自然に投資すれば、1ドルにつき9ドルの見返りが得られます。
人間と自然界の不均衡が、人獣共通感染症によるパンデミックを引き起こしてきた。
パキスタンの「10億本の植樹」プロジェクトは、経済と地域社会に貢献してきた。
パキスタンの気候変動担当大臣であり顧問でもあるマリク・アミン・アスラム氏は、新型コロナウイルスのパンデミック中に自然から2つの重要なことを学んだと述べる。
第一に、自然を粗末に扱えば、自然は反撃する。第二に、大切に扱えば、多くの恩恵がある。
パキスタン首相の顧問も務める気候変動担当大臣は、世界経済フォーラム主催の持続可能な開発インパクト・サミットの初日に発言した。
「自然への投資を始めれば、自然は必ず見返りをもたらしてくれます」と同氏は述べ、パキスタンの「10億本の植樹」プロジェクトに言及した。このプロジェクトは、雇用を創出し、地域社会を巻き込み、新たな経済の発展を後押しすることで成果を上げてきた。
自国の経験から、自然への投資は1ドルにつき9ドルの見返りをもたらすと証明された、と同氏は述べた。
「このパンデミックから抜け出すとき、私たちは、そこに至ったのと同じ道を進む必要はありません。パンデミックの間、人間が退いたことで世界がどう変わったかを目にしたでしょう。何が起きましたか。青空が広がり、きれいな空気が戻ってきたのを見たでしょう」と同氏は述べ、これを前向きな機会だと表現した。
危うい均衡
一方で、自然を粗末に扱えば、今後さらに困難な事態を招く恐れがあると大臣は警告した。
「自然が世界中に発した厳しい警告は、境界があり、自然は一定の限界と均衡の中で機能しているということです。その均衡を崩そうとすれば、自然は反撃します」と同氏は述べた。
大臣は、人間が動物の生息域に侵入したために、人獣共通感染症のパンデミックのただ中にいるという事実を、自然の反撃を示す例として挙げた。
人獣共通感染症とは、動物から人間に感染する病気を指す。ネズミ、コウモリ、サル、類人猿は、人獣共通感染症の病原体を広げる可能性が比較的高い動物だ。この経路で広がるほかの感染症には、エボラ出血熱、HIV、SARS、MERS、ジカ熱がある。
国連環境計画(UNEP)は、都市化や工業型農業を含む人間の活動が、パンデミックの土台を築いてきたと警告している。それは、生物多様性の喪失と環境破壊を引き起こしてきたためだ。
新型コロナウイルスは現在、200を超える国・地域に広がっており、世界の感染者数は3,100万人を超え、死者数はほぼ100万人に達していると、ジョンズ・ホプキンス大学が集計したデータは示している。


