、明確に観測されるのは、世界の非常に遠隔な地域であることが多い。地球観測衛星は、森林破壊の世界規模での監視を可能にし、水域の汚染レベル、氷床の状態、砂漠化も観測できる。さらに、こうした事象を防ぐための早期かつ迅速な対応を可能にする。

目標14:海の豊かさを守ろう

衛星は、違法漁業の追跡と阻止に役立つ。船舶自動識別装置(AIS)のトランスポンダーは、合法的な漁船の位置を示し、法律で常時作動が義務づけられている。これと最新の衛星画像を組み合わせることで、AIS信号を発信せずに航行する船舶を特定できる。そうした船舶は違法漁業に従事している可能性がより高い。

目標15:陸の豊かさも守ろう

衛星は、野生生物の生息地を監視し、保護するのに役立つ。開発や破壊が迫っている兆候を見つけ、当局に知らせることで、早期の介入と阻止を促せる。

通信衛星

目標3・4:すべての人に健康と福祉を、質の高い教育をみんなに

地球上の75億人のうち、インターネットを利用できるのはわずか50%にすぎない。SpaceXやOneWebが開発を進めるような、通信衛星の世界的なネットワークがあれば、圧倒的多数の人々がインターネットに接続できる可能性がある。特に、インフラや開発が乏しい遠隔地でその効果が期待される。インターネットにアクセスできれば、知識の共有が進み、遠隔医療や教育を通じて優れた医師や教師の恩恵を受けられるほか、コミュニケーションも活発になる。

衛星が多くのグローバル・ゴールズに貢献できることは明らかだ。政府、企業、NGOのリーダーは、SDGsをできるだけ早く達成できるよう、投資や意思決定においてこれらの手段を最大限に活用すべきである。

1965年7月9日、米国の国連大使アドレー・スティーブンソンは、「宇宙船地球号」という概念を提唱した。この概念は後に作家バックミンスター・フラーによって広められ、その後数十年にわたり、持続可能性について考えるきっかけとなった。「私たちは小さな宇宙船の乗客として共に旅をしている。脆弱な空気と土壌の蓄えに頼り、私たちの安全のため、その安全と平和に皆が心を配る。私たちがこの壊れやすい船に注ぐ配慮と労力、そしてあえて言えば愛によってのみ、滅びを免れている。」

では、宇宙に行く前に地球上の問題を解決すればよいのではないか。私たちが宇宙へ行く必要があるのは、宇宙船地球号に乗っているからだ。そして地球を大切にするには、地球を理解し、私たちが地球とどう関わっているかをより深く理解する必要がある。

このブログは、世界経済フォーラムの宇宙技術に関するグローバル・フューチャー・カウンシルによる連載記事の一部である。この連載では、政府、企業、社会、そして個人にとっての宇宙の未来と重要性に焦点を当てる。

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